赤身肉や加工肉はどれだけ死亡率を増加させてしまうのか?
お肉ばかり食べすぎると健康に良くないという話はよく聞きますよね。もちろんお肉の種類によって違いもあるのですが、中でも赤身肉や加工肉は健康に悪いお肉だと言われています。
赤身肉(レッドミート)とは豚肉や牛肉といった赤身のお肉のことで、がんのリスクが高まるなどの懸念が示唆されています。対して鶏肉は白い肉(ホワイトミート)に分類がされていて、こちらは赤身肉よりは安全なお肉だと言われています。また、加工肉はソーセージやハム、ベーコンといった加工がされているお肉のことで、こちらも健康リスクの高いお肉として知られています。
そこで本稿では、
- 赤身肉や加工肉を食べると、どれだけ死亡リスクが増加してしまうのか?
について分析してくれた研究を見ていきたいと思います。
赤身肉・加工肉と死亡率
スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究では、赤身肉と加工肉の摂取量と死亡率の関係について調べた研究9件を集めて、メタ分析で結果をまとめています。この研究では、次の3つの分類でお肉の健康リスクを分析しています。
- 加工していない赤身肉
- 加工肉
- トータルの赤身肉
これらの3つの分類のお肉を食べると、どれだけ死亡率が向上してしまうのかをまとめてくれたわけですね。
結果:
早速結果を見てみると、
- 加工していない赤身肉は死亡率を1.1倍に増加させた
- 加工肉は死亡率を1.23倍に増加させた
- トータルの赤身肉は死亡率を1.29倍に増加させた
ということ。
この中で唯一加工していない赤身肉は統計的に有意な差になっていないということで、赤身肉でも加工がされていなければ比較的に安全度は高そうです。一方で加工肉とトータルの赤身肉は健康のリスクが非常に高くなっていてます。
加工肉とトータルの赤身肉の摂取量が増えることでの死亡リスクの増加を示したのが下のグラフになっています。少しの摂取量でも死亡率はグッと高まってしまい、摂取量が増えるほど死亡リスクもどんどん高まってしまっていることが分かります。加工された赤身肉はできるだけ避けるのが良さそうですね。
ただし、栄養バランスなどを考えると、赤身肉を全く食べないというのも健康に悪いかもしれません。牛肉には鉄分が豊富などのメリットもありますしね。なので、魚や植物性のタンパク質、鶏肉等でもタンパク質を取りつつ、加工されていない赤身肉を節度を守って食べる感じが良いのではないでしょうか。
まとめ
本稿では「赤身肉と加工肉はどれだけ死亡リスクを高めてしまうのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 赤身肉でも加工されていないものであれば比較的安全である
- 加工された赤身肉は少量でも死亡リスクを高めてしまうので、できるだけ避けた方が良い
ということ。
お肉は調理の仕方によっても健康リスクが変わります。高温で調理するとAGEsが増えて、健康リスクが高まってしまうので、なるべく低温で焼くなどの調理面の工夫もすると良しです。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Red meat and processed meat consumption and all-cause mortality: a meta-analysis