ダイエット中に食べ物の誘惑を目にすることにも良い効果があるという研究
スーパーのお惣菜やコンビニに陳列されているお菓子、レストランから漂う美味しそうな匂いなど、今やいたるところに食べ物の誘惑は潜んでいて、ダイエットをしている人にとっては天敵とも言えるでしょう。
このような食べ物の誘惑に近づかないことが、ダイエットを成功させるためのポイントの一つとして挙げられることが多いです。お菓子が目の前にあるとついつい食べてしまうから。外から目に見えない収納の中にしまった方が良いというアドバイスもこれが理由ですね。
しかし、食べ物の誘惑にはダイエットにとって良い効果もあるということを発見してくれたのがユトレヒト大学の研究(*1)です。この研究では
- 食べ物の誘惑を目にすると、ダイエット中だということを思い出して、ダイエットへの意識を高めてくれるのでは?
ということを確認してくれているんですね。
食べ物の誘惑とダイエットの意識
それで、この研究では食べ物の誘惑がダイエットの意識を向上してくれるのかを確かめるために、体重の減少を目標にしている人を集めて2つの実験を行っています。
どのような実験かというと、参加者は2つのグループに分けられていて、
- 食べ物の誘惑グループ
食べ物の画像を30秒間じっくりと見る - コントロールグループ
お花の画像を30秒間じっくりと見る
とそれぞれ異なる画像を見ています。
そして、各グループは画像を見た後で
- ダイエットの目標の重要さ(実験1)
- ダイエットの目標達成へのやる気(実験2)
がどのくらいかを答えて、その後で
- 全粒小麦のクッキーかチョコレートクッキーのどちらか(実験2)
を選んで食べてもらっています。
結果
それで結果がどうなったのかというと
- 食べ物の誘惑を見たグループの方が、ダイエットの目標を重要だと感じていた(4.7 vs 3.9)
- 食べ物の誘惑を見たグループの方が、ダイエットの目標達成へのやる気も高かった(4.0 vs 3.2)
- 食べ物の誘惑を見たグループの方が、より健康的な全粒小麦クッキーを選ぶ確率が高かった(59% vs 33%)
ということ。
食べ物の誘惑を目にすることで、ダイエットへの意識が高まって、健康的な食品を選びやすくなったという良い結果が得られていますね。なので、ときには食べ物の誘惑を目にすることも、ダイエットにとって良い効果があるのかもしれませんね。
食べ物の誘惑をどう活用するべきか?
食べ物の誘惑にも良い効果があるということでしたが、もちろん誘惑に負けてしまって悪い結果になるリスクも高いので、誘惑の強さが大切になってくると思います。この研究では本物の食べ物でなく、食べ物の画像を使っているので、誘惑の刺激も弱く、いい感じにダイエットの意識を高めてくれたのかもしれません。
他の研究でも「自制心を鍛えるには誘惑から逃げてばかりいないで、誘惑に打ち勝たないといけない」ということも言われています。なので、まずは画像や頭の中の想像などの弱い誘惑で、食べ物の誘惑に打ち勝つイメージを高めていければいいのでは無いでしょうか。
特に、買い物に出かけるときや外食時など、本物の誘惑を目の前にするときには、その前に弱い誘惑でダイエットの意識を高めておくと、いざ本番で健康的な選択ができる確率が高まると思います。
まとめ
本稿では「食べ物の誘惑の良い効果」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 食べ物の誘惑には、誘惑に負けてしまうリスクがある一方で、ダイエットの意識を高めてくれる良い効果もある
- 食べ物の画像や頭の中にイメージなど、弱い誘惑を使ってダイエットの意識を高め、本当の誘惑に打ち勝つ自制心を鍛えると良さそう
ということですね。
ダイエット中なのに誘惑に負けて食べてしまうという人は、まずは画像やイメトレで誘惑に強くなっていきましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]