自然をよく感じている人ほど、レジリエンスが高いという研究
レジリエンスとは「心の回復力」を表す心理学の言葉です。レジリエンスの高い人は、落ち込んでしまったときや、トラウマとなるような強いストレスを感じたときに、そうした逆境から早く立ち直ることができます。
世の中には破産のような大きな失敗から立ち上がって成功した人や、世界中の人から注目されるプレッシャーの中で良いプレーをするスポーツ選手の話を聞くと、レジリエンスの高さには憧れを感じますよね。
そこで本稿では、レジリエンスを高めるための一つのヒントとして、
- 自然とのつながりを強く感じている人ほど、レジリエンスも高いのでは?
をいうことを調べてくれた研究を見てみましょう。
自然とのつながりとレジリエンス
ポーランドの研究では、150人を対象に
- 自然とのつながりの強さ
- レジリエンスの強さ
の2点を測定しています。
自然とのつながりの強さとは、自分自身で自然とのつながりをどれだけ強く感じているかの主観的な感覚で
- 自然との一体感を感じることがある
- 動物や植物に親近感を感じる
- 私の行動が自然環境に与える影響について深く理解している
- 私自身も自然環境のライフサイクルの一部だと感じる
といったことに強く賛成できるかどうかになります。
結果:自然とのつながりはレジリエンスと関係するのか?
早速研究の結果を見てみると、
- 自然とのつながりを強く感じる人ほど、レジリエンスは高い傾向があった(r=.38)
ということ。
自然とのつながりはレジリエンスの高さとつながっていて、相関でr=.38とそこそこの強さの関係性が確認されています。それではなぜ自然がレジリエンスを高めてくれるのかを考えてみると、
- 自然とのつながりを強く感じる人は、自然と触れる機会が多い傾向がある
- 自然との触れ合いは、リラックス効果があり、ストレスを大きく低減してくれることが分かっている
ということが主な要因として考えられます。
自然のストレス低減効果は結構強くて、自然の中をウォーキングするとか、ガーデニング趣味にするとかのガッツリとして自然はもちろん大きな効果があります。しかも、それだけでなく、部屋の中に観葉植物を飾るとか、大自然のポスターを見るとかのちょっとした自然でも、ちゃんと効果があることも分かっているんですね。
まとめ
本稿では「自然とのつながりを強く感じる人ほどレジリエンスが高いのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 自然とのつながりを強く感じる人ほど、レジリエンスが強い傾向がある
- その原因としては自然のストレス低減効果が役立っていると考えられる
ということ。
人生の逆境でどん底に落ちてしまった時には、自然と触れ合うのも効果がありそうですね。田舎のようなまったりとした自然で過ごすのもリラックスするのに最適です。富士山の頂上から見る景色のような壮大な自然を感じることも、自分がちっぽけに感じられて、視野を広げるのに良いかもしれませんね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : THE CONNECTEDNESS TO NATURE SCALE AND ITS RELATIONSHIP WITH ENVIRONMENTAL BELIEFS AND IDENTITY