ウォーミングアップすると筋トレの動作速度が向上するという実験
どんな運動でも競技の前や練習の前にはウォーミングアップを行うものでしょう。ウォーミングアップには体を温めてパフォーマンスを発揮できる状態を作ったり、怪我の防止の役割があるので、意外と重要なことでもあります。
そして他のスポーツと同じように、筋肉に大きな負荷をかける筋トレにおいてもウォーミングアップは大切なことです。ウォーミングアップ無しでいきなり筋肉に大きな負荷をかけてしまうと怪我の原因にもなってしまいますよね。
そこで本稿では、筋トレとウォーミングアップの関係について
- 筋トレのウォームアップで動作速度が向上するのか?
について調べてくれた研究を見ていきたいと思います。
筋トレのウォームアップ
ウォーミングアップにも色々種類があるのですが、筋トレにはストレッチのような伸ばす系のウォーミングアップは適さず、筋肉を動かすアクティブ系のウォーミングアップが有効だと言われています。
なぜストレッチ系のウォーミングアップがダメなのかというと、筋肉はゴムのように伸び縮みするもので、筋トレでは伸び縮みの反動も活用して筋力を発揮しています。しかし、ストレッチで筋肉を伸ばしきった状態にしてしまうと、筋肉の縮む力が弱くなってしまって、怪我にもつながりやすくなってしまうんですね。
そこでポルトガルの研究では、筋トレをやっている人なら普段よく行っている、低い重量で体を慣らすタイプのウォーミングアップの効果を検証しています。この研究では普段から筋トレ行っている34人の参加者を集めて、
- 最初にメインセットの40%の負荷で6回
- 次にメインセットの80%の負荷で6回
- その後に3セット(100%の負荷)のメインセットのトレーニング
という手順でウォーミングアップを取り入れています。実施した種目はベンチプレスとスクワットの2種目で、ウォーミングアップの有無でメインセットの動作速度がどう変わるのかが測定されています。
結果:ウォーミングアップで動作速度が速くなるのか?
早速実験の結果を見てみると、
- ウォーミングアップをすると、最初のメインセットの動作速度が向上していた
- 具体的にはメインセット中の最大動作速度と、最大速度に達するまでのスピードが向上していた
ということ。
ウォーミングアップは筋肉の神経系を高めてくれるようで、ウォーミングアップをすることで最初のセットから早い動作速度を発揮できるようになっています。ウォーミングアップで筋肉を温めておけば、メインセットのパフォーマンスを高められるということですね。
まとめ
本稿では「筋トレのウォーミングアップと動作速度」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 筋トレではストレッチ系のウォーミングアップはNGで、筋肉を動かすアクティブ系のウォーミングアップが良い
- 低い重量から筋肉を徐々に慣らしていくウォーミングアップで、メインセットの筋トレの動作速度が向上する
ということ。
ウォーミングアップは怪我の予防にとっても大切なことです。ベンチプレスやデッドリフトのように、動作が大きい種目や、高重量を扱う種目では、特に念入りにウォーミングアップをすると良いでしょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Specific warm-up enhances movement velocity during bench press and squat resistance training