リモートな情報共有はチームのパフォーマンスにどう影響するのか?

情報共有は仕事のパフォーマンスを高める大切な要素の一つです。

上手く情報が共有されているチームでは、

  • 仕事がスムーズに進むようになる
  • 情報が増えて判断が上手くなる
  • アイデアが多く生まれる

など良い効果が期待できるわけですね。

しかし、情報共有にも様々な種類の方法があります。顔を合わせての会話や、打ち合わせ、テレビ会議、電話、メール、チャットなど最近では本当に多くのツールが増えていますよね。特にリモートワークが急増していることもあり、直接顔を合わせる機会も減っていることに不安を覚える人も多いと思います。

そこで本稿では、ノース・カロライナ大学らの研究を参考に

  • チームの情報共有をバーチャルで行うのか、直接会って行うのかでどのような違いが出るのか?

についてお話ししていきたいと思います。

情報共有の種類

まず最初に、バーチャルな情報共有のイメージを掴んでいただくために、バーチャル度で情報共有の方法を分類してみました。

バーチャル度:ゼロ

まずバーチャル度が全く無いのは、直接会って話をする形式の情報共有です。

バーチャル度ゼロの情報共有の例
直接の会話、会議室に集まっての打ち合わせなど

バーチャル度ゼロの情報共有のメリットとしては、相手の表情が見えたりと言葉以上の情報をやりとりできる点です。一方でデメリットとしては、時間を合わせて同じ場所に集まらなければいけないので、気軽に情報共有ができなかったり、移動時間や拘束時間などのコストが高くなってしまう点ですね。

バーチャル度:低め

続いて、バーチャル度が低めの情報共有は、場所は離れていても大丈夫だけど、時間は同期していないとダメなタイプの方法です。

バーチャル度低めの情報共有の例
電話、テレビ会議、Skype、チャットなど

この方法の良いところは、相手と同じ場所にいなくてもリモートでリアルタイムに会話ができるとこで、直接会う必要がないので情報共有がしやすくなります。一方でデメリットとしては、時間は同期していなければいけないので、時間的なコストは高くなってしまうことですね。

バーチャル度:高め

最後にバーチャル度が高めの情報共有は、場所も時間も非同期でOKなタイプの方法です。送る側は好きなときに送って、受け取る側も自分のタイミングで返せばOKというものですね。

バーチャル度高めの情報共有の例
メール、Slack、ブログ、ドキュメント管理など

この方法のメリットはなんと言っても時間が非同期な点で、

  • 送る側も受け取る側も都合の良い時間に対応すれば良いので無駄がない
  • すぐに回答しなくて良いので、時間をかけて質の良い回答ができる
  • メールの履歴やドキュメントファイルがあれば、同じ情報を誰でも何回でも見れる

といった利点があります。

一方でデメリットももちろんあって

  • 顔や声の付加情報が無い
  • 情報の往復に時間がかかる

といった点には注意が必要です。

バーチャル度とチームのパフォーマンス

それでノース・カロライナ大学の研究は、情報共有のバーチャル度や情報の内容がどのようにチームのパフォーマンスに影響するのかを調べてくれています。この研究は94件の研究をメタ分析でまとめてくれていて、データの総数は5,596チームの19,702人にもなるということです。

それでは早速結果を見ていきましょう。

結果1:情報共有の内容

最初にチームの情報共有のバーチャル度に応じて、やりとりしている情報の内容にどのような違いがあるのかを調べてくれて

  • バーチャル度が低くて直接会うことが多いチームでは、ユニークな情報共有(他の人が知らない有益な情報の共有)が少なく、オープンな情報共有(どんな情報もオープンに話す)が多い傾向があった。
  • バーチャル度が高くて直接会うことの少ないチームは、逆にオープンな情報共有が少なくて、ユニークな情報共有が多かった

ということ。

つまり、バーチャル度が高くなるほど、必要な情報に絞って情報共有をするようになって、直接あったときのようなオープンな情報共有は少なくなるということですね。

結果2:情報共有とチームのパフォーマンス

続いて、バーチャル度に応じてチームの情報共有がパフォーマンスとどのように関係しているのかを分析してくれていて、

  • バーチャル度の低いチームでは、ユニークな情報共有が多いほど、チームのパフォーマンスが高かった
  • バーチャル度の高いチームでは、オープンな情報共有が多いほど、チームのパフォーマンスが高かった

というとなんですね。面白いことに、バーチャル度が低いチームはもともとオープンな情報共有が多いので、ユニークな情報共有を増やした方がパフォーマンスは向上するという結果になっています。バーチャル度の高いチームでは真逆になっていて、どちらも苦手としている情報共有を増やした方が良いということですね。

ちなみに、トータルの情報共有の量を分析した結果でも

  • 情報共有のトータルの量が最も高かったのは、バーチャル度が低い情報共有とバーチャル度が高い情報共有を、両方ハイブリッドに使っているチームだった。

ということが分かっています。

つまり、この研究からわかった最も大切な点は、オープンな情報共有とユニークな情報共有のバランスよく行うことが高いパフォーマンスにつながるということですね。

まとめ

本稿では「バーチャルな情報共有とチームのパフォーマンス」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • バーチャルな情報共有が多いチームは、必要な情報に絞って情報共有する傾向があるので、オープンな情報共有を増やした方がパフォーマンスが向上する
  • 直接会う情報共有が多いチームでは、オープンな情報共有が多い傾向があるので、ユニークな情報共有を増やした方がパフォーマンスが向上する
  • つまり、仕事に有益な情報共有と、オープンなコミュニケーションをバランスよく行うのが良い

ということですね

最近増えているリモートワークで言えば、業務上の情報共有だけでなく、雑談などのオープンなコミュニケーションを推進することも、チームのパフォーマンスを向上させるためには大切ということですね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : A meta-analytic investigation of virtuality and information sharing in teams

Naoto

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