筋トレは限界まで追い込むと回復も遅くなるという研究

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筋トレでは限界まで追い込むことほど筋肉も大きくなりやすいと言われています。筋トレの初心者ではそこまで追い込まなくても十分効果は得られますが、筋トレの上級者はもう上がらなくなるまで追い込むことが実際に筋肥大効果を向上するという研究結果もあるんですね。

しかし、筋肥大にとって最も大切なのは筋トレのボリュームであることも分かっています。そのため、1回のトレーニングで限界まで追い込むというよりも、週全体のトレーニングボリュームをどれだけ向上できるかが鍵なんですね。

そこで本稿では、

  • 限界まで追い込むトレーニングは筋肉の回復や睡眠にどう影響するのか?

を調べてくれた研究を見ていきましょう。

研究1:限界まで追い込んだ筋トレ後の睡眠と筋力低下

最初の研究(*1)では、15名の筋トレの上級者を集めて1週間の期間を空けて次の二つのトレーニング方法を両方行っています。

  • もう一回も上がらなくなるまで追い込むトレーニング
  • 限界まで追い込まないトレーニング

そして、トレーニング後の回復度を調べるために、トレーニングから24時間後に

  • トレーニングした日の睡眠の質がどうだったか?
    (寝付くまでの時間やトータルの睡眠時間、夜中に目覚めた時間など)
  • 24時間後に持ち上げられる最大重量がどれだけ低下しているか?

を測定しています。

結果:限界まで追い込むと回復も遅くなるのか?

早速結果を見てみると、

  • 限界まで追い込んだトレーニングの方が翌日の筋力の低下が、ベンチプレスで7.2%大きく、ハーフスクワットで11.1%を大きかった

ということ。つまり、限界まで追い込んだトレーニングでは、回復に時間がかかって翌日でも筋力がまだ回復しきっていないわけですね。

そして、睡眠の質に関しては

  • 限界まで追い込むトレーニングでも、追い込まないトレーニングでも、睡眠の質の指標はどれも変わらなかった

ということ。なので、限界まで追い込むことで睡眠の質まで低下して回復がさらに遅れてしまう心配はないということです。

研究2:限界まで追い込んだ筋トレの72時間後の回復

続いての研究では10名の筋トレ上級者を集めて

  • 10回×3セットの筋トレ
  • 5回×6セットの筋トレ

を行っています。3セットの方が回数が多いため、毎セット限界近く追い込まれることになります。一方で6セットの筋トレでは、回数を減らして限界まで追い込まずに、セット数を増やすことでトータルのボリュームを一緒にしています。

そしてこの研究では筋トレから48時間後までの回復を

  • ベンチプレスやスクワットの速度
  • ジャンプ力
  • 成長ホルモンやテストステロンといった筋疲労に関連する体内のホルモン状態

などで調べています。

結果:限界まで追い込みは72時間で回復するのか?

早速結果を見てみると、

  • 限界まで追い込んだトレーニング後は、ベンチプレスとスクワットの速度、ジャンプ力がより大きく低下していた
  • 限界まで追い込んだの筋肉の動作の回復は、トレーニング後の24~48時間で有意に遅かった
  • 成長ホルモンやクレアチンなどの筋疲労に関する体内の状況も、限界まで追い込んだ方がトレーニングから24〜48時間で回復が遅かった

ということ。

つまり、限界まで追い込むトレーニングの方が筋肉の回復に時間がかかり、それには48時間以上の時間がかかってしまうわけです。1件目の研究と同じで筋肉を限界まで追い込むと回復に時間がかかってしまうということで、回復時間も加味して週のメニューの組み方を工夫することが必要そうですね。

まとめ

本稿では「限界まで追い込むトレーニングと筋肉の回復」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 限界まで追い込むトレーニングは筋肉の疲労が大きく、回復にかかる時間が長くなってしまう
  • 限界まで追い込むトレーニングでも睡眠の時間や質は低下しないので、その点は大丈夫

ということ。

筋トレで一番大切なのは総合トレーニングボリュームです。なので、限界まで追い込むトレーニングで筋肉がヘトヘトになって、翌日の筋トレのボリュームが減ってしまうと総合的に見て筋トレ効果が落ちてしまうことがあり得ます。筋肉の追い込み具体だったり、筋肉をしっかり回復させるようなトレーニング部位のローテションだったりを気をつけて、疲労でボリュームが損なわれないようにしていきましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Effects of resistance training intensity on sleep quality and strength recovery in trained men: a randomized cross-over study

*2 : Time course of recovery following resistance training leading or not to failure

Naoto

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