ボディマインド瞑想を習慣にするとストレスが減るぞという研究
マインドフルネス瞑想には、集中力の向上や、ストレスの低減、幸福感の向上など良い効果があり、Googleが取り入れていることでも有名です。
そして、マインドフルネス瞑想には呼吸瞑想や慈悲の瞑想など様々な種類があります。本稿ではボディマインド瞑想(Integrative Body-Mind Meditation)という瞑想のストレス軽減効果について調べてくれた中国の研究を見ていきたいと思います。
ボディマインド瞑想とは
マインドフルネス瞑想では、頭の中を無にすることを目的として、頭の中で浮かんだ雑念を客観的に観察して手放してあげるようなことをするタイプのものがあります。
ボディマインド瞑想はこのような思考のコントロールをしようというタイプのものではなく、呼吸の感覚や体の感覚、インストラクターからの指示に集中するタイプの瞑想です。このときに、呼吸は深くゆっくりとして、リラックスした状態で体や呼吸の感覚に集中していきます。ボディマインド瞑想という名前の通り、体の感覚と心を一致させる瞑想なわけですね。
ボディマインド瞑想のストレス軽減効果
それで、中国の研究では20分のボディマインド瞑想を4週間続けたときのストレス軽減効果について調べています。
比較対象となるのはリラックスグループで、このグループの人はボディマインド瞑想の変わりに、体の筋肉を部位毎に一つ一つ順番にリラックスさせる方法を行っています。
そして、唾液中のコルチゾール測定が2週間目と4週間目の時点でそれぞれ行われて、
- 日頃感じているコルチゾールのレベルは軽減しているか?
- 急性のストレスを感じたときにこれらの2つの手法はどれだけ有効か?
(計算問題で意図的にストレスを与えたときに、ボディマインド瞑想と筋肉のリラックス法でどれだけストレスが軽減されるか)
が検証されています。
結果①:日常的なストレス
まず日常的なストレスレベルがどう変わったのかというと、次の表の通りの結果となっています。
初期ストレス | 2週間目 | 4週間目 | |
ボディマインド瞑想 | 16.48 | 14.75 | 13.07 |
筋肉のリラックス | 16.37 | 16.15 | 17.42 |
この表から分かるのは
- ボディマインド瞑想では、日常的なストレスの軽減効果があって、長期間続けるほどにその効果は高まった
- 筋肉のリラックスだけでは、日常的なストレスの軽減効果は得られなかった
ということですね。
長期間続けるほど効果も高まるということなので、やるならボディマインド瞑想は習慣的にやっていきたいところですね。
結果②:急性ストレスの軽減
続いて、意図的にストレスをかけた後で、瞑想をしたときの効果としては次のグラフが得られています。
○がボディマインド瞑想の結果で、●が筋肉のリラックスの結果となっています。灰色に塗りつぶされた期間がストレスを与えている期間で、どちらのグループもこの期間にストレスが高まっていることがわかります。
このグラフの結果をまとめると
- 急性のストレスの後でボディマインド瞑想をすると、ストレスを低下させることができた
- 筋肉のリラックスには急性のストレスを軽減する効果はなかった
ということ。ちなみにこの急性ストレスの軽減効果も、4週間続けたときの方が効果が高かったということが確認されています。
なので、ボディマインド瞑想は、毎日習慣にするのが良く、さらに強いストレスを感じたときの突発の対処法としても効果的ということですね。
まとめ
本稿では「ボディマインド瞑想のストレス軽減効果」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- ボディマインド瞑想は、思考のコントロールはせずに、体の感覚に集中して、心と体を一致させるタイプの瞑想
- ボディマインド瞑想で、急性のストレスも日常的な平均ストレスも軽減することができる
ということですね。
ボディマインド瞑想は急性のストレスにもいいので、仕事の残業などで体をもうひと踏ん張りさせたいときにも使えそうですね。特に、習慣にしておけば瞑想の効果も高まるので、毎日決まった時間の習慣瞑想+高ストレス時の対処瞑想の両刀を身につければ、だいぶストレスに強くなれそうですね。
[参考文献]