1番の人生の後悔って何なのか?の研究
あんな選択をするんじゃなかったとか、あのときにこっちの道を選んでおけばよかったとか、やり直しの効かない人生では後悔を避けては通れません。もちろん後悔にも大小があって、子供の頃にもっと勉強をしておけばよかったという大きなものから、今日選んだランチがあまり美味しくなかったみたいな小さな後悔もあります。
本稿で注目するのは大きな後悔の方で、
- 人生で1番の後悔を聞かれると、人はどんな後悔を挙げるのか?
を調べてくれたイリノイ大学の研究(*1)を見て行きましょう。
人生の12の後悔
イリノイ大学の研究では、後悔を次の12個の分野に分けて、どの後悔が一番大きいのかを調べています。
- 教育
- キャリア
- 恋愛
- 子育て
- 自己
- 余暇
- ファイナンス
- 家族
- 健康
- 友達
- スピチュアル
- コミュニティ
それではどうやって調べたのかというと、この研究では大きく二つの実験を行っています。一つ目が過去の研究データ11セットをまとめたメタ分析で、データの規模は3041人となっています。二つ目は学生を対象にした実験で、過去の1番の後悔を聞き取る実験となっています。二つ目の実験ではやり直す機会があることで、後悔をより強く感じるのかという点の分析が行われています。
つまり、この二つの実験では
- 人は12種類の分野の中のどれに1番の人生の後悔を感じやすいのか?
- 後悔をやり直す機会があるほど、その後悔を強く感じるのか?
を解明してくれたわけですね。
結果①:人生で1番の後悔とは?
早速12種類の分野の公開の強さランキングを見てみると、次のような結果になっています。
メタ分析 | 学生 | |
1位 | 教育 (32.2%) | 恋愛 (26.7%) |
2位 | キャリア (22.3%) | 友達 (20.3%) |
3位 | 恋愛 (14.8%) | 教育 (16.7%) |
4位 | 子育て (10.2%) | 余暇 (10.0%) |
5位 | 自己 (5.5%) | 自己 (10.0%) |
6位 | 余暇 (2.5%) | キャリア (6.7%) |
7位 | ファイナンス (2.5%) | 家族 (3.3%) |
8位 | 家族 (2.3%) | 健康 (3.3%) |
9位 | 健康 (1.5%) | スピリチュアル (3.3%) |
10位 | 友達 (1.5%) | コミュニティ (0%) |
11位 | スピリチュアル (1.3%) | ファイナンス (0%) |
12位 | コミュニティ (0.95%) | 子育て (0%) |
学生はまだ子育てやファイナンス、キャリアといった経験が少ないので、後悔の分布も少し変わってきています。人生の後悔という点では大人を対象にしたメタ分析の結果の方が参考になるでしょう。
メタ分析の結果では1番の後悔は教育となっています。やはり、若い頃にもっと勉強しておけばよかったという後悔は多くの人が感じる人生の1番の後悔のようです。そして2番目がキャリアということで、どんな仕事を選ぶとか、どの会社を選ぶとかの大きな決断を間違うと大きな後悔につながってしまうようです。
結果2:やり直しの機会と後悔の強さ
次のやり直しの機会と後悔の強さの結果を見ていきましょう。やり直しの機会とは今でもその後悔をやり直せるかどうかで、例えば勉強しておけばよかったという後悔は、今でも再度勉強し直せるので、やり直しの機会があるわけです。
実験の結果としては、
- 人やり直しの機会があることの方が、強く後悔を感じていた
という結果になっています。ちなみにやり直しの機会がある後悔と教育・恋愛・自己・健康といったもので、やり直しにくい後悔とはキャリア・家族・ファイナンスといったものです。
なぜやり直しの機会があると後悔が強くなるのかというと、人は自分でどうにもならないことは「しょうがなかった」と受け入れやすく、自分の努力次第で今でもやり直せることには「もっと前からやっておけばよかった」と考えやすいからでしょう。
まとめ
本稿では「人生で1番の効果は何か?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 人生の1番の後悔Top3は教育・キャリア・恋愛だった
- 人はやり直しの機会がある後悔の方が、より強く後悔を感じやすかった
ということ。
いつでも始められることを先延ばしにしてズルズルとやらないままでいると、後悔を感じやすくなってしまうでしょう。間違ったことをしてしまった後悔よりも、何もやらなかった後悔の方が強いということも他の研究で分かっています。なので、後で後悔するくらいなら、どんどん踏み出して行動して行った方が良いのかもしれませんね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]