仕事に一生懸命な人は、疲れを感じにくいのか?それとも疲れが溜まりやすのか?

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モチベーションが高く仕事に一生懸命な人は疲れやすいのか?これには2通りの考え方があって

  • 一生懸命に働いているのだから、それだけ疲れやすい
  • 仕事のやる気や没頭感が疲れを感じにくくしてくれる

の両方が考えられます。

これは結構大切なポイントで、仕事に一生懸命だった人が燃え尽き症候群になって、急に仕事を辞めてしまうようなことを防ぐことにも役に立つかもしれません。

そこで本稿では、

  • 仕事のエンゲージメントと疲労感は数ヶ月のスパンでどう変化していくのか?

を調べてくれた研究を見てみましょう。

仕事のエンゲージメントと疲労感

この研究では、

  • 大学生297人
  • 心理療法医の研修生282人

の2つのサンプルを対象に、数ヶ月の期間をおいて仕事のエンゲージメントと疲労感の測定を4回行っています。

仕事のエンゲージメントとは、仕事への愛着や思い入れといったようなもので、エンゲージメントが高い人は仕事に一生懸命で活力を感じています。しかし、エンゲージメントは行き過ぎると悪い面もあって、プライベートの時間を犠牲にして仕事シしたり、自分の役割を超えた仕事を抱えてしまったりと、仕事に過大なリソースを注ぎ込んでしまうことがあります。そのため、エンゲージメントが高いことはいいことだけど、それだけ疲れやすくなってしまうことも考えられるわけですね。

結果:エンゲージメントと疲労感

長期間に渡る測定の結果として分かったことは、

  • 最初にエンゲージメントが高かった人は、最初の時点では疲労感は低かった
  • しかし、最初にエンゲージメントが高かった人ほど、時間が経つにつれて疲労感は高まってしまった

ということ。

最初はモチベーションが高く疲労感を感じていなかったとしても、一生懸命に働くほど仕事量は増えてしまうもので、長期的みると疲労は溜まってしまうようです。

結果:エンゲージメントが維持できた場合はどうなのか?

モチベーションは最初は高くても次第に薄れていってしまうことがあると思います。この点についてエンゲージメントの時間変化を見てみると、

  • 最初にエンゲージメントが高い人は、その後もエンゲージメントが向上していく傾向があった
  • 高いエンゲージメントを維持できている限り、疲労感も低減していた

ということが分かっています。

つまり、エンゲージメントが高い人はどんどんと頑張りが増していて、このエンゲージメントを感じられる間は疲労感も感じにくいということ。そうなると問題なのはエンゲージメントが切れてしまった場合で、そのときは蓄積した疲労感を一気に感じてしまうことになるでしょう。燃え尽き症候群で仕事を辞めてしまうのは、まさにこのエンゲージメントの途切れが起きてしまっているのかもしれませんね。

まとめ

本稿では「仕事のエンゲージメントが高い人ほど疲れは感じにくいのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 仕事のエンゲージメントが高い人ほど、時間が経つにつれて疲労感は蓄積してしまう
  • 仕事のエンゲージメントは時間とともに高まる傾向もあるが、このエンゲージメントが途切れたときに、蓄積された疲労をどっと感じてしまう

ということ。

人生をかけて仕事にとことん熱中したい人もいれば、ライフワークバランスでバランスよく働きたい人もいるので、この研究をどう活かすかは自分の気持ち次第でしょう。バランスよく働きたいなら、頑張りすぎて燃え尽きないように負荷を調整した方が良いですし、とことん頑張りたいなら、燃え尽きたらまた別の燃えることを探せばいいくらいの感覚で、今できることに熱中すればいいのではないでしょうか。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Is Work Engagement Exhausting? The Longitudinal Relationship Between Work Engagement and Exhaustion Using Latent Growth Modeling

Naoto

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