一時的な快楽は人生の幸福感を高めてくれるのか?

本稿のテーマは「一時的快楽は人を幸せにしてくれるのか」です。

この考えはポジティブ心理学などにもあって、次の2つ幸せを分けて語られることが多いんですね。

①ヘドニックな幸せ
その瞬間瞬間で感じる快楽的な幸せのこと。ケーキを食べておいしいや、ゲームをやって楽しい、あるいはタバコや薬物で気持ち良いなど。

②ユーダイモニックな幸せ
自己実現や人生の意義などに通じる安寧的な幸せ。例えば、仕事を通じて社会に貢献できている幸せや、目標に向かって自分が成長していることが楽しいなど。

それで、この2つはよく対比されて、目先の快楽に溺れるのではなく、ユーダイモニックな意義のある幸せを目指すことが本当の幸せと言われています。快楽的な幸せはどちらかというと悪者にされているわけですね。

そこで本稿では、快楽的な幸せは人生の幸福感を高めてくれるのかを検証してくれた研究(*1)を参考に、快楽的な幸せが良いものなのか悪いものなのかを見ていきましょう

快楽的な幸せはなぜ悪者なのか?

この研究によると快楽的な幸せが悪者扱いされるのには理由が色々とあるようです。

①快楽主義は環境に悪い
快楽主義は過剰消費を伴うので、資源を大量に使って環境を悪化させてしまう

②快楽主義はモラルを低下させる
目先の快楽を優先するようになると、長期的なことや社会全体のことを考えなくなってしまうので、社会全体のモラルが低下してしまう。

③健康に悪い
ジャンクフードやお菓子、お酒、タバコ、薬物など快楽の強いものは健康に悪いものが多い。

④快楽主義は中毒になってしなう可能性がある
タバコや薬物やギャンブルなど、快楽には中毒性があるものが多く、人生を台無しにしてしまう可能性がある。

⑤快楽主義の幸せは長続きしない
快楽はその瞬間に感じるもので長続きせずにすぐに消えてしまうので、恒久的な本当の人生の幸せとは言えない。

⑥快楽主義はセルフコントロール能力を低下させる
快楽主義の人は目先の誘惑に打ち勝つセルフコントロール能力が低くなってしまう。そうすると人生で困難があったときに、立ち向かう強さがなく、お酒などの快楽に逃げてしまうことが増える。

⑦人間関係を悪化させる
自分の快楽を求める人は他人の気持ちをあまり気にしなくなってしまうので、人間関係が薄くなってしまう。

以上、こういったたくさんの理由があって快楽的な幸せは悪者扱いされてしまっているようです。

快楽的な幸せにも良い面はある

逆に快楽的な幸せが良いと考えられる根拠もいくつかあります。

①ポジティブな感情を増やしてくれる
快楽的な幸せは楽しいや嬉しいといったポジティブな感情を増やしてくれます。人生の幸福とはポジティブな感情を増やして、ネガティブな感情を減らすこととも言えるので、快楽も人も幸せにしてくれるはず。

②ポジティブな感情でいる方が人生の問題にうまく対処できる
不安や怒りといったネガティブな感情に陥ってしまうよりも、快楽的な幸せでポジティブな感情でいた方が人生の問題にも楽観的にうまく対処できる説。確かに、嫌なことがあったときに、パーっと遊んで切り替えるということは効果がありそうですよね。

③快楽主義が人間関係を広げる
快楽的な幸せもお酒を一緒に楽しんだりなど、他の人との繋がりを作るのに役に立つ側面もある。

④快楽主義が健康にも良い面もある
快楽はストレスを減らして、ポジティブにしてくれるので、それが体の健康にもつながるという考え。なのでタバコやお酒などの健康に悪いものを過剰に摂取しないのであれば、快楽は健康に良いということですね。

⑤一時的でも頻度が多ければ良いのでは
快楽が一時的な幸せであっても、その幸せを頻繁に感じることができるのなら、人生に占めるポジティブな感情は増えるので良い説。

これらの考えから快楽的な幸せも、悪者ではなくきちんと幸せの一つであると考えられるわけですね。

快楽的は幸せは良いのか?悪いのか?

それでは全てを総合して考えたときに、快楽的な幸せは人生の幸福感を上げてくれるのかどうかが疑問であり、それがこの研究の本題でもあります。

そして、研究の結果として分かったことは

  • 総合的に見て快楽的な幸せも人生の幸福感を上げてくれる!
  • ただしものによっては快楽は不足しすぎたり過剰になると幸福感を下げてしまうものもあった

ということです。

なので、快楽的な幸せもそこまで悪いものではなく、適度な快楽を得ることは人生をより幸福にしてくれるということですね。

先ほどの快楽の良い面と悪い面を見ても、快楽の効果は状況や量によって変わることが推測できるのでは無いでしょうか。例えば

  • ネガティブな感情をリフレッシュするのに快楽的幸せを使う
  • 中毒にならないように適切な量を守る
  • 自己中心的にならないように他人と快楽を分かち合う

といったような感じ。快楽は用法と用量を守って使いましょうということですね。

まとめ

本稿では「快楽は人を幸せにしてくれるのか」についてお話ししました

ポイントをまとめると

  • 快楽も人生の幸福感を上げてくれる
  • ただし、過剰に快楽を求めすぎたり、あるいは不足しすぎると幸福感は低下してしまう
  • 快楽を悪者扱いせずに適度に求めることも大切!

ということですね。

もちろんユーダイモニックな幸せも人生の幸福感にはとても大切なものです。なので、ユーダイモニックな幸せを追い求めつつも、あまりストイックになりすぎずに、ときには快楽のポジティブ感情も取り入れてあげればいいのだと思います。


[参考文献]

*1: HEDONISM AND HAPPINESS



Naoto

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする