ジョブクラフティングの効果や性格による違いなどの関係を分析してくれた研究の話

本稿では働きがいや仕事のパフォーマンスを上げてくれる方法として心理学で研究されているジョブクラフティングの効果について説明したいと思います。

ジョブクラフティングとは?

ジョブクラフティングとは簡単にいうと仕事を自分にあった形に作り替えてあげることです。

例えば、
・仕事で自分の新しいスキルを活用してみたり
・一緒に働いて楽しい同僚との関わりを増やしてみたり
・自分にとってストレスとなるタスクを減らしてみたり
といったこと。

このようにジョブクラフティングにも様々な行動があって、自分の思うように仕事の形を自ら進んで変えてみる行動はどれもジョブクラフティングと言えるわけですね。そこでジョブクラフティングは目的に応じて大きく4つの分類があって、

  • 仕事の構造的な向上(能力の向上など)
  • 仕事における人間関係の向上
  • 仕事のストレスや妨害的な要因の低減
  • 仕事の挑戦や難易度の向上

と分けられています。

それでジョブクラフティングを行うとどのようないいことがあるのかというと、仕事をより自分にフィットさせることができるので、働きがいが向上したり、パフォーマンスがアップしたりということが期待できるわけですね。

ジョブクラフティングの効果

ジョブクラフティングの効果と性格による違いなどの詳細を分析してくれたのが、ライプツィヒ大学らの研究(*1)となっています。

この研究ではメタ分析という手法を用いて、ジョブクラフティングに関する122件のサンプルにわたる総計35,670人分の研究結果をまとめてくれたんですね。なかなか規模も大きくていい研究ですよね。

そして何を調べてくれたのかというと

  • 性格によってジョブクラフティングを行いやすい人がいるのか?
  • 仕事の性質によってジョブクラフティングは増えたりするのか?
  • 年齢や在職期間などの人口統計によってジョブクラフティングを行いやすい人はいるのか?
  • ジョブクラフティングをすることで仕事のパフォーマンスや仕事満足度が向上するのか?

ということをデータから分析してくれています。

それでは結果を見ていきましょう!

性格とジョブクラフティング

心理学で最も信頼されている性格分析であるビッグファイブに基づいて、ジョブクラフティングが多い性格や少ない性格があるのかを分析した結果が次の通りです。

  1. 「外向性」の高い人はジョブクラフティングが多い(r=0.224)
  2. 「強調性」の高い人はジョブクラフティングが多い(r=0.200)
  3. 「誠実性」の高い人はジョブクラフティングが多い(r=0.272)
  4. 「開放性」の高い人はジョブクラフティングが多い(r=0.218)
  5. 「神経性傾向」のみジョブクラフティングと関係がなかった

ということで神経性傾向以外はジョブクラフティングと正の相関があったみたいです。

他の性格の指標とジョブクラフティングの関係もいくつか調べてくれていて

  • 積極性の高い人ほどジョブクラフティングが多い(r=0.543)
  • 自己効力感が高ほどジョブクラフティングが多い(r=0.396)
  • 失敗の回避を優先する人よりも成長を優先する人の方がジョブクラフティングは多い(r=0.157 vs r=0.509)

ということです。

仕事の性質とジョブクラフティング

続いて仕事の性質とジョブクラフティングの関係ということでは次のことがわかっています。

  • 仕事の自律性が高いほどジョブクラフティングは多い(r=0.279)
  • 仕事の負荷が大きいほどジョブクラフティングは多い(r=0.164)

自律性が高いということは自分で仕事をコントロールしやすいということなので、ジョブクラフティングが高くなるのは分かりますね。また、仕事の負荷が大きい場合にも、その負荷を減らそうという方向でジョブクラフティングが増えるみたいですね。

人口統計とジョブクラフティング

年齢や在職期間などの人口統計的な指標とジョブクラフティングの関係がどうだったのかというと、

  • 年齢が高くなるとジョブクラフティングを少し減る(r=−0.100)
  • 在職期間が長くなるとジョブクラフティングを少し減る(r=−0.105)
  • 教育期間が長いとジョブクラフティングは少し増える(r=0.110)
  • 労働時間が長いとジョブクラフティングは少し増える(r=0.100)

ということ。ただし、どれも値は小さめになっているので、あまり大きな関係はないみたいです。

ジョブクラフティングと仕事の成果

最後にジョブクラフティングが仕事の成果(パフォーマンスや満足度など)にどのような関係があったのかというと

  • ジョブクラフティングが多いと仕事の満足度が高かった(r=0.288)
  • ジョブクラフティングが多いと仕事へのエンゲージメントが高かった (r=0.450)
  • ジョブクラフティングが多いと仕事のパフォーマンスも良かった
    (自分で評価したパフォーマンス r=0.274)
    (他者が評価したパフォーマンス r=0.184)
  • ジョブクラフティングが多いとストレスなどの仕事の負担が少なかった(r=−0.125)

ということ。仕事への満足度も上がるしパフォーマンスも上がるしということで、ジョブクラフティングにより多くの良い効果が得られることが分かりますね。

まとめ

本稿ではジョブクラフティングの効果と、ジョブクラフティングを多く行う人の特徴についてお話ししました。

ポイントをざっくりとまとめると

  • ジョブクラフティングが多い人ほど働きがいや仕事のパフォーマンスは高い
  • 自律性が高く自分でコントロールしやす仕事だとジョブクラフティングが高くなる
  • 成長思考で積極的に挑戦する人ほどジョブクラフティングは多い

という感じですね。

ジョブクラフティングには様々ないい効果があるようなので、自分の能力や性格に合った形に仕事を少し工夫して変えてみてはいかがでしょうか。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1: Job Crafting: A Meta-Analysis of Relationships with Individual Differences, Job Characteristics, and Work Outcomes 

Naoto

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