筋トレは部位毎に分割する方が良いのかと筋トレの頻度について
本稿では筋トレの効果をより高めるために
- 一度に全身を鍛えるのが良いのか、部位ごとに分割するのが良いのか?
- 筋トレの頻度はどのくらいがいいのか?
について研究結果(*1,*2)を参考に説明していきたいと思います。
スプリット vs フルボティ
筋トレのメニューの組み方には大きく2つスプリットとフルボティの2つがあります。
スプリットは全身を分割して鍛える方法で、月曜は胸筋、火曜は背筋、水曜は肩、木曜は足、金曜は腕みたいな感じで日毎に鍛える部位を変える方法です。ボディビルダーのような筋トレ上級者はスプリットで鍛えている人がほとんどのようです。筋肉には回復の期間が必要なため、週の総トレーニングボリュームを増やそうとすると、部位ごとに分割して鍛える必要が出てくるわけですね。
フルボディは1日で全身をまんべんなく鍛える方法で、1日で胸も肩も背筋も足も全部を鍛えます。1日で行う1部位あたりのトレーニングボリュームは少なくはなります。
フルボディでも体は鍛えられる
筋トレの上級者はみんなスプリットを取り入れています。
それではフルボディは効果がないのかというと、そういうわけではありません。
実際にスプリットとフルボティの効果を比較した研究(*1)で、フルボディの方が筋肉を鍛えられるケースがあることも分かっているんですね。
この研究では週3日の頻度でトレーニングを行なった場合のフルボティとスプリットの効果の違いを調べています。フルボティは週3日全身を鍛えるのに対して、スプリットは週3日毎日違う部位を鍛えるわけですね。
その結果は
- 筋肉の厚みはフルボティの方が伸びた
- ベンチプレスとスクワットの1RMもフルボティの方が伸びた
ということでフルボティの方が効果が高かったんですね。
なぜフルボティの方が良かったのかというと
- スプリットで1部位をずっと鍛えると後半の種目は疲れて効率が落ちてしまうが、フルボディの場合は疲れる前に次の部位に行くので、後半でも効果的にトレーニングできる
- スプリットでは各部位の筋肉を週に1回しか刺激できないが、スプリットでは全身を週3回とか刺激できる。トレーニング後の24時間は筋肉の合成が促進されるので、その効果をより享受できるのかも。
みたいなことが考えられます。
フルボディでも十分に体は鍛えられるんですね。
スプリットとフルボディはどっちがいいのか?
先の研究ではフルボディの方が効果が高いという研究結果が出ていましたが、
これは週3日の場合の比較になります。
週3日だとトレーニングの間で1日回復の日を入れることができますが、それ以上の頻度でトレーニングするとなると、2日以上続けてトレーニングしないといけなくなります。
そうなるとやっぱりスプリットで部位毎に分割して、ダメージを受けた筋肉は回復させつつ、他の筋肉を鍛えるということが必要になるんですね。
なので、結論としては
- 細マッチョな体を目指していてトレーニング頻度が週3日くらいで良いならフルボディがオススメ
- ムキムキを目指していて、週4日以上のトレーニングボリュームが必要ならスプリットに方がオススメ
ということですね。
最適なトレーニングの頻度とは?
続いて、トレーニングの頻度はどのくらいがいいのか?
についての研究を見てみましょう。
この研究ではトレーニングの頻度と筋トレ効果の関係を調べた22件の研究をメタ分析しています。
その結果、筋トレの効果量は
効果量 | |
週1日 | 0.74±0.13 |
週2日 | 0.82±0.13 |
週3日 | 0.93±0.13 |
週4日以上 | 1.08±0.16 |
ということで、頻度が多くなるほど筋トレの効果が高くなるという結果が得られています。
なぜ頻度が多くなるのかほどよいのかというと、それだけトレーニングのボリュームが増えるからなんですね。
さらに、この研究からはもう少し面白いことがわかったことがわかっていて
- トレーニングのボリュームが同じなら、頻度は筋トレの効果には関係ない
ということなんですね。
つまり週の10セットのベンチプレスを行うなら、5日で2セットずつやっても、2日で5セットでやっても同じというわけです。ただし、1日に多くのセットをこなそうとして後半のセットで強度や回数が落ちてしまってはトレーニングのボリュームも落ちてしまうので、適度に分散することは必要かと思います。
ということで、頻度については回復の期間を考えた上でできるだけボリュームを増やせるように設定するのが良いということですね。
まとめ
本稿ではスプリット/フルボティの使い分けとトレーニングの頻度について説明しました。
ポイントをまとめると
- 週3日以下の頻度ならフルボディがオススメ
- 週3日よりトレーニングボリュームを増やしたいならスプリットがオススメ
- トレーニングの頻度よりも1週間の総トレーニングボリュームを上げることが大切
ということですね。
以上、それでは良い筋トレライフを!
[参考文献]
*1:Influence of Resistance Training Frequency on Muscular Adaptations in Well-Trained Men.