ポジティブ感情を増やすには、どれだけ運動すれば良いのか?

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運動は体の健康に良いだけでなく、心の健康にも良いもので、

  • ストレスの低減
  • 不安やうつの軽減
  • 自尊心の向上
  • 幸福感の向上

など、運動が心をポジティブにしてくれることが分かっています。

そこで本稿では、運動のポジティブ効果について、

  • 運動でポジティブ感情を増やすには、どれだけの強度や頻度、運動量が必要なのか?

を調べてくてた研究を見ていきたいと思います。

運動の量とポジティブ感情

シカゴ州立大学の研究では、運動とポジティブ感情の増加の関係を調べた研究105件を集めて、

  • 運動の強度の違い(軽い運動かキツい運動か)
  • 運動の頻度の違い
  • 1回あたりの運動時間の違い
  • 運動を継続した期間の違い

によって、ポジティブ感情の増加量がどのように変化するのかを分析しています。

ちなみにこの研究ではもう一つのポイントとして、

  • 運動を開始する前のベースのポジティブ感情の強さ

も分析の対象としていて、運動のポジティブ効果がどういった人に効果が高いのかも分析しています。

結果:運動の量とポジティブ感情

まず最初に全体の平均の結果として

  • 運動を行った後では、運動を開始する前よりもポジティブ感情が増加していた(効果量d=0.57)

ということで、確かに運動によりポジティブ感情の増加が確認されています。

次に運動の強度や頻度の影響の分析結果を見てみると、

  • 運動の強度は低い方が効果が大きかった(効果量d=0.72)
  • 運動の時間は30分〜35分が最も効果が大きかった(効果量d=0.68)
  • 運動の頻度は週4以上だと効果が大きかった(効果量d=0.79)
  • 運動の期間は10〜12週間が効果が大きかった(効果量d=0.63)

ということ。

もちろんキツイ運動でも効果はありますし、週3回以下でもちゃんと効果は確認されていますが、ポジティブ感情を最も増やしたいなら、上記の運動量が最適という結果になっています。運動の強度が低くても良いというのはありがたい点で、続けやすいように自分が気持ちよく思える範囲の運動を行うのが良いでしょう。

結果2:ベースのポジティブ感情の影響

続いて、運動を開始する前のベースのポジティブ感情を上位・中位・下位で3等分した結果を見てみると

  • 元々ポジティブ感情が低い下位のグループほど、運動によるポジティブ感情の増加が大きかった
  • 下位のグループは中位のグループと比べて約2倍、上位のグループと比べて約3倍の効果量が得られていた

ということ。

すでにポジティブ感情が多い人は、運動を行っても追加で得られるポジティブ感情は少なくなってしまうようです。気分が落ち込んでいるときとか、仕事のストレスが溜まっているときとか、ポジティブ感情が低下しているときに運動を取り入れると、効果的にポジティブ感情を高められるかもしれませんね。

まとめ

本稿では「ポジティブ感情を増やすにはどれだけ運動すれば良いのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • ポジティブ感情を増やす最適な運動量は、強度の弱い運動を1回30分で週に4回以上行うこと
  • 運動によるポジティブ感情の増加は、特に現状のポジティブ感情が低い人に大きな効果がある

ということ。

ちなみに今回の研究は有酸素運動を対象にしています。テレビ見ながら30分間エアロバイクでも今回の運動量は達成できるので、できるだけ自分が楽に続けられる運動方法を探してみると良いのではないでしょうか。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : The effect of regular aerobic exercise on positive-activated affect: A meta-analysis

Naoto

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