睡眠不足な人は、どれだけ給料が低くなってしまっているのか?の統計

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十分な睡眠は集中したり、注意力を働かせたりするのに必要なもので、

  • 疲れがたまった医者ほどミスが多い
  • 疲れがたまった学生はテストの点数が悪い
  • 睡眠不足は死亡率を上げてしまう

と睡眠不足には悪い効果が満載なことが研究により分かっています。

そこで本稿では、「睡眠不足と仕事の生産性」に注目して、

  • 睡眠不足はどれだけ給料を低下させているのか?

について詳しく分析してくれた論文を見ていきたいと思います。

睡眠不足と給料

実は睡眠不足と給料の関係を調べるのは結構困難で、

  • 給料が高いから寝るのを惜しんで働いてしまうという関係もあり得る
  • 十分な睡眠と給料の関係の間に、性格の問題だったり、自己コントール能力などの、他の変数が絡んでいる可能性がある

というせいで、単純に相関関係だけでは睡眠と給料の本当の関係はわかりません。

そこで、先の論文(*1)では面白いことに同じタイムゾーンでの地理的な位置の違いを活用して分析の精度を上げています。同じタイムゾーンの地域では同じ標準時間が使われます。しかし、同じタイムゾーンでもその中では東西で地理的に距離があるため、日の出や日の入りにも当然地域差が出るわけですね。

もう少しわかりやすく日本で置き換えて言えば、東に位置する東京と、西に位置する福岡では、日の出・日の入りの時間に30分以上の差があります。なので、30分も日が暮れるのが早ければ当然体内時計のリズムも変わるので、両地域で睡眠時間や睡眠パターンに差が出ることが予測できます。また、両地域で9時出社の会社があったとしても、日が昇るのが30分遅い福岡では、体感としては朝8時半に出社しているのと同じようなものです。

このように、タイムゾーン内での日の出入りの差を活用することで、睡眠時間の差が給料にどれだけ影響するのかを、精度を上げて測定したわけですね。

結果:睡眠が長いと給料も良いのか?

まず、この研究でわかった結論としては

  • 睡眠時間が長い人ほど給料が高い傾向があり、十分な睡眠時間は生産性の向上につながることが確認できた
  • 夜の睡眠時間が1時間が増えることは、平均で給料を16%向上させるほどの影響力が確認された

ということ。

平均で給料を16%向上は具体的に金額で言うと、この論文のデータでは年間で約60万円の給料が上がる計算ということ。働く時間が増えなくでも睡眠時間を十分にとって生産性を上げることでこれだけの効果が統計的には得られているんですね。

睡眠不足で集中力が低下したり、頭の回転が鈍くなる経験は多くの人がしたことがあると思いますが、それらの生産性の低下は年間にすると60万円以上の給料の低下になってしまうということですね。

結果2:睡眠時間に上限はあるのか?

次にこの研究では睡眠時間が長いほど給料は上がるけど、どこがで上限があるのでは?ということを調べてくれています。その結果は

  • 睡眠時間が9時間を超えると、逆に給料は低下し始めてしまった

ということ。

グラフとしては上のように逆U字型になっていて、9時間を超えると給料は低下してしまっていることがわかります。また、9時間に近づくほど傾きも落ち着いていくので、睡眠時間が短い人ほど追加の睡眠の効果は大きいということもわかりますね。

ちなみに体の健康の観点で言えば、睡眠時間は7〜8時間が良いと言われています。それと比べると生産性の向上は9時間まで大丈夫ということで、1時間だけ長いようですね。まあ、どちらかと言えば睡眠不足に悩まされる人が多いと思うので、9時間以上寝ている人は少数派かもしれませんね。

まとめると、寝過ぎても寝る間を惜しんで頑張りすぎても生産性は下がってしまうので、7〜9時間くらいの睡眠時間はしっかりと確保しようということですね。

まとめ

本稿では「睡眠不足がどれだけ給料に影響するのか」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 睡眠不足が十分に取れている人ほど、給料も高い傾向がある
  • 夜の睡眠が1時間増えると、給料が16%高まるほどの影響度
  • ただし、9時間を超えると給料は逆に低下していくので、寝すぎには注意

ということですね。

健康面でも仕事面でも睡眠は大切ということ。私も睡眠時間が6時間を下回ると次の日に疲れが残って頭がぼーっとしてしまいます。そうなると1日がぐだぐだになってもったいないので、仕事・趣味・睡眠とメリハリのある一日にしていきたいですね。


[参考文献]

*1 : Time Use and Productivity: The Wage Returns to Sleep

Naoto

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