オートミールを食べる人は、食事の質が全体的に良いよねという研究
健康的な食事のガイドラインとして、穀物はできるだけ全粒穀物で食べることが勧められています。白米やうどん、小麦粉のような精製された穀物でなく、玄米やそば、全粒粉のような精製していない食品が良いわけですね。それで、全粒穀物には様々なメリットがあって
- 食物繊維が豊富
- 不飽和脂肪が含まれる
- ビタミンやミネラルが豊富
- 血糖値を上げにくい
などのメリットが挙げられます。そして、これらの栄養素のおかげで、糖尿病や血中脂質、インスリンレベルなどの様々な健康面の改善が実際に確認されているんですね。
アメリカの食事のガイドラインでは、食事で摂取する穀物の半分以上を全粒穀物にすることを勧めています。しかし、現実には全粒穀物を進んで摂取するのは一部の人のみで、これを達成できるいる人は少ないでしょう。
そこで本稿では、
- 全粒穀物の一種であるオートミールを食べている人は、全粒穀物だけでなく他の食事全般の質も良いのでは?
ということを確かめてくれたアメリカの研究(*1)を見てみましょう。
オートミールと食事の質
オートミールとはオーツ麦を平らに引き伸ばして乾燥させたシリアルの一種。オートミールはグラノーラに含まれていることがありますが、グラノーラのように美味しい味付けがされていないので、よりヘルシーな食べ物になっています。食べ方としてはお湯を注いでお粥のようにして食べることが多いみたいですね。
それでアメリカの研究では、5876人の子供を対象に、朝食に食べるもので下記のように子供をグループ分けしています。
- オートミール
- ドーナッツやペストリー
- パンケーキやフレンチトースト
- 卵やオムレツ
- 低糖質のシリアル
- 高糖質のシリアル
- 朝食を食べない
そして、これらのグループで24時間の食事の質全体がどのように変わるのかを比較して分析しています。
結果:オートミールグループの食事の質
早速結果を見てみると、まず食事全体の質のスコアを比較した結果を見てみると、朝食にオートミールを食べる人は
- 朝食を食べない人よりも食事の質が高かった(+13.5)
- ドーナッツを食べる人よりも食事の質が高かった(+16.4)
- パンケーキを食べる人よりも食事の質が高かった(+11.3)
- オムレツを食べる人よりも食事の質が高かった(+10.8)
- 低糖質のシリアルを食べる人よりも食事の質が高かった(+3.65)
- 高糖質のシリアルを食べる人よりも食事の質が高かった(+8.87)
となっています。
他のグループと比べても、オートミールを食べる人は一番食事の質が高いことが分かります。低糖質のシリアルとは食事の質は近くなっていますが、これはオートミール自体が低糖質なシリアルに近いからでしょう。
結果2:どんなふうに食事の質が良いのか?
それでは具体的にどのように食事の質が良かったのかというと、
- 乳製品を多くとっていた(+40.7%)
- 全粒穀物を多くとっていた(+265%)
- フルーツを多くとっていた(+53.3%)
- 精製された穀物の摂取は少なかった(−14.6%)
となっています(基準は朝食を取らないグループ)。
これらを栄養素の観点から見ると
- 摂取するエネルギーが多かった(+18.4%)
- タンパク質が多かった(+9.9%)
- 食物繊維が多かった(+44%)
- カルシウムが多かった(+33.5%)
- 鉄分が多かった(+21.4%)
- マグネシウムが多かった(+37.9%)
- カリウムが多かった(+21.8%)
- 葉酸が多かった(+13.9%)
- ビタミンAが多かった(+52.3%)
- ビタミンDが多かった(+52.2%)
ということ。
オートミールはあまり美味しいものではありませんが栄養はバッチリ。わざわざオートミールを食べる人は健康への意識が高く、朝食以外の食事の質も他の人より良いみたいですね。
まとめ
本稿では「オートミールと食事の質」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 穀物はできるだけ全粒穀物で取ることが健康にはお勧めされている
- 朝食にオートミールを食べる人は、朝食だけでなく食事全体の質が他の人よりも良い
ということ。
オートミール自体は味気ないですが、ブルーベリーなどを混ぜると結構美味しくなります。ただし、オートミールは日本ではあまり馴染みがないかもしれないので、日本で言えば白米よりも玄米を食べるで考えてみるのも良いでしょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]