相手との距離が縮めたいなら、プレゼントは実用的な方が良いという研究
プレゼントをすることは良い人間関係を築く上では大切なことです。あまり自分からプレゼントしない人でも、友人の記念日や知り合いのお祝いなど、何かとプレゼントを選ばなければいけない機会もあることでしょう。
ここで難しいのが、プレゼントを選ぶ側とプレゼントをもらう側で、心理に食い違いがあることです。例えば、プレゼントを選ぶ側の人は、高価なプレゼントをすれば喜んでもらえると思いがちですが、意外ともらう側になってみると高価なプレゼントに申し訳なく感じてしまうこともあります。
そこで、ウィリアム・パターソン大学らの研究(*1)が
- 相手との距離を縮めてくれるプレゼントの選び方
について実験していたので、その中身を見ていきましょう。
プレゼントの2つの選び方
この研究ではプレゼントを選ぶときの考え方を2つに分類しています。
- 望ましいプレゼント
プレゼントそのもののクオリティを重視して選ぶ方法。 - 現実的なプレゼント
プレゼントのクオリティでなく、プレゼントの使いやすさを重視して選ぶ方法
例えば、望ましいプレゼントで最高級レストランの食事をあげたとしても、そのレストランに行くだけで片道1時間かかってしまうかもしれません。そうすると、現実的なプレゼントとして、少しレストランの質は下がったとしても、もっとアクセスがしやすい場所にあるレストランの食事の方が嬉しいかもしれません。
つまり、プレゼントはプレゼント自体の質だけでなく、そのプレゼントがどう活用されるのかまで考えた方が良いでは?ということですね。
良い距離が縮まるのはどちらか?
それで、ウィリアム・パターソン大学らの研究(*1)では、望ましいプレゼントとをもらったときと、現実的なプレゼントをもらったときで、相手により親近感を感じるのはどちらかを実験により確認してくれています。
この研究では5つの実験を行なっていて
- 評判の良いレストランだけど行くのに一時間かかる
- 評判はそこそこのレストランだけど5分でいける
- 重くて実用的でないけど、お洒落なデザインのペン
- デザインはそこまで良くないけど、軽くて書き心地の良いペン
- 最先端で綺麗なグラフィックだけど重くて持ち運びにくいタブレット
- グラフィックは普通だけど軽くて持ち運びに便利なタブレット
といった感じで、望ましいプレゼントか現実的なプレゼントかをもらったときの、相手への親近感の感じ方の違いを測定しています。
結果①:親近感を感じるのはどっち?
それで実験の結果を見てみると
- 望ましいプレゼントをもらった人よりも、現実的なプレゼントをもらった人の方が、相手との心の距離を近くに感じていた
- もらったプレゼントの好みや、自分で選んだ場合の希望とのマッチングは、2種類のプレゼントで違いはなかった
ということ。
つまり、質の良い望ましいプレゼントよりも、実用的なプレゼントの方が相手との距離を縮めるのには良いということですね。さらに、実用的なプレゼントで感じる親近感は、自分の希望とマッチしていなかったり、プレゼントがあまり好みでなかった場合でも効果があるということですね。
結果②:なぜ親近感を感じるのか?
それで、なぜ現実的なプレゼントは親近感が高いのかもこの研究では調べていて
- 現実的なプレゼントをもらった人は、相手は自分の実用面まで考えてくれてプレゼントを選んでくれていると感じていた
- 同じプレゼントをもらっても、相手が実用面を考えてこのプレゼントを選んでいたと伝えられるだけで、親近感が高まった
ということが分かっています。
つまり、現実的なプレゼントの親近感は、「相手が実用面まで考えてくれている」と感じるからこそ得られるですね。なので、プレゼントを上げるときには、相手のためを思ってプレゼントを選んでいることが伝わるように渡してあげれば、より距離が縮まるのではないでしょうか。
まとめ
本稿では「親近感を高めるプレゼント」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 高価で質の良いプレゼントよりも、実用的なプレゼントの方が、相手との心の距離を縮めてくれる
- 実用的なプレゼントで距離を縮めるには、相手のためを想ってプレゼントを選んでいるということが伝わることが大切
ということですね。
仕事で疲れている後輩にリラックスのために差し入れをあげたりとか、新しい子供が生まれた友人に赤ちゃん用品をプレゼントしたりとか。記念日みたいな大きなプレゼントだけでなく、普段からこういう小さなプレゼントができると良いのかもしれませんね。
[参考文献]