【ジョブクラフティング】働きがいを上げる、つまらない仕事のアレンジ方法
働きがいを高めるのにジョブクラフティングという効果的な方法があります。本稿ではジョブクラフティングとは何か、そしてジョブクラフティングの実践方法を紹介します。 参考文献は心理学の論文(1,2,3)です。
ジョブクラフティングとは
会社から要求される仕事と自分がやりたい仕事が食い違っていると、働きがいを感じることができませんよね。しかし仕事はトップダウンで指示がされるもので、この食い違いを抱えながらも仕方なく働いている人が多いのが現実でしょう。ジョブクラフティングは仕事を自分なりにアレンジすることで、仕事のミスマッチをできるだけ解消しようという方法です。
ジョブクラフティングの効果
まずジョブクラフティングの実践方法の前に、その効果を確認してみましょう。ジョブクラフティングには次のような効果が確認されています。
- 仕事のパフォーマンスが上がる
- 仕事満足度が上がる
- 仕事に意義を感じるようになる
- 自信がついて逆境に強くなる
- 仕事のストレスが減る
ジョブクラフティングを行うと、自分に合った形で仕事を進められるので、パフォーマンスが上がったりストレスが減ったりという効果がありますね。さらに、ただ上司の指示通りに仕事をするのでなくて、自分で主体的に仕事を進めることが多くなりますので、仕事の満足度や意義といった働きがいの向上効果もあります。
ジョブクラフティングの実践方法
それではジョブクラフティングでどのように仕事をアレンジをすればいいのかを 具体的に見ていきましょう。全てを実施しようとすると大変なので、自分に使えそうなものを次の中からいくつか選んでみるとよいと思います。
①仕事の内容をクラフトする
自分の強みや情熱を感じることを仕事にプラスする
仕事に自分の強みを活かすとしたら何ができるのかを考えたり、自分が情熱を感じることを仕事に取り入れるとしたら何ができるのかを考えて、それを今の仕事にプラスすると良いです。例えば、自分が料理人だとして、芸術に情熱を感じているとしたら、料理の盛り付けをもっと美しくするような工夫をプラスできるでしょう。
仕事のレベルを上げる
今の仕事を十分にこなせるようなら、1段上のレベルの仕事に挑戦してみましょう。簡単すぎるよりも適度に難しい仕事の方がやりがいがありますし、終えたときの達成感も大きいです。
仕事のやり方を工夫する
自分なりに工夫するということはとても大切なことだと思います。例えば、仕事のムダを探して効率化をしたり、マニュアル通りに接客するのでなくてその顧客に合った接客を心掛けたりといったことができます。これらの工夫が、成果の改善につながったり、お客様の笑顔につながったりすると嬉しいですよね。
目標を自分で決める
目標は上司に決められるよりも、自分自身で決めた方がやりがいのある目標にできます。そして達成しようという気持ちもずっと強くなります。その目標をどう達成するのかを考えて工夫していくこと自体も仕事の楽しみになりますね。
②人間関係をクラフトする
サポートし、励まし合える関係を築く
サポートし合える人間関係という安心があると、失敗の不安が軽減されて、もっと挑戦しようと思えます。自分一人で悩むのではなく、困ったときはこの人に相談しようという相手を事前に作っておくとよいでしょう。
他の人への親切や仕事の手伝いを追加してみる
親切は良好な人間関係を促進し、幸福度を上げてくれます。自分の仕事をちょっと工夫することで次の人が楽にならないか?忙しそうな同僚を手伝ってあげられないか?などを考えてみるとよいかもしれません。
この人のようになりたい!という先輩を見つける
目標となる先輩はモチベーションを上げてくれますよね。人は自分の周りにいる人の影響を大きく受けます。仕事の速い人が周りにいると、自分の仕事も速くなるという研究結果もあります。この仕事には目標とする人がいないか、またこの仕事を通じて目標となる人との人間関係を深められないか考えてみましょう。
マイナスの人間関係は距離を置く
顧客であっても同僚であっても、自分にとって心理的に負担になる人間関係はできる範囲で距離を置けないか考えてみましょう。
③仕事の見方をクラフトする
仕事の見方の範囲を広げる
同じ美容師という仕事でも、髪を切るのが仕事と捉えることも、お客様の美しさを引き出すのが仕事と捉えることもできます。同じ仕事をするにしても後者の方が仕事の意義や働きがいをずっと高く感じますよね。自分の仕事を狭い視野で見るのでなく、もっと広い視野で見たときにどんな意義があるのかを考えてみて下さい。それだけでも、仕事の見え方が変わって、働きがいが生まれたりすることがあるようです。
自分の仕事が誰のために役に立っているのかを考える
自分の仕事が他の人の役に立っているというのは単純に嬉しいですよね。顧客にどのような喜びを与えているのか?一緒に働くチームメンバーの仕事をどれだけ助けられているのか?これらを考えると自分の役割の大切さを感じられるでしょう。
自分の興味を関連付ける
例えばプレゼンに興味があるなら、つまらない会議でも他の人のプレゼンの良い所を探そうという態度で参加すれば、普通に聞いているよりもずっと面白く感じられますよね。このように、つまらない仕事でも自分の興味を関連付けられないかを考えてみると仕事を楽しめます。
まとめ
以上、ジョブクラフティングの効果と実践方法について説明しました。
ジョブクラフティングは個人で行うこともできますが、上司や周りの人がこれをサポートすることも大切です。仕事にやりがいを感じられないという人は、ジョブクラフティグをして仕事の意義を再発見してみてはいかかでしょうか?