お腹の脂肪と内臓脂肪を減らすのには軽めのHIITが良いという研究結果

本稿のテーマは「お腹の脂肪と内臓脂肪を効果的に減らすための運動」です。

タイトルにもあるHIITとは高強度インターバルトレーニング(High Intensity Interval Training)のことで、高負荷のきつい運動と低負荷の休憩レベルの運動を交互に繰り返す運動のことを言います。例えば、20秒間全力ダッシュ→10秒間歩くを8セット繰り返すみたいな感じですね。

実はHIITはジョギングのように中程度の運動をインターバル無しで長く続けるよりも脂肪の燃焼効果が高いことで有名なんですね。HIITは短時間でも高負荷で追い込むことで、体が脂肪の燃焼モードに入って運動が終わった後にも脂肪を燃やし続けてくれる効果があるということ。なのでHIITは筋肉を減らさずに脂肪だけ減らしたいアスリートもよく取り入れられています。

本稿では、お腹の脂肪と内臓脂肪を減らすのにもHIITはどれだけ効果的かを調べてくれた研究(*1)を参考に、お腹周りをシュッとさせるために効果的なHIITの実践方法について考えていきましょう!

HIITとお腹の脂肪・内臓脂肪

今回参考にする研究(*1)はHIITの脂肪燃焼効果を調べてくれた39件の研究をメタ分析でまとめてくれています。この研究の特徴としては

  • 全身の脂肪・お腹の脂肪・内臓脂肪の3つの脂肪の分類それぞれの燃焼効果を調べてくれた
  • HIITの負荷の程度の違いによる脂肪燃焼効果の違いを分析してくれた
    (高負荷:全力の90%以上、低負荷:80%くらい)
  • HIITの種目としてランニングとエアロバイクの効果の違いを調べてくれた
  • 実験の対象者は肥満体型の人が中心

となっています。

それでは分析の結果がどうなったのかを脂肪別に見ていきましょう。

①全身の脂肪を燃焼させるには

HIITが全身の脂肪を燃焼してくれる効果としてわかったのは

  • HIITには全身の脂肪を有意に減らす効果があった!
  • 全身の脂肪には90%以上の高負荷のHIITの方が効果が高かった!
  • 種目はランニングの方が効果が高かった!

ということ。

特定の部位の脂肪を減らしたいというわけでなく、とにかく全身の脂肪を少しでも多く減らしたいという人は高負荷のHIITがオススメということです。運動の種目もランニングのように全身を使うようなきつめの運動がいいみたいですね。もちろん低めの負荷でも効果がないわけではないので、心理的にきつくて続かないようであれば負荷は落とした方が良いと思います。

②お腹の脂肪を燃焼させるには

続いてお腹周りの脂肪に対するHIITの効果は

  • HIITにはお腹の脂肪を減らす効果がある!
  • お腹の脂肪には負荷は低めの方が効果が高かった!
  • 種目はエアロバイクの方が効果が高かった!

ということ。

お腹の脂肪を減らしたい場合には負荷は低めの80%程度のHIITがオススメということですね。80%でも十分にきついとは思いますが、全力を出し切るレベルまでは頑張らないでもいいみたいです。これは面白い結果ですね。

③内臓脂肪を燃焼させるには

最後に内臓脂肪に対するHIITの効果としてわかったことは

  • HIITには内蔵脂肪を減らす効果がある!
  • 内蔵脂肪には負荷は低めの方が効果が高かった!
  • 種目はエアロバイクの方が効果が高かった!

ということ。

お腹の脂肪と同じで、HIITの負荷は低めの方が効果が高いという結果となっています。なので、全身の脂肪をできるだけ多く減らしたいというのではなく、お腹や内臓脂肪を特に減らしたいという場合はHIITの負荷は少し低めに設定するのがよろしいということですね。

まとめ

本稿では「お腹の脂肪と内臓脂肪を燃やすためのHIIT」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • HIITにはどの脂肪も燃やす効果がある!
  • 全身の脂肪を多く減らしたい人は、高強度のランニングのHIITがオススメ
  • お腹の脂肪・内臓脂肪を特に多く減らしたい人は、負荷が少し低めのエアロバイクのHIITがオススメ

ということです。

お腹周りをシュッとさせたい場合には低めの負荷のHIITが良さそうですね。ダイエットで脂肪を燃やしたいという人はぜひ参考にしてみてください。ただし運動は続けることが一番大切なので、つらくて続かないなんてことにならないように、自分の好みも考慮して決めるのも大切だと思います。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1: Effect of High-Intensity Interval Training on Total, Abdominal and Visceral Fat Mass: A Meta-Analysis

Naoto

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