ベンチプレスもやっぱりフルレンジの方が効果が高いのか?
筋トレをしていると動作のレンジの話になることがあります。
動作のレンジとは筋トレの動きを広く大きくとるか、それとも狭く小さくとるかの、動きの幅のこと。
筋トレ初心者によく見られますが、重い重量を扱いすぎて動作がちょこっとしか動いていない人っていますよね。
本稿ではこの点について
- ベンチプレスってフルレンジで行った方がやっぱり効果は高いのか?
について調べてくれた研究を見てみましょう。
動きのレンジと筋トレ効果
動きのレンジでこれまでによく調べられている種目としてスクワットがあります。
スクワットはしゃがみ込む深さによって
- フルスクワット:限界まで深くしゃがみ込むスクワット
- パラレルスクワット:太ももがほぼ水平になる程度までしゃがみ込むスクワット
- ハーフスクワット:膝の角度が90度になる程度までしゃがむスクワット
と呼び方も様々なんですね。
そして、スクワットを調べた研究では
- スクワットは深くしゃがむほど筋トレの効果も高くなる
ということが分かっているんですね。
ベンチプレスと動作のレンジ
それでは上半身のベンチプレスでも同じようにレンジが大きくなるほど効果が高くなるのか?
これを調べてくれたのがスペインのムルシア大学らの研究(*1)です。
この研究では
- フルレンジベンチプレス
バーが胸につくまで下げるベンチプレス - 2/3ベンチプレス
フルレンジの2/3まで下げるベンチプレス - 1/3ベンチプレス
フルレンジの1/3までしか下げない浅いベンチプレス
の3種類のベンチプレスを合計で50名を対象に実験しています。
10週間(合計20回のトレーニング)の実験期間の後で、筋トレの効果としては
- ベンチプレスの最大重量の伸び
- ベンチプレスの動作速度の伸び
が測定されています。
結果:ベンチプレスのレンジの影響とは?
早速結果を見てみると、
- 最大重量の伸びも動作速度の伸びも、フルレンジのベンチプレスが一番効果が高かった
ということ。
逆に一番効果が低かったのが1/3ベンチプレスで、動きのレンジが狭くなるほどベンチプレスの効果は下がり、レンジが広くなるほど効果も上がることが確認されています。
ベンチプレスのアドバイスとして、バーが胸に当たるまで下げろとよく言われますが、これが本当であることがデータによって指示されたわけですね。
まとめ
本稿では「ベンチプレスもフルレンジの方が効果が高いのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- ベンチプレスもバーが胸につくまで下げるフルレンジの方が効果が高い
- レンジが浅くなるほどベンチプレスの効果は落ちてしまう
ということ。
動作を小さくすればそれだけ高重量を扱えますが、筋トレの効果としてはイマイチになってしまうみたいですね。スクワットについても同じ現象が確認されていて、それは「スクワットの4種類のしゃがむ深さと、どれが一番筋力が伸びるのか問題」の記事でまとめていますので、よければご確認ください。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]