睡眠不足だと何カロリーくらい食べすぎてしまうのかのメタ分析
睡眠不足になると自己コントロール能力が低下してしまって、食生活も乱れてしまうことが分かっています。睡眠不足の人はジャンクフードやエナジードリンクなどの、カロリーは高いけど栄養素が少ない食べ物を多く摂取しやすくなってしまうんですね。
結果として睡眠不足は総摂取カロリーを増加させるので、睡眠が不足することの不健康に加えて、カロリー方による肥満や生活習慣病などのリスクを高めてしまいます。
そこで本稿では、
- 睡眠不足になると具体的に何カロリーくらい食べ過ぎてしまうのか?
について調べてくれたニューカッスル大学の研究(*1)を見ていきましょう。
睡眠不足とカロリー摂取
ニューカッスル大学の研究では、睡眠不足と摂取カロリーの関係を調べた24件の研究をメタ分析でまとめています。これらの24件の研究は、睡眠を5.5時間以下に制限したグループと通常の睡眠時間のコントロールグループで、総摂取カロリーや栄養バランスを測定したもの。ほとんどの研究では食事の内容は自由で、自分の食べたいものを食べられるようになっています。まさに普段の生活の中で睡眠不足になってしまった時と同じような状況の実験というわけですね。
結果:睡眠不足とカロリーの摂取量
早速メタ分析の結果を見てみると、
- 5.5時間以下の睡眠不足の人は、1日に平均で204kcal多くのカロリーを摂取していた
ということ。
ただし、睡眠不足の日数が続くほどカロリーの摂取量も多くなることが分かっていて、
- 5日以上の睡眠不足でEIの増加量が0.50
- 2〜4日の睡眠不足でEIの増加量が0.34
- 1日の睡眠不足でEIの増加量が0.26
という具合で、睡眠不足の悪影響が増えています。
1日だけ徹夜して睡眠不足の人よりも、慢性的に睡眠不足の人の方が、睡眠不足で増えるカロリーが倍くらいになってしまっています。
結果2;睡眠不足と栄養素
続いて、睡眠不足で摂取しやすくなってしまう栄養を見てみると、
- 睡眠不足だと脂質の摂取量が増えていた(0.33)
- 睡眠不足だとタンパク質の摂取量が増えていた(0.30)
- 睡眠不足だと炭水化物の摂取量が増えていた(0.22)
ということ。
以前の研究では脂質の摂取が増えるというものもありましたが、今回のメタ分析では3大栄養素のどれも摂取量が増えています。ちなみに、一晩だけ完全に睡眠を取らなかった場合の研究結果として、飽和脂肪酸とタンパク質の摂取量が増えていたというものもあります。なので、短期的な睡眠不足だと一時的にジャンクフードが食べたくなるとかがあるのかもしれないですね。
まとめ
本稿では「睡眠不足と摂取カロリー」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 5.5時間以下の睡眠不足になると、平均204kcalほど摂取カロリーが増えてしまう
- 睡眠不足の日数が続くほど、摂取カロリーも増えていく
- 睡眠不足になると脂質・タンパク質・炭水化物のどれも摂取カロリーが増えてしまう
ということ。
食生活を改善したい場合には、睡眠をしっかりと整えて、自己コントロール能力を高めておきましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]