ストレスが溜まったときはアートをしようという研究
仕事や人間関係でストレスを感じたときには、ストレスを発散させてあげることが大切です。それではストレスを減らすのに何をすればいいのか?というと、その方法はたくさんあります。例えば、
- 運動して汗を流す
- 自然の中でリラックスする
- 瞑想する
- 自分の感情を書き出す
などは研究でも効果が認められたストレスの低減方法になります。
本稿ではこうしたストレス低減法の一つとして
- アート制作でストレスは低減されるのか?
を調べてくれた研究を見てみましょう。
アートとストレス
ドレクセル大学の研究では39人を対象に、アート制作活動をするとストレスが低減されるのかを実験しています。この実験で、参加者は45分間のアート制作活動を行っています。芸術(アート)と聞いても普段経験のない人も多いかもしれません。そこでこの研究では
- 雑誌などの写真の切り抜きを貼り合わせるコラージュ制作
- マーカーを使ったイラスト制作
- 粘土を使った造形
などいくつかの種類のアート制作の中から好きなものを選んだり、あるいは複数を組み合わせたりできるようになっています。
それでアート制作の前後では、唾液の中のコルチゾール(ストレスホルモン)のレベルが測定されて、ストレスがどれだけ低減するのかが分析されています。
結果:アート制作でストレスは低減するのか?
早速結果を見てみると、
- アート制作の後でコルチゾールのレベルは低減していた(平均で17.85⇨14.77へ低減)
- 人によって効果にばらつきはあるが、75%の人はアート制作がストレス低減に効いていた
ということ。確かにアート制作はストレスの低減に効いています。
そして、選んだアート制作の種類や人による効果の違いを分析した結果を見てみると、
- 選んだアート制作の種類に関係なく、どれでもストレスは低減していた
- 人種や性別も関係がなく、ストレス低減効果が得られていた
- これまでのアートの経験も関係がなく、初心者でもストレスは低減していた
- 年齢は少しだけ影響していて、若い人ほどストレスの低減が大きかった
となっています。
アートの経験がない初心者でもストレスの低減効果がきちんと得られるのは嬉しいですね。アートが好きな人は寿命が長いなんて研究結果もあるので、ストレスが溜まっている時なんかはアート制作に没頭してみるものいいでしょう。
まとめ
本稿では「アート制作とストレスの低減」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- アート制作活動はストレスを低減してくれる
- この効果はアートの種類は関係なく、アートの初心者でもちゃんと得られる
ということ。
私も初心者ながら水彩画を描くことがありますが、集中してクリエイティブに頭を働かせるのは、運動などとはまた違った気持ちよさがあると思います。絵画やデッサン、コラージュ、イラスト、粘土、木彫などアートにも色々種類があるので、自分に合うものを探してみると良いでしょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Reduction of Cortisol Levels and Participants’ Responses Following Art Making