【ダイエットの科学】BMIが30オーバーな人が痩せるには、どんな運動が最適なのか?
運動にも有酸素運動や筋トレ、あるいはその組み合わせなど、いくつかの種類があります。当然、どの種類の運動をするのかによって、当然運動で得られる効果も変わるものです。筋肉を増やしたければ筋トレをするべきですし、脂肪を燃やしたければジョギングなどの有酸素運動をするべきですよね。
そこで本稿では
- BMIが30以上の太っている人が運動をするなら、どれが種類の運動が一番効果的なのか?
について調べてくれた研究を見てみましょう。
太っている人がやるべき運動とは?
この研究では、45件の研究成果をネットワークメタ分析でまとめて、BMIが30以上の人を対象に、次の7つの運動グループで効果がどのように違うのかを分析しています。
- 強い有酸素運動グループ
最大心拍数の65%を超えるような、そこそこきつく感じるくらいの有酸素運動 - 弱い有酸素運動グループ
最大心拍数で50%〜65%程度の、気持ちいジョギング程度の有酸素運動 - 強い筋トレグループ
持ち上げられる最大重量の75%以上で行う高強度の筋トレ - 弱い筋トレグループ
持ち上げられる最大重量の50%〜75%で行う中程度の強度の筋トレ - 強い組み合わせグループ
強い有酸素運動と強い筋トレを両方行う - 弱い組み合わせグループ
弱い有酸素運動と弱い筋トレを両方行う - 運動しないグループ
運動効果の比較基準となる何も運動しないグループ
そして、運動の効果として測定がされたのは、
- 体重の変化
- BMIの変化
- ウエストの変化
- 体脂肪率の変化
となっています。
結果1:体重の変化
早速、体重の変化の結果から見てみると、特に体重が大きく減少したグループとしては、
- 強い組み合わせグループ(−1.01)
- 弱い組み合わせグループ(−0.83)
- 弱い有酸素運動グループ(−0.75)
- 強い有酸素運動グループ(−0.65)
となっています。
筋トレグループでも体重の減少は確認されているのですが、統計的に有意な差までにはなっていないということ。やはり体重を減らすのには筋トレよりも有酸素運動の方が効果が高いみたいですね。しかし、筋トレは不要なわけではなく、筋トレと有酸素運動を組み合わせれば効果も大きくなるということです。
結果2:BMIの変化
次にBMIの変化の結果を見てみると、
- 強い組み合わせグループ(−2.79)
- 弱い有酸素運動グループ(−1.76)
- 弱い組み合わせグループ(−1.56)
- 強い有酸素運動グループ(−0.94)
となっています。
体重が減ることでBMIも減るものなので、基本的には体重の変化と同じような結果となっています。
結果3:ウエストの変化
次にウエストの変化の結果としては、
- 弱い組み合わせグループ(−2.76)
- 弱い有酸素運動グループ(−2.31)
- 強い有酸素運動グループ(−2.03)
- 強い筋トレグループ(−1.62)
- 弱い筋トレグループ(−1.43)
となっています。
ウエストの変化については強い組み合わせグループを調べて研究結果がなかったので、強い組み合わせは対象外となっています。
結果4:体脂肪率の変化
最後に体脂肪の変化の結果を見てみると、
- 強い組み合わせグループ(−2.82)
- 弱い組み合わせグループ(−2.12)
- 弱い有酸素運動グループ(−1.70)
となっています。
どの結果を見ても、組み合わせ>有酸素運動>筋トレという傾向があるようですね。なので、太っていて体重を減らすことが第一の目的の人は、腕立てや腹筋といった筋トレをやるだけではあまり効果は期待できないでしょう。痩せるためには有酸素運動を必須で取り入れて、余力があれば筋トレを組み合わせるというのがベストでしょう。
まとめ
本稿では「太っている人が痩せるためのベストな運動とは何か?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 太っている人が痩せるには、有酸素運動と筋トレを組み合わせて行うことが一番効果が高い
- 有酸素運動はそれだけでも痩せる効果は十分あるが、筋トレだけでは痩せる効果はあまり期待できない
ということ。
データのなかったウエストの変化を除いて、どのグループでも強い有酸素運動+強い筋トレが1位になっているのが面白いですね。なので、高重量を扱えるベンチプレスやスクワットなどの筋トレと、HIITのような高強度の有酸素運動の組み合わせができれば、運動効果としては最強でしょう。ただし、ハードな運動ほど続けるメンタルが保ちにくいので、運動が苦手な人は続けやすいことを優先する方が良いでしょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]