座りっぱなしの時間を、運動か睡眠に置き換えれば、自己コントロールが上手くなる

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テレビを長時間じっと見たり、打ち合わせで何時間も同じ姿勢でいたりと、座りっぱなしは健康に非常に悪いものです。座りっぱなしは生活習慣病などの様々な病気のリスクをあげてしまうことが分かっているので、たまに立ち上がって歩いたり、ストレッチをしていきたいところ。そもそも座りっぱなしの時間を減らすことができればもっと良いですね。

それで、座りっぱなしの時間を減らすことの効果として、

  • 座りっぱなしでいる時間を運動や睡眠に置き換えれば、自己コントロールや脳の実行機能を向上できるのでは?

ということをイリノイ大学の研究(*1)が調べてくれていました。座りっぱなしを減らすことで、体の健康を高めるだけでなく、脳や自己コントロールも高められるのか?研究の中身を見てみましょう。

座りっぱなしを運動と睡眠に置き換える効果

この研究では247名の高齢者に加速度センサを1週間身につけてもらって、座りっぱなしの時間や運動している時間などの、体の運動レベルをトラッキングしています。

さらに、脳の実行機能や自己コントロールの行動の頻度を見るために、次の3つの測定を行っています。

  1. ワーキングメモリの測定
    スクリーンに短時間だけ映し出される点の位置を記憶するタスクで、応答時間と記憶精度を測定
  2. タスクスイッチの測定
    2種類のタスクを混ぜ合わせて実践してもらい、タスクの応答時間やタスクの切り替えにかかるコストを測定
  3. 自己制御の頻度の測定
    目標設定や時間管理、自己モニタリング、病気の予防などの自己コントロールの行動をどれだけ頻繁に行なっているかを聞き取り

これらの結果から、座りっぱなし時間が多い人と、代わりに運動時間や睡眠時間が多い人で、どのような差が出るんかを分析しています。

結果:脳の実行機能の変化

まず最初に脳の実行機能に関する結果を見てみると、

  • 座りっぱなしの時間30分を、適度な強度の運動時間30分に置き換えることで、ワーキングメモリとタスクスイッチの両方のタスクで応答速度が向上し、ワーキングメモリのタスクの正確さも向上していた。
  • 座りっぱなしの時間30分を、睡眠時間30分に置き換えることで、ワーキングメモリとタスクスイッチの両方のタスクで応答速度が向上し、さらにタスク切り替えもうまくなっていた。

ということ。

ただし2つ注意点があって、運動の強度が軽い場合には効果は得られなかったことと、ワーキングメモリの正確さの向上はタスクのレベルが難しくなると効果も無くなったということ。なので、座りっぱなしの代わりに運動や睡眠を増やすことで、比較的簡単なタスクをパパッとこなす脳の実行機能が高まるようですね。

結果2:自己コントロールの行動変化

次に自己コントロールの行動の頻度の結果を見てみると、

  • 座りっぱなしの時間を適度な強度の運動に変えることで、総合的な自己コントロールの行動が増えていた
  • 座りっぱなしの時間を睡眠に変えることで、セルフモニタリング、目標設定、ソーシャルサポートの行動が増えていた

ということ。

ここでも注意点があって、軽い強度の運動では効果は得られなかったという結果になっています。なので、座りっぱなしの代わりに、睡眠をとって頭を休めるか、適度な強度の運動をして頭をブーストすることで、自分をうまく制御しやすくなるということですね。

まとめ

本稿では「座りっぱなしを運動や睡眠に変えると、自己コントロールが上手くなる」という話をしました。

ポイントをまとめると、

  • 座りっぱなしは体に悪いので、健康のためにも座りっぱなしの解消は大切
  • 座りっぱなしの時間を運動か睡眠に変えることで、脳の実行機能が向上や、自己コントロールの向上といった効果も得られる
  • 運動は軽い強度では効果はなく、ほどほどの強度があった方が良い

ということ。

今回の研究では、軽い強度の運動に脳の実行機能への効果が見られませんでしたが、軽い強度であっても健康に良い効果があることは他の研究でわかっていますので、全く無駄であるわけではありません。時々立ち上がってスクワットをしたり、だらだらとスマホを見るのをやめて仮眠でしっかりと頭を休めたりしてみると良いでしょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Replacing sedentary time with sleep, light, or moderate-to- vigorous physical activity: Effects on self-regulation and executive functioning

Naoto

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