【良書要約】「幸せをお金で買う5つの授業」
幸せを考えるときにお金の問題はどうしても頭から離れないだろう。
お金がもっとあれば幸せになれる!はたくさんの人が抱く願望だ。
しかし、収入は生活に必要なラインを超えたあたりからほとんど幸福感を上げてはくれないという現実が研究により分かっている。むしろ、もっと大きな家が欲しい、もっと高級な車に乗りたいという欲望は逆に不幸の始まりにもなりうる。
それでは幸せになるにはどのようにお金を使えばいいのか?
この問題を心理学の研究をベースに5つのポイントで解説してくれた本が「幸せをお金で買う5つの授業」だ。
- 経験を買う
- ご褒美にする
- 時間を買う
- 先に支払って後でもらう
- 他人に投資する
心理学の研究が解き明かすこれらの5つのお金の使い方は、なぜ幸福もたらしてくれるのか?
それでは一緒見ていこう!
①経験を買う
ものを買うか、経験を買うか。
より幸福になれるのは経験を買う人だという。
ものを買う人は大きな家を欲しがる。それでは大きな家を買った人がどうなるのか?研究によるとまず大きな家を買った人は自分の家への満足感が高まる。しかし、驚くことに家の中の生活に対する満足度は依然とは変わらないという。つまり、ものを買っても満たされるのは物質的な満足感だけで人生の満足度は上がりにくい。所持しているブランド物で自分はすごいと勘違いしているようにものすごく表面的な満足感なわけだ。
一方で経験を買うことは良い思い出になる。
そのため思い出の満足感は物質的な満足感よりもずっと人を幸せにしてくれる。
なぜ思い出は幸福にしてくれるのか、それは「人の内面」に根ざしているからだ。
- ものの買い物よりも経験的な買い物の方が自分との距離感が近く感じる
- 思い出は自分に自信を与えてくれるときがある
- ひどい経験でも後から振り返ってみると、あの経験があったから今の自分があると良い思い出に変わることがあるので、経験を買って後悔することは実は少ない
ということで、幸せになりたければ次の4つの経験を買うことが特に良いということだ。
- 社会的つながりが生まれる経験
- 思い出話になりそうな経験
- 自分の理想像に結びつく経験
- めったにないチャンスを与えてくれる経験
②ご褒美にする
ご褒美をもらえると嬉しい!
ご褒美をもらえるとモチベーションが高まる!
ご褒美ほしい!
それなら自分で自分にご褒美を買ってあげればいいわけだ。
そして、この本が教えてくれるのは効果的なご褒美の設定の仕方だ!
- 頻度に気をつける
ご褒美として毎日チョコレートをもらっても、すぐに当たり前になって喜びも薄れてしまう。なので最高のご褒美を感じたければ、あえてそのご褒美を遠くに設定することが大切。1ヶ月ぶりのチョコレートとなれば嬉しさも倍増だろう。 - 目新しいものをご褒美にする
頻繁に旅行に行く人ほど1回の旅行の喜びは薄れてしまう。当たり前の経験とならないように、これまでにない新しい刺激を取り入れることが喜びを高めるポイント。
ということで、節目節目でご褒美を用意することで人生はもっと楽しくなるということだ。
③時間を買う
ものを買っても幸せになれない、収入が増えても幸せにはなれない、
ものや収入を追い求めることは時間を犠牲にしてしまっているからだ。
一方で時間が増えると幸せになれる、と研究により分かっている。
人は時間があると感じると人生の満足度が向上するようだ。
やりたいことはあっても時間がない・・・
家族と過ごす時間が取れない・・・
ならお金で時間を買えばいい!
車を買って通勤時間を減らして勉強時間を作るもいいし、
家事の代行サービスを使って週末は家族と出かけるもいい。
人生で最大化するべきは物でも収入でもなく、幸せな時間ということだ。
④先に支払って後でもらう
予約でいっぱいの有名レストランの予約を1ヶ月後に取れたらどうだろう?
1ヶ月後にレストランで過ごす時間は最高に幸せだろう。
しかしそれだけではない、当日を待つ1ヶ月間も期待でウキウキのはずだ。
旅行の計画にしろ、新しいゲームの発売日にしろ、
それを待つということ自体が幸せになることが実は多い。
なので幸福を買いたいのなら、今の幸福を買うよりも、
将来の幸福を今買っておくのが一番いいというわけだ。
将来もらった時とそれを待つ間の両方の幸福感が増すからだ。
逆に後払いはしてはいけない。
お金を失うネガティブを将来までひきづってしまうからだ。
クレジットカードの請求が思わぬ高額になっていて、どんよりしてしまうことになってしまうようなものだ。
⑤他人に投資する
幸福で最も大切なものの一つは人間関係だ。
だから他人へお金を使ってあげることは、人生の満足度を大きく上げてくれる。
他人へお金を使うのには大きく2つの方法がある。
①他人に善行を行ってあげる
チャリティーに寄付をしたり、ボランティアに参加するなど、自発的に良い行いをすることはその人の幸福感を大きく上げてくれる。
②他人とつながりを強める
家族との旅行にお金をかけたり、友人と食事に出かけるなど、他人をの繋がりを強めることができればそれだけ幸福感は高まる。
他人のためにお金を使うことは良好な人間関係を築くだけでなく、その効果は肉体的な健康も向上してくれるほどということだ。
まとめ
本稿では「幸せをお金で買う5つの授業」を紹介しました。
ポイントをまとめると、お金には幸せな使い方が5つあって
- 経験を買う
- ご褒美にする
- 時間を買う
- 先に支払って後でもらう
- 他人に投資する
ということ。
現代の過剰消費の社会では次々と新しいモノが発売されるので、どうしても物が欲しくなってしまいますが、幸せになりたいのならこれらの5つを買うことを意識してみるのがいいと思います。
以上、本稿はここまで。