ダイエット中に睡眠不足になると脂肪が減りにくくなってしまうという研究結果

最終更新日

Comments: 0

睡眠不足の人の方が肥満の確率がずっと高いというデータがあるように、十分な睡眠が取れないと太りやすくなってしまうということがわかっています。

このように睡眠と体重の関係を調べた研究はあって、その中でも今回面白かったのは、ダイエット中に睡眠不足になると脂肪が落ちにくくなってしまうという研究結果(*1)です。なんと、睡眠不足には太りやすくなるだけでなく、ダイエットしても痩せにくくなるというダブルで嫌な効果があるというんですね。

そこで今回はこの研究を参考に、ダイエットにおける睡眠の大切さを勉強していきましょう。

カロリー制限と睡眠不足

この研究では36人の参加者を次の2つのグループにわけてダイエットをしてもらいます。

①カロリー制限のみのグループ
8週間にわたって食事にカロリー制限をしてもらう
睡眠は平常通りにとってもらう。

②カロリー制限+睡眠制限グループ
同様に8週間にわたって食事にカロリー制限をしてもらう
同時に週5日は睡眠をいつもより1時間半だけ短くしてもらう。
(残りの週2日は自由に睡眠をとって良い)

週5日間だけ睡眠を制限したのは、社会人が平日は睡眠時間が短くて、休日は長めに眠るという生活パターンを想定した実験デザインにしているわけですね。

結果

まず8週間の生活パターンが実際にどのような結果になったのかというと

  • カロリー制限のみのグループは食事のカロリーを14±9%ほど減らしていた
  • 睡眠制限ありのグループは食事のカロリーを16±9%ほど減らしていた
  • 睡眠制限ありのグループは、睡眠制限ありの5日間は睡眠時間が65±38分ほど短くなり、自由睡眠の2日間は65±37分ほど睡眠時間は増えた
  • 睡眠制限ありの人は、週のトータルでは185±64分ほど睡眠が短くなった

ということで、各グループともうまくカロリー制限をしつつ意図した通りの生活を実行していることがわかります。睡眠制限ありの人は休日は長めに寝ていたということで、平日の睡眠不足を休日に補おうとしていることがわかりますね。

そしてこれらの生活の結果として、体重がどう変化したのかというと

  • 両グループとも約3kgほど体重は減っていた
  • 睡眠制限がない人は脂肪が多く減っていた
    (体重減少のうちの83%が脂肪の減少、17%が除脂肪体重の減少)
  • 睡眠制限がある人は脂肪の減りが少なかった
    (体重減少のうちの58%が脂肪の減少、42%が除脂肪体重の減少)

ということで、睡眠不足となると脂肪が減りにくくなって、除脂肪体重(筋肉など)が減りやすくなってしまうみたいなんですね。筋肉が減ると代謝が減って太りやすくなってしまうので、ダイエットをやる人にとってはリバウンドのリスクも上げてしまうことにもなります。これは嫌な結果ですね。

さらにこの研究では血液検査の比較も行っていて

  • 睡眠制限をした場合にのみ血液中のレプチンの濃度が低下していた

ということなんですね。レプチンというのは満腹感をもたらすホルモンで、食欲をコントロールするのに大切なものです。つまり睡眠不足でレプチンが減ってしまうと、食欲が抑えにくくなってしまうということなんですね。これは睡眠不足の人が太りやすい原因の一つで、ダイエットを失敗させてしまう要因にもなってしまうので注意が必要です。

まとめ

本稿では「睡眠不足とダイエット」についてお話ししました・

ポイントをまとめると

  • 睡眠不足になるとダイエットをしても脂肪が減りにくくなってしまう!
  • 睡眠不足はレプチンを減らすので食欲が抑えにくくなってしまう!
  • 平日の睡眠不足を休日に補おうとしても、これらの悪い効果は出てしまう。

ということです。

体重をコントロールするのに睡眠不足はやっぱり悪い効果が大きいみたいですね。なので、ダイエットする人は睡眠もしっかりと取るように意識すると成功率が高まると思います。適度な運動はダイエットにも睡眠にもいいので取り入れていきたいところですね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1: Influence of sleep restriction on weight loss outcomes associated with caloric restriction

Naoto

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする