仕事での許しはメンタルや健康、生産性を上げるという研究
他人を許すことはメンタルにとって非常に良い効果があることが分かっています。許すことは怒りや苛立ちの感情を自分から切り離すことにつながるので、ネガティブな感情を減らしてくれるんですね。
許しは人生のどんな場面でも活用できるものですが、仕事においても効果を発揮してくれることが期待できます。上司から批判されてイラッとしたり、同僚がミスをしてストレスを感じたりと、仕事中に怒りやストレスを感じる場面には多々出くわすのもので、それらを許せるかどうかで仕事中の心の在り方が大きく変わります。仕事場に嫌な奴がいて、そいつへの怒りや嫌悪感で心がいっぱいになってしまうと、メンタルにとって非常に悪いことであることは容易の想像できますよね。
そこで本稿では、許しと仕事の関係について
- 職場での嫌な出来事を許せる人は、メンタルヘルスや生産性も高く保つことができているのか?
を調べてくれたルーサー大学の研究を見ていきましょう。
仕事での許しとメンタル・生産性
ルーサー大学の研究では、二つの実験により仕事での許しとメンタル・生産性の関係を調べています。
一つ目の実験では、最も他人に対して怒りやストレスを感じた出来事を思い出してもらって、
- そのときにどれだけ許すことができたか?
- 肉体的な健康はどれだか損なわれたか?
- メンタル面の健康はどれだけ損なわれたか?
- その出来事によるどれだけ生産性が低下したか?
を回答してもらっています。
二つ目の実験では、性格的な側面から許しやすい性格の人の傾向を調べていて
- どれだけ許しやすい性格か?
- 仕事の生産性や質が低下してしまうことがどれだかあるか?
- 心が乱されて散漫になってしまうことがどれだけあるか?
- 身体的に病気にどれだけかかっていたか?
を回答してもらっています。
結果:許しと健康・生産性
早速結果を見てみると、
- 許すことができる人ほど、身体的な健康が高い傾向があった
- 許すことができる人ほど、メンタルの健康も高い傾向があった
- 許すことができる人ほど、生産性も嫌なことで低下しにくい傾向があった
ということ。
やはり許すことは仕事においても大切なことで、健康面も生産性も許しが高めてくれていることが分かります。あんな奴許せないという気持ちになるときもあると思いますが、他人を責める気持ちは自分を苦しめるだけなので、自分のためにも許しで気持ちを切り離してあげましょう。
結果2:許しとストレス
ついでに、許しの効果にストレスの影響も加味した結果も見てみると、
- 許すことができる人はストレスが低減していて、それが生産性や健康の低下を防いでいる効果もあった
- ストレスの影響を排除しても、許すことにはまだ生産性や健康の低下を防ぐ直接の効果が残っていた
ということ。
許すことはストレスも減らしてくれるということでこれはありがたいですね。許しは生産性や健康を維持する直接の効果もあるということで、許しが人間関係を改善してくれるなどの他のメカニズムも隠されているのかもしれませんね。
まとめ
本稿では「仕事での許しは健康・生産性を高めてくれるのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 仕事での出来事を許せる人は、身体的にもメンタル的にも健康を維持し、生産性の低下も防ぐことができる
ということ。
怒りやストレスなどの負の感情に囚われないように、仕事で嫌なことがあっても許して切り離していきましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Forgiveness Working: Forgiveness, Health, and Productivity in the Workplace