腕立て伏せと低負荷のベンチプレスは同じくらい胸筋が肥大する!
腕立て伏せといったら定番の筋トレメニューですよね。
一方で、ベンチプレスは器具がないと出来ないので腕立て伏せと比べるとやっている人は少ないかも知れませんが、ジム通いする筋トレ好きにとってはやはり定番のメニューです。
この2つはどちらも主に胸筋を鍛える種目です。
マッチョな人はバーベルやダンベルを使うフリーウェイトの筋トレを行う人が多いので、胸筋を鍛えるというと腕立て伏せでなくベンチプレスを選ぶ人が多いと思います。
そうなると、腕立て伏せってベンチプレスほど効果がないの?
っていう疑問を持つ人もいると思うので、その点を本稿で回答していきたいと思います。
腕立て伏せでも十分に筋肉量は増やせる
腕立て伏せの弱点は自分の体重以上の負荷をかけられないことです。
腕立て伏せでかかる負荷は、
普通の腕立て伏せで体重の64%、
膝をつけた腕立て伏せで体重の49%
になるようで、体重が60kgの人だとベンチプレスでいう約40kgの負荷までしかかけることができないんですね。
筋肉量を増やすには低負荷でもいい
じゃあ腕立て伏せがダメなのかというと、そういうわけでわありません。
実は研究によると、
筋力(持ち上げられる最大重量)を上げるには高負荷のトレーニングが必要だが、筋肉量を増やすのにはトレーニングのボリュームが大切で低負荷でも十分効果がある。
ということがわかっているんですね。
つまり、胸筋を大きくして体の見た目を変えたいって人は、高負荷のトレーニングでなく、低負荷で高回数のトレーニングをこなすのがいいのです。
腕立て伏せでも回数をこなせば十分に胸筋は発達するということですね。
腕立て伏せ vs 低負荷のベンチプレス
低負荷×高回数が効果的ということですが、
ベンチプレスを負荷を軽くして高回数を行う場合と、
腕立て伏せを高回数行う場合で違いはあるの?
って疑問もありますよね。
実はそれを検証してくれたのが研究(※1)があります。
この研究では19人の人を2つのグループに分けます
腕立て伏せグループ
8週間にわたって週2回の腕立て伏せを実施する。
メニューは限界までの腕立て伏せを3セット、インターバルは2分間。
ベンチプレスグループ
8週間にわたって週2回のベンチプレスを実施する。
メニューは限界までを3セット、インターバルは2分間。
負荷は最大重量の40%にする。
そして8週間後に胸筋がどう変化したのかを比べるわけですね。
結果、胸筋はどう変化したのか?
8週間後の胸筋の変化量は次のグラフです。
左の棒グラフが腕立て伏せ、右の棒グラフがベンチプレスです。
両方とも同じくらい胸筋が増えています。
つまりメインで鍛えたい胸筋については
- 腕立て伏せも低負荷のベンチプレスも効果は同じ
ということですね。
胸筋以外の筋肉はどうか?
この研究では上腕三頭筋と上腕二頭筋の筋肉量の変化も測定しています。
その結果は
- 上腕三頭筋は腕立てもベンチプレスも同じだった
- 上腕二頭筋はベンチプレスのみ効果があった
とのこと。ここからわかるのは
メインとなる大胸筋と上腕三頭筋は腕立てもベンチプレスも同じ筋肉量アップが見込める。
しかし、他の周囲の筋肉への効果は微妙に違うかもしれない。
ということですね。
ベンチプレスと腕立て伏せではフォームが若干違いますから、周りの筋肉に差が出るのはしょうがないですね。
この研究では測定されていませんが、腕立て伏せではベンチの支えがなく自分で体幹を支えないといけないので、より腹筋や背筋を使っているとかもあり得るかもです。
まとめ
本稿では腕立て伏せでも十分筋肉量はアップできるという話をしました。
まとめると
- 筋肉量を増やすには低負荷×高回数でよい
- 腕立て伏せと低負荷のベンチプレスでは胸筋は同じくらい肥大する
- ただし、周りの他の筋肉には微妙に差が出るかもしれない
ということ。
ただし、ベンチプレスで100kgを挙げたい!というような最大重量を伸ばすためには高負荷のトレーニングが必要です。
その時は腕立て伏せではなく高重量のベンチプレスが必要ということですね。
ゴリゴリのマッチョを目指さないのであれば、腕立て伏せは十分に有効な筋トレだと思います。
どこでも簡単に出来るのが嬉しいですしね。
以上、それでは良い筋トレライフを!
参考文献
※1: Low-load bench press and push-up induce similar muscle hypertrophy and strength gain