スタンディングデスクで仕事の効率が上がるのか?の実験
パソコン作業などデスクワークが中心の人にとって、座りっぱなしは健康の大敵です。
座りっている時間が長い人ほど、肥満になりやすい、心血管疾病になりやすい、癌になりやすく、死亡リスクが高まってしまうことが分かっています。仕事の8時間を座って過ごすと、1日の大半の時間をじっと動かないで過ごしてしまうことになります。それじゃあ仕事帰りに運動すればいいじゃないかと思うかもしれませんが、座りっぱなしの時間が長いと、推奨の運動量を満たす人でも、健康に悪い効果があるかもしれないとも言われているんですね。
そこで仕事の座りっぱなしを防ぐアイテムがスタンディング・デスク。文字通り、立って使う机のことですね。
本稿では、このスタンディングデスクについて、
- スタンディングデスクを使うと、仕事の生産性が向上するのか?
と、健康面だけでなく仕事の効率面にも効果があるのかを調べてくれた研究を見てみましょう。
実験:コースセンターとスタンディングデスク
テキサスA&M大学の研究では、コールセンターで働く従業員167名を対象にして
- 半分の人は従来のデスクで座って仕事
- もう半分の人はスタンディングデスクを導入して立って仕事
のグループ分けで、スタンディングデスクの効果を実験しています。
実験の期間は6ヶ月となっていて、そこそこ長期的な効果が検証されています。スタンディングデスクに慣れるまでに時間もかかりそうなので、これくらいの期間があるとデータの信頼度も上がりますね。
そしてコールセンターでの実験なので、仕事の生産性としては
- 1時間あたりで電話対応に成功した件数
がシステムを通じて記録されています。
結果:スタンディングデスクで生産性が上がるのか?
早速、実験の結果を見てみると、
- スタンディングデスクで仕事のした人の75%は体の不調が軽減していた
- スタンディングデスクで仕事をした人は、電話の成功件数が46%向上していた
ということ。
なんとスタンディングデスクが体の健康に良い効果があることはもちろん、仕事の生産性までも大きく向上しています。
しかし、この研究では一つ注意点もわかっていて
- スタンディングデスクは初めの1ヶ月間は効果がなく、2ヶ月目以降から効果が出始めた
ということ。
最初の1ヶ月は立って仕事をするのに慣れていないせいか、生産性は座った時と同じままだったようです。なので、スタンディングデスクを導入するときは、すぐに効果が出ることは期待せず、2ヶ月継続することを心がけましょう。
まとめ
本稿では「スタンディングデスクで仕事の生産性が上がるのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- スタンディングデスクでコールセンターの仕事の生産性が46%向上した
- この効果はスタンディングデスクを導入して2ヶ月目から出始めた
ということ。
私も仕事中や勉強するときはもっぱらスタンディングデスクです。最初のうちは足の疲れを感じることもありましたが、今では立つ方がずっと楽に感じます。座りっぱなしだと腰や肩が硬くなって、逆に疲れを感じるんですよね。
おそらく長時間の座りっぱなしが悪いので、1時間のうち10分は立つとかでもそれなりの効果は得られると思います。高さを自由に変えられて、立ちと座り切り替えられるタイプのスタンディングデスクもあるので、それがオススメです。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Call Center Productivity Over 6 Months Following a Standing Desk Intervention