マインドフルネスでモチベーションは向上するのか?のメタ分析

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マインドフルネスとは、客観的でオープンな思考になって「今ここ」に意識を向けることで、自己コントロールが上手くなったり、幸福感が向上したりと様々な良い効果があることが知られています。

そして、今回注目するのはシドニー大学らの研究(*1)で、この研究では

  • マインドフルネスはモチベーションを上げるのにも効果があるのでは?

ということをメタ分析で詳しく調べてくれています。本稿ではこの研究を参考に、マインドフルネスとモチベーションの関係について理解を深めていきましょう。

モチベーションの質

この研究では、モチベーションを単純の量の問題で考えずに、そのモチベーションがどのような心理から来るものなのかに基づくモチベーションの質についても考慮しています。モチベーションの質は自己決定理論により、そのモチベーションが内発的なものか外発的なものかの度合いで5段階に分類されています。

①内発的モチベーション
その活動が好きで楽しいからやるという自分の内面から生まれるモチベーション。音楽や芸術、スポーツなど、自分が好きで楽しんでいる活動は内発的モチベーションが元になっています。これはモチベーションの種類としては最も望ましいモチベーションになります。

②共感的モチベーション
その活動が好きとか楽しいという気持ちは薄れるが、その活動は自分にとって価値のあることだと認識しているから生まれるモチベーション。例えば、スリムな体型でいることが自分にとって大切だから、辛い運動でも続けられるみたいな感じで、自分のアイデンティティとも結びついたモチベーションになります。

③統合的モチベーション
自尊心を守るためや罪悪感を感じたからなど、自分の内面でそれをやらないといけないというプレッシャーを感じることからくるモチベーション。活動が好きという内発的な気持ちは薄く、外発的な強制力が強くなっているモチベーションになります。

④外発的モチベーション
報酬や他人の評価などの外発的な利益を求めたり、あるいは上司から監視されているなどの外発的な強制力からくるモチベーション。好きでない仕事だけど給料のためにやるみたいな感じで、内発的にその活動が好きという気持ちはなくなってしまっているモチベーションです。

⑤無気力的モチベーション
内発的なモチベーションも外発的なモチベーションもなくて、その活動をやる気が起きないという無気力状態のこと。

とこんな感じで、上の方のモチベーションほど内発的な気持ちが強くて質の良いモチベーションで、下に行くほど外発的な気持ちの割合が強くなってモチベーションの質は低下しています。

マインドフルネスとモチベーションの質

それでマインドフルネスには

  • 今ここに集中することで、その活動への集中力や楽しさを向上させてくれるので、活動に対する内発的な好きで楽しいという気持ちを高めてくれる
  • 客観的に自分を見つめ直して、良い悪いを判断することなくオープンに受け入れる姿勢が、周りの目を気にするような外発的な気持ちを抑えてくれる

という効果が期待できるので、その結果として

  • マインドフルネスは内発的モチベーションを高めて、外発的モチベーションを抑えてくれる

と予測できます。

そしてシドニー大学らの研究が、このマインドフルネスとモチベーションの関係について、過去の研究89件(総計25,176人)のデータをメタ分析でまとめてくれていましたので、その結果を見ていきましょう。

結果:マインドフルネスとモチベーション

結果としては、マインドフルネスが高い人ほど、

  • 内発的モチベーションが高い (r=.37)
  • 共感的モチベーションが高い (r=.26)
  • 統合的モチベーションが低い (r=−.23)
  • 外発的モチベーションが低い (r=−.19)
  • 無気力的モチベーションが低い (r=−.23)

ということで、マインドフルネスは内発的モチベーションを高めてくれて、外発的モチベーションを低くしてくれることが確認されています。

特に内発的モチベーションと共感的モチベーションの質の良い2つのモチベーションを合わせた効果を見てみると

  • マインドフルネスで内発的なモチベーションが高まる効果量はd=.54

ということ。効果量の数値としてはそこそこ効果があるというもので、これはなかなか良い結果だと思います。

補足:マインドフルネスの種類の違い

マインドフルネスは割と広い意味を持っているので、この研究では

  • 「今ここ」に集中することが良いのか?
  • 客観的でオープンに自分を見つめ直す「メタ認知」が良いのか?

のマインドフルネスの2つのタイプを比較してくれています。

その結果としては

  • どちらのタイプのマインドフルネスも内発的モチベーションの向上に有効だった

ということ。それぞれが異なる役割を持っていることも考えられますので、これからマインドフルネスを実践する人は、「今ここへの集中」と「メタ認知」の両方を意識してみると良いでしょう。

まとめ

本稿では「マインドフルネスはモチベーションを高めるのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • マインドフルネスは内発的モチベーションを高めて、外発的モチベーションを抑えてくれる
  • マインドフルネスでは「今ここ」に集中することと、オープンで客観的になる「メタ認知」の2つのポイントが大切

ということですね。

マインドフルネス瞑想はいつでもどこでもマインドフルネスを高められる手軽な手法なので、是非とも習慣にしたいですね。今回の研究からするとモチベーションが上がらないときに瞑想してみるのも効果があるかもしれません。


[参考文献]

*1 : Mindfulness and Its Association With Varied Types of Motivation: A Systematic Review and Meta-Analysis Using Self-Determination Theory

Naoto

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