座りっぱなしだとメンタルはどれだけ悪化するのか?
座りっぱなしは健康にとって非常に悪いもの。
パソコン作業で一日中座っていたり、家に帰ってもソファーに座ってテレビを見ていたり、生活の中心が座り姿勢である人も多いでしょう。
それで、座りっぱなしは運動の逆で、”体を動かさないこと”なので、当然ですが体の健康が損なわれてしまいます。しかし、本稿で注目するのは、座りっぱなしがメンタル面の健康に与える影響について。座りっぱなしの生活はネガティブな感情を増やしたり、うつのリスクを高めてしまう可能性も考えられるんですね。
そこで本稿は、この問題について
- 座りっぱなしの人は、うつのリスクがどれだけ高まってしまうのか?
についてまとめてくれた研究を見てみましょう。
座りっぱなしとうつのリスク
この研究では、座りっぱなしの生活とうつの関係について調べた12件の研究結果をメタ分析でまとめています。これらの研究を合わせると、データの規模としては129,553人にもなるということ。
それでこの研究では、座りの種類についても考慮していて
- 消極的な座り
テレビをみたり、音楽を聴いたり、話したりと、基本的には受け身な活動を行う座り - 積極的な座り
パソコンで作業をしたり、本を読んだり、車の運転をしたりと、頭を使って自分からアクションを起こす必要がある座り
の2種類の違いも分析しています。
結果:座りっぱなしとうつのリスク
早速結果を見てみると、まず座りの種類を考慮しない全体平均としては
- 座りっぱなしの人はうつのリスクが10%高まっていた
ということ。
確かに座りっぱなしは体の健康だけでなく、心の健康も悪化させてしまうことがわかっています。
結果2:座りの種類の違い
続いて座りの種類の違いを見てみると、
- 消極的な座りはうつのリスクを17%高めていた
- 積極的な座りはうつのリスクを高めなかった
(うつのリスクが−2%で有意差ではなかった)
ということ。
座りっぱなしでも、受け身になるのではなく、積極的に参加する活動を行っていればメンタル面の悪影響は防げるということ。ちなみにパソコン作業も積極的な座りの分類で、うつのリスクが向上していないので、その点は安心できます。
ちなみに一番メンタルに悪い座りも分かっていて
- 座りっぱなしでテレビを見ることはうつのリスクを18%向上していた
ということ。長時間テレビや動画などを見続けてしまう人は特に注意をしましょう。
まとめ
本稿では「座りっぱなしでメンタルをどれだけ悪化するのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- テレビを見るなどの受け身な座りは、うつのリスクを17%向上してしまう
- 座りっぱなしでも、読書やPC仕事などの積極的な活動をしていればうつのリスクは向上しない
ということ。
積極的な座りであればメンタル面への悪影響は防げるということ。しかし、防げるのはメンタルの悪影響だけで、体の健康面には悪い影響がある可能性が高いです。なので基本的には1時間に1回は少し立ち上がって体を動かすなどの対策をした方が良いでしょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Sedentary behaviors and risk of depression: a meta-analysis of prospective studies