アジャイルの8つの生産性向上テクニックがオンラインのプロジェクト学習にも使えるのでは?という研究

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アジャイルとはソフトウェアの開発手法の一つで、細かい変化にも柔軟かつ迅速に対応することができる手法です。アジャイル開発では、ソフトウェア全体を細かい機能毎に分割して、それらの機能を2週間などの短い期間で随時アップデートしていくため、

  • タスクの管理がしやすい
  • 計画の変更に強い
  • 早い段階からフィードバックをもらうことができる

といったメリットを享受することができるんですね。

そして、アジャイル開発では、柔軟で迅速な開発を実現するために、様々なテクニックが使われているのですが、マイアミ大学の研究では、

  • アジャイルのテクニックはソフトウェアの開発だけでなく、オンラインのグループプロジェクト学習でも使えるのでは?

ということを調べています。

最近ではコロナの影響により、オンライン学習が使われる機会も増えていますが、それによりチームで何かに取り組んで学ぶ機会は減ってしまっているかもしれません。アジャイルを活用すれば、オンラインでもチームの一体感を向上し、グループプロジェクト学習の質を高めることが期待できるわけですね。

アジャイルの8つのテクニック

アジャイル開発では、チームで協力して様々なタスクを短期間でこなすために、8つのテクニックが使われています。

  • ①チーム設立
    チームの設立時には、チームの一体感を高めるために、自分たちがどんなチームであるのかをメンバーで話し合います。チームの達成基準は何か?、どんなやり方をするか?、どんなチームだと楽しいか?、チーム名は何にしようか?など、最初の話し合いでチームのアイデンティティを決めます。
  • ②朝の15分ミーティング
    毎朝15分のミーティングをします。このミーティングでは、各メンバーが①昨日何をやったか、②今日何をするか、③今何に困っているかを順番に話していきます。チームで進捗が共有でき、困っているメンバーはフォローを得ることができます。
  • ③看板
    チームの仕事の状況が一目でわかる看板を立てます。誰か遅れている人がいないかとか、仕事の期日に間に合いそうかなどが看板を見ればわかります。この看板には次のテクニックのストーリーカードも張り出します。
  • ④ストーリーカード
    各タスクについて具体的に何を達成しなければいけないのかをカードに書き出します。1つのカードには1つのタスクを書いて、自分の抱えている仕事として看板に張り出します。いわゆるTodoリストのような感じですね。
  • ⑤MoSCow
    タスクの優先順位として、下記の分類をストーリーカードに書き出します。
    M → Must have (やらなければいけない)
    S → Should Have(やるべき)
    C → Could Have(できればやる)
    W → Won’t Have(やらない)
  • ⑥時間のボックス化
    時間を短い単位に区切って、その中でやるべきタスクを決めます。例えば、2週間後のアップデートまでにどのタスクをやるのかを決めたり、今日はどのタスクをやるのかを決めたりとか。各ストーリーカードには、そのタスクにかかる想定時間を書き出して、一つのタスクも一つの時間のボックスとして使います。
  • ⑦ショーケース
    2週間に1回くらいの頻度で、仕事の成果をクライアントに共有します。ショーケースの目的の一つはクライアントからフィードバックをもらうことです。これにより細かく方向性を修正することができます。
  • ⑧振り返り
    こちらも2週間おきくらいの頻度で、チームで振り返りを行います。内容としては①うまくできたこと、②うまくいかなかったこと、③改善できたことを話し合います。次の2週間ではこれらのフィードバックを反映させていきます。

オンラインのプロジェクト学習への活用

マイアミ大学の研究では、コンピュータテクノロジーのコースを受講する学生を対象に実験を行っています。このコースは100%オンラインで行うもので、その中にはチームで行うプロジェクト形式の課題が含まれます。この実験ではプロジェクト演習にアジャイルの8つのテクニックを組み込んで実践してみたんですね。

実践の結果、アジャイルを実践した生徒の意見として得られたのは

  • 学習の効率、時間効率、チームワーク、プロジェクトの質において、アジャイルが役に立ったと感じている生徒が多かった(5点満点中どの項目も4点以上を獲得)
  • 最も満足感の高かったテクニックはMoSCowによる優先順位づけだった
  • 満足感が低かったテクニックは、朝の15分ミーティングとショーケースだった

ということ。

今回の研究では客観的なデータを取っているわけではありませんが、参加している生徒の実感として、アジャイルのテクニックはオンラインのグループ学習の質を向上してくれるようです。しかし、15分ミーティングやショーケースについては、直接会うことができないオンライン学習では思うように効果が出ない可能性もあるかもしれません。

まとめ

本稿では「アジャイル開発の8つのテクニック」についてお話ししました。

8つのテクニックをまとめると

  • ①チーム設立
  • ②朝の15分ミーティング
  • ③看板
  • ④ストーリーカード
  • ⑤MoSCow
  • ⑥時間のボックス化
  • ⑦ショーケース
  • ⑧振り返り

となっています。

変化が激しく、細かい方向修正や情報共有が必要なプロジェクトでは、アジャイルの手法が特に役に立つと思うので、リモートワークでも使えるものがあれば使ってみてください

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Using Eight Agile Practices in an Online Course to Improve Student Learning and Team Project Quality

Naoto

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