【習慣化のテクニック】運動を習慣にするために本当に効果があるテクニックは何か?の研究
健康のためやダイエットのために運動を習慣にしたいと思っている人は多いと思います。しかし、運動を始めたとしても、モチベーションが続かずに、すぐに辞めてしまう人が大半です。
そこで本稿では、
- 運動を継続するためのテクニックで本当に効果があるのはどれか?
を調べてくれた研究を見てみましょう。
運動習慣化のテクニック
この研究では運動の習慣化テクニックについて調べた63件の先行研究をメタ分析でまとめています。これらの研究を合算するとデータ数は12,584人と言うことで、データの規模的にも信頼度が高めになっています。
そして、これらの研究ではそれぞれ習慣化のために使っているテクニックが違っていて、どのテクニックが一番効果が高いのかを調べてくれたわけですね。
ちなみに、テクニックとしては次のようなものが挙げられています。
- 行動の目標を決める
- 成果の目標を決める
- 行動をセルフモニタリングする
- 成果をモニタリングする
- 行動に関するフィードバックを得る
- 成果に関するフィードバックを得る
- 問題解決をする
- 友達や家族サポートを得る
- 具体的な行動の指示を得る
- 行動のきっかけを作る
- 徐々にタスクのレベルを上げる
- 健康効果の知識を得る
- 行動を練習したりリハーサルする
- インセンティブを与える
- 報酬をつける
- 行動をデモンストレーションしてもらう
- 行動の計画を立てる
- 信頼できる情報を得る
- 現状と目標のギャップを知る
- 目標をレビューする
- 過去の成功体験に注目する
- ネガティブな気持ちを和らげる
結果1:テクニックの指導方法の問題
どの運動の習慣化テクニックでも、
- 直接会って指導をする方法
- 直接会わずにデジタルな指導をする方法(メールやSNSなど)
の2種類の指導方法があります。
全てのテクニックを総合して、この2種類で効果に差が出るのかを調べた結果を見てみると、
- 直接会う指導方法では、効果量が0.88と大きな効果が得られていた
- デジタルな指導方法では、効果量が0.55で中程度の効果だった
と言うこと。なんとなく想像はできましたが、直接会って指導を受ける方が効果は高いみたいですね。
それでは具体的にどのテクニックが効果が高かったのかを、直接指導とデジタル指導別に見ていきましょう。
結果2:直接指導で効果が高いテクニック
まず最初に直接指導の結果から見てみると、統計的に有意に効果がでたテクニックは
- ゴールと目標のギャップを知る(β=0.48)
- 運動したときのメリットと運動しなかったときのデメリットを比較する(β=0.44)
- 行動の練習やリハーサルをする(β=0.30)
ということ。
ちなみに行動の変化を客観的に測定した実験だけに絞ると
- 行動の練習やリハーサルをする(β=0.47)
- 行動の具体的計画(いつ・どこでなど)を立てる(β=0.49)
- 他人のサポートを得る(β=0.62)
- 社会交流的な報酬をつける(β=0.62)
の4つも効果がでています。
結果3:デジタル指導で効果が高いテクニック
続いて、デジタルの指導で効果が高かったテクニックを見てみると、
- 行動に関する目標を立てる(β=0.89)
- 成果の関する目標を立てる(β=0.76)
- 徐々にタスクのレベルを上げる(β=0.87)
- 社会交流的な報酬をつける(β=2.37)
となっています。
ちなみに、運動の習慣化にマイナスになってしまったテクニックとして
- 行動をセルフモニタリングする(β=−1.04)
となっています。
まとめ
本稿では「運動の習慣化のテクニック」についてお話ししました。
テクニックにも様々な種類があるので、自分で取り入れられそうなものをいくつかピックアップして実践して見ると良いのではないでしょうか。
以上、本稿はここまで。