レスポンシブなパートナーが睡眠の質を上げてくれる?という研究
睡眠の質は色々な要因で変わるもので、
- 食事の内容
- 運動量
- 日中に日光を浴びた量
- カフェインの摂取
- 寝る前の体温の変化
など非常に多くの要因が関係しています。
その中でも本稿で注目するのは、感情面と睡眠の質について。不安や怒りといったネガティブな感情で心がいっぱいになると、夜なかなか寝付けなかったり、夜中に目覚めてしまったりすることもあるでしょう。
そこで本稿では、ネガティブな感情が睡眠の質を低下してしまう現象を和らげる方法として、
- 感情面を支えてくれるレスポンシブなパートナーがいれば、睡眠の質も良くなるのでは?
ということを調べてくれた研究を見てみましょう。
レスポンシブなパートナーとは?
レスポンシブには”感情に敏感”という意味があり、レスポンシブなパートナーとは相手の感情を敏感に察して、相手の感情面を支えてくれるパートナーのことです。
具体的にどんなパートナーかというと、
- 失敗して落ち込んでるのを見て、話を親身に聞いてくれる
- 不安になっているのを察して、大丈夫だよと励ましてくれる
- どうすればわからなくて動揺しているときに、アドバイスをくれる
- 怒りで心がいっぱいのときに、心を冷静にしてくれる
といった感じで、ネガティブな感情をうまく和らげれくれるパートナーということです。
それで、実際にレスポンシブなパートナーがいることには、様々な良い効果も確認がされていて、
- 日常的に不安のレベルが低減する
- ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが低下する
- うつのリスクを減らしてくれる
などが分かっているんですね。
レスポンシブなパートナーと睡眠の質
不安などのネガティブな感情で睡眠の質が低下してしまうのであれば、レスポンシブなパートナーがネガティブな感情を低減してくれれば、当然睡眠の質も向上することが期待できます。この点を調べてくれたのが中東工科大学らの研究で、この研究では698人の夫婦を対象にして、
- パートナーがどれだけレスポンシブだと思うか?
- 睡眠の質はどのくらいか?
- 不安や抑うつをどのくらい感じているか?
といったことを測定して、これらの関係を分析しています。
結果:レスポンシブなパートナーは睡眠の質を向上するのか?
早速研究の結果を見てみると、
- レスポンシブなパートナーがいる人は、睡眠に関する問題を抱えることが少なかった
- レスポンシブなパートナーがいる人は、不安と抑うつのレベルが低かった
- レスポンシブなパートナーがいる人は、不安の低下により、睡眠の質(ベットで起きている時間の少なさ)が良い傾向があった
ということ。
想定の通りで、レスポンシブなパートナーは睡眠の質を向上してくれるという結果になっていますね。ちなみに、レスポンシブなパートナーがいると、寝付くまでの速さはあまり変わらないが、夜中に目覚めてしまう時間が減るということで、これが睡眠の質の向上につながっているみたいです。
まとめ
本稿では「レスポンシブなパートナーと睡眠の質」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- レスポンシブなパートナーがいると、不安や抑うつが軽減される
- 不安や抑うつを軽減されると、睡眠の質が向上し、睡眠の関する問題も抱えにくくなる
ということ。
レスポンシブなパートナーは睡眠の質を向上してくれるということですが、逆を言えば、ストレスを感じるパートナーは睡眠の質を低下してしまうこともあり得ます。人間関係は幸福を決める要素としても重要なものなので、お互いを支え合える良いパートナーに出会えるといいですね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Perceived Partner Responsiveness Predicts Better Sleep Quality Through Lower Anxiety