自己批判の研究2本「自分の体を嫌いになるとドカ食いが増えてしまう」「バーチャルリアリティで自己批判を減らせる」

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本稿のテーマは「自己批判」についてです。自分に批判的になってしまうと、ミスや周りの評価が怖くなって行動が消極的になってしまったり、気分を紛らわせるために現実逃避の行動に走りやすくなってしまったりしますよね。

そこで本稿では、

  • 自分の体が嫌いになる程、ドカ食いも増えてしまう
  • 自己批判を減らすのにバーチャル・リアリティが使える

という2つの研究を見てみましょう。

自分の体のイメージとドカ食い

コインブラ大学の研究(*1)は、自分の体型に恥を感じていたり、自分の体に悪いイメージを持ってしまうことで、ドカ食いが増えてしまうのでは無いかということを調べています。ドカ食いをするから太ることもあり得ますが、太って体に自信がなくなるから、そのストレスでドカ食いに走ってしまうという両方の方向が考えられるわけですね。

この研究では329人の女性を対象にデータを取得しています。その結果を見てみると

  • 自分の体のイメージが悪いほど、ドカ食いが多かった(r=.54)
  • 自分の体のイメージが悪いほど、自分が嫌いで自己批判が強かった(r=.40)
  • 自分の体のイメージが悪いほど、気分が落ち込みやすかった(r=.46)

ということ。

やはり、自分の体に悪いイメージを持つとドカ食いが多くなってしまう傾向が確認されています。ドカ食いすると太って、太るとさらにドカ食いをしやすくなるという負のループがあり得るわけですね。なかなかダイエットが成功しない理由の一つには、自分の体へのコンプレックスがストレスとなって、食べ物への誘惑に負けやすくなってしまう事もあるのでしょう。

バーチャル・リアリティで自己批判が減る

続いてはロンドン大学の研究(*2)で、この研究では

  • 自己批判を減らすのにはバーチャル・リアリティの仮想体験でも役に立つのでは?

ということを調べています。

実はこれまでの研究でも、手の模型や3DCGなどの自分の体でないものを、あたかも自分の体のように思う実験は行われています。それらの研究では、心の底では自分の体でないと理解していても、脳はまるで自分の体のように錯覚することがあることが確認されているんですね。

そこで、この研究では、

  • バーチャルリアリティの世界で泣きじゃくる子供になって、大人に親切にされることで、自分にも優しくなって自己批判が減るのでは?

ということを実験しています。

自分が泣きじゃくる子供になるわけですが、心の中には泣きじゃくる子供を助けてあげたい自分もいるので、(心の中の)自分が(子供になった)自分に対して優しさを向けるという面白いシチュエーションを作ることができるんですね。実は自分に優しくなる力はセルフコンパッションとも言って、自己批判や劣等感を減らすのに有効であることが分かっています。

結果:

早速結果を見てみると、

  • バーチャル・リアリティで泣きじゃくる子供になった人は、自分への優しさが高まり、自己批判が減って、安心感も向上した
  • 一方で、バーチャル・リアリティで、遠くから泣きじゃくる子供を見ただけの人は、自己批判が減るだけの効果しか得られなかった

ということ。

なので、仮想の体験であっても、自分に優しさを向けることができれば、セルフ・コンパッションを高めて、自己批判を減らすことができるんですね。自分の体が嫌いだとドカ食いが増えてしまうということでしたが、これを防ぐには想像の世界であっても自分への優しさを取り戻すことが大切みたいですね。

まとめ

本稿では「自己批判」について2つの研究を取り上げました。

ポイントをまとめると

  • 自分の体が嫌いになると、ドカ食いが増えてしまう
  • 自己批判を減らすには、バーチャルの体験でもいいので、自分への優しさを取り戻すことが大切

ということ。

セルフ・コンパッションは自己批判だけでなく、ストレスの低減、不安の改善、人生満足感の向上などの様々な効果があることが分かっています。メンタル的に落ち込んでしまったときは、他人に優しくするように、自分に優しさを向けてみると良いでしょう。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]

*1 : Escaping from body image shame and harsh self-criticism: Exploration of underlying mechanisms of binge eating

*2 : Embodying Compassion: A Virtual Reality Paradigm for Overcoming Excessive Self-Criticism

Naoto

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