助け合うチームでは、定期的に仕事を進め方を見直すことが大切という研究

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仕事でチームメイトを助けてあげることは、プロジェクトを円滑に進める上で大切なことです。しかし、時間やモチベーションは無限にあるわけではないので、他人のために時間を使うと、自分の仕事を進めるリソースが減ってしまうトレードオフがあります。そのため、他人をよく助ける人にはデメリットがあって

  • 自分の仕事のパフォーマンスが低下してしまう
  • 仕事の負荷やストレスが増えてしまう
  • 自分の仕事が終わらなくなると、仕事と家庭の摩擦が増えてしまう

といったことが確認されています。

そこで本稿では、

  • 他人を助けることで個人のパフォーマンスが下がらないようにするには、チーム全体での定期的な見直しが大切なのでは?

ということを調べてくれたダブリン大学らの研究(*1)を見てみましょう。

チームの助け合いと個人のパフォーマンス

ダブリン大学の研究では、60組のプロジェクトチームにわたる計223人(リーダー59人、チームメンバー174人)が対象になっています。これらのチームの中で

  • 仕事の個人パフォーマンス
  • 仕事でチームメイトを助ける頻度や時間
  • 定期的なチーム全体の仕事の見直し

を測定されていて、どんなチームなら助け合っても個人のパフォーマンスが低下しないのか?が分析されています。

チーム全体の仕事の見直しとは

この研究で注目するポイントは定期的なチーム全体の仕事の見直しで、これがどんなものかというと、

  • チーム全体のタスクの割り振りを見直す
  • チームでのコミュニケーションの取り方を見直す
  • チーム全体の仕事の進め方を見直す

と言った感じ。要はチーム全体のパフォーマンスを上げるにはどうすればいいのか?を定期的に話し合うわけですね。

このチーム全体の仕事の見直しには、他人を助けることによる個人のパフォーマンスの低下を防ぐ効果があると想定されます。それがなぜかというと、

  • 仕事で困っている人をその都度個々に助けていると、フォローの仕方が局所的になってしまうことがある。チーム全体の仕事の見直しを行えば、チーム全体で最適なフォローができる
  • チーム全体で見直しを行えば、誰がどれだけ他のメンバーを助けているのかが見えるようになる。そうすると、個人の業務負荷を軽減するなどの調整ができ、業務負荷の過多によるパフォーマンス低下を防げる。

と考えられるからです。

結果

それでは、実験の結果を見てみると、他人を助ける頻度と個人のパフォーマンスとして次のグラフが得られています。

このグラフから分かることは

  • チーム全体の仕事の見直しをあまり行わないチームでは、他人をよく助ける人ほど個人のパフォーマンスは低下してしまっている
    (グラフの実線が右肩下がりの直線になっている)
  • チーム全体の仕事の見直しをよく行うチームでは、他人をよく助ける人は、逆に個人のパフォーマンスも向上していた
    (グラフの点線が右肩上がりの直線になっている)

ということ。

面白いことにチーム全体の仕事の見直しをするかどうかで、他人を助けることの個人のパフォーマンスへの影響が真逆になっているんですね。他人をよく助ける優しい人は、どんどん他人のヘルプを引き受けてしまって、それがパフォーマンスの低下につながってしまうのかもしれません。これを防ぐためにもチーム全体でヘルプの方法や業務負荷の調整することが大切ということですね。

まとめ

本稿では「他人を助けることで個人のパフォーマンスを落とさないためには?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • チーム全体でどうすればもっとパフォーマンスを向上できるかを話し合うようにすれば、他人を助けることによる個人のパフォーマンス低下を防ぐことができる

ということ。

助け合うチームを作るには、チーム全体で仕事の進め方や、コミュニケーションの取り方を定期的に話し合うようにしていきましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Resolving the individual helping and objective job performance dilemma: The moderating effect of team reflexivity

Naoto

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