クリエイティブなことをすると、毎日が充実して幸福感が高まるぞという研究
人生の中ではポジティブな感情の日もあれば、ネガティブな感情になってしまう日もあります。こうした感情の違いは、そのときの思考力も変えるもので、ポジティブな感情が高いときには、視野がよりオープンになってクリエイティブな考えが出来ることがわかっています。
このポジティブな感情がクリエイティビティを高める関係はこれまでの研究でもたくさん確かめられています。しかし、その逆も考えられて、クリエイティブなことをすることでポジティブな感情が高まるということもあり得て、そこら辺はまだあまり研究が進んでいなかったりします。
そこで本稿では、
- 毎日のクリエイティブな活動は、ポジティブ感情や人生の充実感を生み出してくれるのか?
について調べてくれたOtago大学の研究を見ていきましょう。
クリエイティブな活動と幸福感
Otago大学の研究では658人を対象に、13日間の毎日のクリエイティブな活動と、ポジティブ感情や幸福感を測定しています。
ここでいう幸福感とはFlourishing(繁栄)という心理学の指標を用いていて、これは
- 今日私は目的があって有意義な日を過ごした
- 今日私は興味のある活動に打ち込んだ
- 今日私の人間関係は、私の人生の支えとなり、人生のためになるものである
といったことを軸に測定しています。簡単に言えば毎日の活動や人間関係が充実しているかどうかを測定したわけですね。
そして、658人の日々のクリエイティビティと幸福感の変化の分析として、
- クリエイティブな活動が多いほど、ポジティブ感情や幸福感は向上するのか?
- 幸福感がクリエイティビティを向上しているのか?それともクリエイティブな活動が幸福感を向上しているのか?
といったことを調べています。
結果:クリエイティブな活動で幸福感は高まるのか?
分析の結果を見てみると、
- クリエイティブな活動の多いと、次の日の幸福感とポジティブ感情が高まっていた
- 幸福感やポジティブ感情が高くても、次の日のクリエイティブな活動は向上していなかった
ということ。
つまり、クリエイティブな活動をすると幸福感が向上する関係にあって、逆の関係ではないことが確認されています。
クリエイティブな活動による感情の変化をもう少し具体的に見てみると、
- クリエイティブな活動をした次の日には、エネルギッシュ・熱意・興奮といった活動的なポジティブ感情が高まっていた
- 逆にクリエイティな活動をした次の日には、冷静・満足・リラックスといった活動的でないポジティブ感情は低下していた
ということ。なので、毎日クリエイティブな活動を行うようにすれば、よりアクティブに自分の人生を過ごそうとするモチベーションになるわけです。こうしたモチベーションが幸福感を高めるのに役に立っているのでしょう。
まとめ
本稿では「クリエイティブな活動で幸福感が向上するのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- クリエイティブな活動をした次に日には、エネルギッシュ・熱意・興奮といったポジティブな感情が高まり、幸福感も向上する
ということ。
クリエイティブな活動と聞くと難しく思えますが、実は意外と小さなことでもよくて、
- 料理で新しいレシピを作ってみた
- 仕事で新しい工夫を一つしてみた
- 筋トレで新しいメニューを考えてみた
- 部屋のインテリアを少し変えてみた
- ファッションで新しい洋服の着こなしに挑戦したみた
など、日々の活動の中に新しい工夫を少し加えるだけでも実践できたりします。一日一善と同じように、1日に一つのクリエイティブを取り入れてみるのも良いのではないでしょうか。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]