勉強は色んな種類の問題をミックスした方が定着しやすいという研究結果

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学校の授業を思い出してみると、毎回授業で新しいことを学んだ後には、練習問題をたくさん解いた経験があるのではないでしょうか。自分で頭を抱えて問題を解けば、それだけ理解は深まるので、練習問題は大切なものです。

しかし、ここで問題なのは練習問題の出し方で、大体はその日に学んだ内容の問題が出題されると思います。例えば、数学で連立方程式を学んだら、ひたすら連立方程式の問題を解くという感じですね。学校の教科書もそのような作りになっていることが多く、連立方程式のページには連立方程式の練習問題がずらっと並んでいます。

これに対して「色々な種類の問題をミックスして出した方が効果的なのでは?」という考え方があって、実際にこの手法を試した実験ではテストの点数が大きく向上しているみたいなんですね。

そこで本稿では、勉強をするときは一つの内容をとことんやった方がいいのか、それとも様々な内容を分散してやった方がいいのかについてお話ししていきたいと思います。

勉強を分散することのメリットとは?

色々な問題をミックスした課題を出すというのがどのようなことかというと、下の表のようなイメージになります。

この表は1週目〜10週目まで、毎週10問の課題を出すことを想定しています。

左の表はまとめて出すタイプで、1週目に新しいこと(●)を学んだら、その内容をその週のうちに10問ひたすら勉強します。そして2週目以降は、1週目の内容の問題は解かずに他の内容の問題を解きます。

右の表は様々な問題をミックスして解くタイプで、各週で新しく学んだこと4問と、それまでに学んだことの復習6問を解くような形式です。なので1 周目に学んだこと(●)はその後の週にも分散して練習問題に現れます。

どんなメリットがあるのか?

様々な問題をミックスすることには主に2つのメリットがあります。

一つ目は分散して繰り返して学習することで、記憶に定着しやすくなります。脳に記憶を定着させるためには、情報をインプットするだけでなく、その記憶を思い出そうとすることが大切なので、分散すると記憶に残りやすくなります。

2つ目は様々な問題がミックスされることで、より実戦形式の練習ができます。1週でまとめて解く場合には、全ての問題が同じ内容だとわかっているので、解き方も同じものを繰り返せばいいだけになってしまいます。一方で様々な種類の問題がミックスされていると、問題の内容をしっかりとみて、その問題に合った解き方を選ばなければいけなくなります。これにより、問題に合った解き方を選び出す実力もつけることができます。

効果の程はどれくらいか?

それで、まとめて学習とミックスして学習の効果の違いを実験してくれた研究(*1)があるので、その結果を見てみましょう。

この研究の特徴としては

  • 126人の中学生を対象に数学の問題(グラフのプロットと傾きの算出)で実験している
  • 3ヶ月の間に練習問題を10回実施して、その後に1回総復習をして、その1日後または30日後に実力テストをしている
  • 実験室での実験でなく、実際に数学の授業に取り入れて実験している。

といったところです。

実験結果

そして、結果として得られたのが次のグラフです。

青色のグラフがミックスして学習した場合、黄土色のグラフがまとめて学習した場合となっています。グラフから見て取れるように、1日後の実力テストでも、30日後の実力テストでも、ミックスして学習した場合の方がテストの点数が良いという結果となっています。

そして、効果量も算出してくれていて

  • 1日後の実力テストの効果量はd=0.42
  • 30日後の実力テストの効果量はd=0.79

ということ。

練習問題に復習をミックスするだけでこれだけの効果が得られるのであれば、効果は十分と言えるのではないでしょうか。

まとめ

本稿では「練習問題をミックスすることの学習効果」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 勉強するときは色々な種類の問題をミックスした方が良い!
  • なぜなら、繰り返して勉強することで記憶に定着しやすくなり、さらにミックスされることで解き方を自分で選び出す実力もつくから!

ということです。

もちろん、まとめて学習が全くダメということではなく、初めて学んだときには、理解するまでにある程度の問題数が必要になることもあると思います。なので、まとめ具合をあまり大きくしすぎない方が良いという点と、その後に他の問題とミックスして復習するのが大切という点を意識すればOKだと思います。

ちなみに面白いことに、野球の練習で、ストレート、カーブ、チェンジアップの3種類の打撃練習を、別々にまとめて行うのでなく、ミックスして実施した方が効果が高かったという研究結果もあるということ。勉強以外にもスポーツなどでも使えるのかもしれませんね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1: Interleaved Practice Improves Mathematics Learning

Naoto

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