筋肉を最大限増やすための筋トレテクニックまとめ

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筋トレでは、重量の設定やセットの組み方に関して、トレーニングテクニックがたくさんあります。例えば、セット毎に重量を徐々に落としていくドロップセットや、拮抗筋の種目を合わせて行うスーパセットなどですね。

本稿ではこうしたトレーニングテクニックの中から、

  • “筋肥大”に本当に有効なテクニックは何か ?

についてまとめてくれた研究を見ていきたいと思います。

筋肥大向け筋トレテクニック

この研究が注目するのは”筋肥大”、つまり筋トレで筋肉を大きくすることを第一の目的としています。筋力(持ち上げられる最大重量)の向上や、筋持久力の向上など、筋トレの目的はいくつかありますが、この研究は筋肥大がトレーニングテクニックが役に立つのかのみの視点で分析しています。

テクニック1:重量設定

高重量で回数が少ないトレーニングと、中重量で回数が多いトレーニングは、どちらも筋肥大はあります。しかし、筋肥大にとって最も大切なのはトレーニングのボリューム。トレーニングのボリュームとは回数と重量を掛け合わせたもので、

  • 80kg x 5回 x 3セット = 1200
  • 60kg x 10回 x 3セット = 1800

という感じになります。

ボリュームが一緒であれば高重量でも中重量でも筋肥大も同じくらい得られます。しかし、高重量の筋トレは筋力の向上によく聞く反面で、どうしても回数が低くなってしまうことと、回復に時間がかかるので頻度を増やしにくいことから、ボリュームを増やしにくいデメリットがあります。

なので、筋トレの重量設定としては

  • 筋力を目的とするなら、高重量で最大筋力を発揮させる
  • 筋肥大を目的とするなら、中重量で回数とセット数を多くこなす

が基本的な重量設定の指針になります。

テクニック2:エキセントリックのテンポダウン

エキセントリックのテンポダウンとは、筋肉をガッと収縮しても重量を持ち上げた後で、戻す動作をテンポを下げてゆっくりじっくりと効かせるテクニックです。戻す動作をゆっくりにすると、筋トレの回数は落ちてしまいますが、筋肉に負荷をかけている時間は増やすことができます。

しかし、このテクニックが本当に効果があるのかは、実験結果からはあまりよくわかっていないということ。メタ分析の結果でも、戻す動作を0.5秒〜8秒で変えてみてもどれも同じくらいの筋肥大だった結論づけられています。

なので、戻す動作にはそこまでこだわらなくても良さそうですが、動作が早すぎてフォームが崩れてしまっては元も子もないので、その点は気をつけましょう。

テクニック3:エキセントリックの高重量トレ

筋肉を収縮させるときよりも、伸長させるとき(エキセントリック)の方が高重量を扱うことができます。例えば、懸垂が自分の体重が上がらない人でも、ジャンプで体をあげて耐えながらゆっくりと戻っていくことができますよね。

このテクニックが筋肥大に効果があったという研究もあるのですが、トレーニングボリュームを同じにすると効果は無くなったという反証もあります

なので、最初は自分の力で懸垂をして、もう上がらなくなってきた時にジャンプで補助して回数を増やすみたいな使い方だと、トレーニングのボリュームを増やせるので筋肥大には効果があるかもしれません。

テクニック4:加圧トレーニング

加圧トレーニングとは、ベルトを巻くなどして体に圧をかけて血流を制限した状態で行うトレーニングになります。血流が制限されると、筋肉に疲労物質などが溜まりやすなるため、最大重量の20〜30%の軽い重量設定でも筋肉を追い込むことができるんですね。

それで、実際に低重量の加圧トレーニングには筋肥大に有効だという研究結果もあり、通常のトレーニングの後に合わせて行うと有益だという研究もあります

このトレーニングの欠点としては、血流が制限できるのはベルトなどが負ける手足に限るということ。胸筋や背筋などの胴体部分では血流を制限できないので、実践できるメニューは限られてしまうわけですね。

テクニック5:クラスターセット

クラスターセットとは、高重量を扱いたいけど、回数も伸ばしたい時に使うテクニックになります。実践方法をしては、少ない回数で、20秒~60秒のこまめに休憩をはさんで、セット数を多くこなすというもの。例えば、1セット2回で20秒の休憩を挟んで5セット行うという感じ。

最初のセットから限界まで追い込んでしまうと、後のセットの回数が伸び悩んで、総ボリュームが低下してしまいます。そのため、最初の方は余裕が残る回数で止めてこまめに休憩を挟むことで、後半まで回数を伸ばして総ボリュームを向上させるということをクラスターセットでは行っているわけですね。

なので、高重量で筋力を伸ばしたいけど、筋肥大効果もある程度欲しいという人に、クラスターセットはおすすめかもしれませんね。

テクニック6:スーパーセット

スーパーセットとは、複数の筋トレ種目を連続して行い、それを1セットとする方法です。例えば、胸を鍛えるベンチプレスと、胸の拮抗筋である背筋を鍛える懸垂を、交互に連続して行うといった感じ。

スーパーセットは種目の組み方次第ではトレーニングボリュームが低下してしまいます。例えば、胸を鍛えるベンチプレスと、同じく胸を鍛えるダンベルフライを交互にやっても、お互いの種目の疲れが影響して回数が減ってしまう。

一方で拮抗筋をうまく使って種目を組めば、トレーニングのボリュームは向上することがわかっています。つまり、お互いに補い合う筋肉をスーパーセットで組めば、効率よく筋肉を鍛えられるわけですね。

テクニック7:ドロップセット、筋繊維刺激トレーニング

ドロップセットは、後半のセット数になるにつれて、徐々に重量を落としていく方法になります。

例えば、

  • 1セット目:60kgで10回
  • 2セット目:55kgで10回
  • 3セット目:50kgで10回

と回数を落とさないように、重量の方を徐々に調整していくわけですね。

また同じように回数を稼ぐテクニックとして、筋繊維刺激トレーニングがあります。こちらの方法では重量は落とさずに、1セットを限界までやった後で、20秒ほど休憩を挟んで、また数回追い込むというもの。

これらの方法は、筋肥大に効果があることが確認されていますが、習慣的に行った場合の効果はよくわかっていません。

まとめ

本稿では筋肥大を最大化させるためのテクニックについてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 中重量の高ボリュームトレーニング、加圧トレーニング、クラスターセット、スーパーセット、ドロップセットなどの筋トレテクニックは筋肥大に効果がある

ということ。

筋トレ効果を高めるには、同じ刺激で筋肉がトレーニングになれるのを防ぐことも重要です。なので、日によってこれらのテクニックを使い分けて、新しい刺激を筋肉に与えるのも良いでしょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Maximizing Muscle Hypertrophy: A Systematic Review of Advanced Resistance Training Techniques and Methods

Naoto

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