幸せになるにはポジティブな感情の頻度を増やすことが大切という話
本稿では「幸せになるにはポジティブの頻度を増やすことが大切」というお話をしたいと思います。
目次
- 幸せとはポジティブな感情の比率
- なぜポジティブな感情の頻度が重要なのか?
- まとめ
幸せとはポジティブな感情の比率
人生の中で嬉しかったり楽しかったりというポジティブな感情を抱くこともあれば、不安だったり怒りといったネガティブな感情を抱くこともありますよね。
この視点から考えると、幸せになるというのは、ポジティブな感情を増やして、ネガティブな感情は減らすということです。つまり、人生の中でポジティブな感情が占める割合が高いということが幸せということですね。
ここで、もう少し深掘りすると、ポジティブな感情を増やすのには次の二通りが考えられます。
- ポジティブな感情の強さを大きくする
1回の経験から感じるポジティブな感情を大きくしようとすることですね。例えば、外食が好きなら毎週末は少し値段の張るいいお店に行ってみるとかですね。 - ポジティブな感情の頻度を増やす
ポジティブな感情を感じる機会をできるだけ増やすということですね。同じように外食で例えるなら、外食の機会を週3回に増やすとかですね。
そしてここで面白いのが、心理学の研究によると、より幸せにしてくれるのは実は「ポジティブな感情の頻度を増やすこと」だとわかっているんですね。
研究の結果からわかったのは
- ポジティブな感情の頻度が高い人は、感情が弱くても幸福度が高い
- ポジティブな感情の頻度が低い人は、感情が強かったとしても幸福度が低い
ということで、なんとポジティブな感情の強さは、あまり幸福度に関係がないとのことなんですね。
なぜポジティブな感情の頻度が重要なのか?
ポジティブな感情の強さよりも頻度の方が大切なのにはいくつかの理由があります。
①人は過去を振り返るときに頻度で思い出すから
人は「今どれくらい幸せですか?」と聞かれた時に、心の中では最近あったポジティブなことやネガティブなことを思いして対比すると思います。
このポジティブとネガティブの感情のバランスを心の中で決めるのに、感情の頻度の方が大きく作用することがわかっていて
- ポジティブな感情の頻度は、感情のバランスに強く相関する(0.86)
- ポジティブな感情の強さは、感情のバランスに少しだけ相関する(0.28)
と頻度の方がポジティブとネガティブのバランスを決めるのに、ずっと強い影響を与えているのですね。つまり、人は幸せかどうかを考えるときに、ポジティブな感情の頻度を思い出して決めているですね。
②ポジティブな感情を意図的に強くするのは難しい
まず人は感情の強さを正確に記憶ができないという研究結果があります。つまり、ポジティブな感情を感じている最中に聞いた感情の強さと、後から思い出してもらったときの感情の強さが一致しないことが多いんですね。
そうすると、自分が何でポジティブな感情を感じられるのかは意外と自分でもわかっていないことも多いんですね。楽しそうだと思ってやってみたらそこまででもなかったとかはよくありますよね。そもそも予定していなかったハプニング的なことでポジティブな感情を感じるということの方が多いのではないでしょうか。なので、ポジティブな感情を意図的に強くするというのは意外と困難ということです。
ちなみに、ポジティブな感情の頻度が多い人は、感情の強さの方も高いという傾向があるようなので、ポジティブな機会を増やしていけば、強いポジティブな経験も増えるということなのかもしれませんね。
③強さは相対的に感じる面もあるから
悲しいことに人はポジティブな感情にも慣れてしまうみたいです。例えば、年収が上がって500万になってもいずれはそれに慣れてしまって、600万円が欲しくなってしまいます。このように感情の強さを強くしていこうとすると、どんどんと難しくなっていってしまうことがあります。
なので、感情の強さを高めることは一時的には効果があっても、長期的に考えると逆に少しのことではポジティブな感情に感じづらくなってしまうという欠点もあるんですね。
まとめ
以上、本稿では幸せになるにはポジティブな感情の頻度が大切というお話をしました。
ポイントをまとめると
- 幸せになるには、ポジティブな感情の頻度を増やすことが大切で、感情の強さは関係がない
そして、なぜ頻度が大切なのかというと
- 人はポジティブの頻度で幸福を考えるから
- ポジティブな感情の強さを意図的に高めるのは困難だし、頻度を高めていけば強い感情の機会も増えるから
- 強さを高めると逆に少しのことでポジティブな感情を感じにくくなってしまうことがあるから
ということです。
以上、本稿はここまで!
[参考文献]
*1: Effectiveness of Slump Stretching on Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-analysis