投資の判断を間違わせる5つの心理的な落とし穴とは?

本稿のテーマは「冷静に投資判断するための排除すべき心理バイアス」ということで、行動経済学などで研究されている心理バイアスの中から、投資判断に関係するものを紹介したいと思います。

目次

  • 投資判断と心理バイアスについて
  • ヒューリスティック
  • 後悔の回避
  • 認知的不協和
  • アンカリング
  • メンタルアカウンティング

投資判断と心理バイアスについて

株やFXなどの投資を行うときには、価格や財務情報などのデータを分析して、リスクに対して十分なリターンが得られることを判断するわけです。しかし、このデータの解釈をするときや、投資の判断には人間の心理が大きく関わってきてしまいます。

例えば、

  • 損を確定する恐怖からなかなか損切りの判断ができなかったり
  • ネットニュースに流されて冷静な判断ができなかったり
  • 勝ってるときの高揚感で過剰にトレード数を増やしてしまったり

というような心理的要因で失敗する人が多いわけです。

そこで、これらの間違った投資判断の原因となっている心理バイアスについて見ていきましょう。

①ヒューリスティック(経験則)

代表性ヒューリスティック
この心理バイアスは代表的な現象の起こる確率を過剰に高く見積もってしまうバイアスです。例えば、ブラジルの人はサッカーが得意という代表的なイメージがあると、とあるブラジル人が好きなスポーツはなんでしょう?と聞かれたときにサッカーである確率を過剰に高く見積もってしまうんですね。投資判断の場合で言うと、ある株価が上昇していて周りのみんなが儲かっているというイメージがあると、これからどうなるのかを考えずに自分も乗っかってしまうみたいなことがあるので注意ですね。

利用可能性ヒューリスティック
これは自分が馴染みの深い現象が起こる確率が過剰に高く見積もってしまうバイアスです。例えば、ある株価の波形のパターンで何回か勝つと、次にそのパターンに出会ったときに、勝てる確率を高く見積もり過ぎてしまうようなことですね。

②後悔の回避

人にはできるだけ後悔を避けようとする傾向があります。損している株をなかなか損切りできないと言うのがまさにこのバイアスによるものです。損を確定することの後悔を冷静に取れずに、また上がるだろうという根拠のない希望にしがみついてしまうわけですね。

③認知的不協和

認知的不協和は自分の信じていることに対して反対の意見や情報があったときに、自分の信じていることが正しいと思い込んで、反対の情報を拒否してしまうことです。このバイアスを取り除けないと一度した投資判断をずっと正しいと思い込んでしまって、新しい情報(特にネガティブな情報)を受け入れにくくなってしまうんですね。

④アンカリング

アンカリングは様々な情報がある中でも直前に目にした情報に特に強く影響されてしまうというバイアスです。例えば、様々な人にランダムな3桁の数字を見せてこのチョコレートをその数字の値段で買いますかと尋ねます。その後に実際に何円ならこのチョコレートを買いますかと聞くと、3桁の数字が大きかった人ほど高い値段をつけたんですね。つまり、直前に見た何も関係ない3桁の数字がチョコレートの価格に影響を与えているんですね。これと同じ原理で、ある商品が割引で1000円→500円(半額)となっていると1000円という先行情報があるので500円がすごく安く見えるわけですね。

投資判断でも、このバイアス取り除かないと、過去の株価の最大値だったり自分の購入株価などの先行情報が、今の株価が高いか安いかを判断するのに大きく影響してしまうので注意が必要です。例えば、冷静に考えるとまだまだ伸びそうなのに、購入時の価格と比べてだいぶ上がったことに満足して、早めに売ってしまうなんてことが起こってしまうかもしれません。

⑤メンタルアカウンティング

メンタルアカウンティングは人は心の中でお金を意味で区別しているというバイアスです。例えば、普段の給料は節約してきっちり使うのにギャンブルでたまたま手に入ったお金はパーっと使いがちだったり、一方で子供のための貯金には絶対に手を出さなかったりします。これは同じお金でもそのお金の意味に応じて心の中で区別をしているからなんですね。

投資の場合でも現金で持っているか、株で持っているか、あるいは不動産で持っているかなど違いで、心の中での区分も変わってしまうんですね。このバイアスが作用している一番わかりやすい現象は、損している株をなかなか損切りできない現象です。保有している株の含み損は、なぜか現金の損失とは別だと心の中では区別されてしまっているようで、この区別により手仕舞って確定するまでは本当の損失とは認識されずに持ち続けてしまうわけですね。

まとめ

本稿では「投資判断を間違わせる心理的な落とし穴」として次の5つの心理バイアスについて紹介しました。

  • ヒューリスティック
  • 後悔の回避
  • 認知的不協和
  • アンカリング
  • メンタルアカウンティング

投資の判断をするときにはこれらの心理バイアスに判断が歪まさせていないのかを見直してみるといいと思います。

以上、本稿はここまで!


[参考文献]
*1: Decision Making in the Stock Market: Incorporating Psychology with Finance

Naoto

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする