肌を若々しく保つのに食事の栄養は何が役に立つのか?
 
									健康でいるということは、病気にならないことはもちろん、老化を防いで若々しい体を保つということでもあります。そして、老化のスピードは生活習慣の影響を大きく受けるもので、運動や食事、睡眠、タバコ、ストレスなどをきちんと整えてあげることがアンチエイジングの鍵になっています。
そこで本稿では、お肌のアンチエイジングについて
- 肌の老化を防ぐには、どんな食事の栄養が役に立つのか?
をまとめてくれた研究を見てみましょう。
肌の老化の原因とは?
お肌の老化には主に次の2つのパターンがあります。
- 体の中から肌が老化するケース
 健康に悪い食事が原因で、体の内側から肌の老化が進行するケース
- 表皮から老化するケース
 紫外線を肌に浴びるなど、肌の表面から老化が進行するケース
そして、なぜ肌の老化が起こるのかのメカニズムについては、いくつかの経路があるよう。
- 酸化ストレスが老化を進める
 私たちの体はエネルギーを作るために、呼吸で酸素を取り込んでいます。体の中に取り込まれた酸素は、体内で使われると一部が活性酸素という有害物質になってしまいます。活性酸素は他の物質と結びつく力が強く、DNAやタンパク質にダメージを与えて老化を進行してしまいます。
- DNAのダメージ
 紫外線を肌に浴びると、DNAにダメージを受けてしまい、遺伝子の劣化や変異が起きて老化が進んでしまいます。
- テロメアの短縮
 テロメアとはDNAを守るキャップのようなもので、老化が進むほどテロメアが短くなることが知られています。不健康な生活習慣はテロメアの短縮を早めてしまうので、それが皮膚の老化を進めてしまいます。
- AGEs
 AGEsとはタンパク質と糖を一緒に加熱した時に発生する有害物質で、揚げ物など高温で調理する料理に多く含まれます。食事から摂取したAGEsは体の老化を早めてしまいます。
- 炎症
 紫外線による酸化ストレスや細胞へのダメージは、最終的には細胞の炎症を引き起こして、それが老化を進めてしまう。
ということで、肌を若々しく保つためには、 UVカットの服を着たり、日焼け止めを塗ったりとした紫外線対策はやはり基本です。それに加えて、食事などの健康習慣も肌の老化プロセスに大きく影響していることわかります。
肌の老化を防止する食事の栄養
それでは、どんな栄養が肌の老化を遅らせてくれるのかというと、肌には様々な栄養が関連していることが分かっています。
| 水 | 肌の内部のバランスや組織の機能を維持してくれる | 
| タンパク質 | タンパク質の合成により肌の再生を促す | 
| 銅 | 肌のタンパク質の合成や安定化を助ける | 
| 亜鉛 | 表皮の角化細胞の増殖に関わる | 
| 鉄 | 肌の細胞内の抗酸化酵素の活動に深く関わる | 
| セレニウム | 表皮の角化細胞の発達に欠かせない 肌の細胞内の抗酸化酵素の活動に関わる | 
| ビタミンA | 遺伝子の発言を抑制して老化を防ぐ | 
| ビタミンB | 皮膚の炎症や色素沈着を防ぐ | 
| ビタミンC | 皮膚のコラーゲンの合成や、皮膚の細胞内の活性酸素の排除に関わる | 
| ビタミンD | 肌の細胞の炎症やDNAのダメージを減らす | 
| ビタミンE | 脂質の酸化的分解反応を抑制して老化を防ぐ | 
| 脂質 | 高脂質な食事は体の炎症を促進してしまう | 
| タバコ | 肌の色素沈着や壊死を起こしてしまう | 
| お酒 | 肌の脂質構造や浸透性を変え、バリア機能を低下してしまう | 
| 砂糖や焼いたもの | AGEsや炎症に関わる | 
ビタミンやミネラルをきちんととって、揚げ物やジャンクフードなどの不健康な食事を避けることがやっぱり大切みたいですね。上の表にずらっと並べた通りに、肌の老化には色々な栄養が影響しているので、特定の栄養をサプリで補うだけでは足りず、きちんとバランスの良い食事をすることが基本になりそうです。
まとめ
本稿では「肌の老化を遅らせる食事」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 肌の老化を防ぐには、紫外線対策はもちろん、食事の改善も役に立つ
- タンパク質やミネラル、ビタミン、脂質など多くの栄養が肌に関連しているので、加工肉や揚げ物などを避けて、バランスと質の良い食事をとることが大切
ということ。
お肌は体の内部の老化と違って目に見えるものなので、若々しい人だと思われたいならお肌のアンチエイジングには気をつけていきましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Diet and Skin Aging—From the Perspective of Food Nutrition
 
							 
							 
							 
							 
							