楽しむことをモチベーションにする人に、達成を求めても逆効果なのでは?という研究

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モチベーションは活動の原動力。

仕事や勉強、スポーツなどで高いパフォーマンスを発揮するには、強いモチベーションを持つ必要があります。

しかし、モチベーションの形にも人によって違いがあって

  • 楽しむことをモチベーションにする人
  • 達成することをモチベーションにする人

の2種類の人がいます。

この違いは意外と重要で、同じように高いモチベーションを持っていたとしても、達成を優先するか楽しみを優先するかで、活動の取り組み方に大きな違いが出ます。

楽しむことを優先する人は、困難な課題や辛いトレーニングを避けて、楽しめるレベルのことばかりを行ってしまう。一方で、達成を優先する人は、自分の能力を超えた困難な課題に挑戦し、自分の成長や大きな目標の達成のために、今を犠牲にすることができます。そうなると、仕事などで大きな目標を達成するには、楽しむことのモチベーションが邪魔になってしまうことが考えられるんですね。

そこで本稿では、

  • 楽しむことをモチベーションにする人に、達成を強調しても逆効果になってしまうことがあるのでは?

ということを調べてくれた研究を見てみましょう。

達成と楽しみのジレンマ

フロリダ大学の研究では、4つの実験を通じて

  • 楽しむことをモチベーションにする人
  • 達成をモチベーションにする人

の両者に対して、「勝利、達成、努力、到達、競争」といった達成に関する言葉を見せたときに、どのようにモチベーションが変化するのかを調べています。

またこのモチベーションの変化が、達成の行動あるいは、楽しみの行動を増やすのかも調べるために、

  • あまり楽しくない言葉の探索タスクを最後までやり遂げるか、途中で他の楽しいタスクに切り替えるか

という選択も迫っています。

結果1:達成と楽しみは両立しない?

まず最初に、楽しみをモチベーションにする人と、達成をモチベーションにする人の2種類が本当にいるのかをい分析した結果を見ると、

  • 普段から楽しみをモチベーションにする人は、達成よりも楽しむことを優先していた
  • 普段から達成をモチベーションにする人は、楽しむことよりも達成を優先していた
  • この2つのモチベーションは負の相関があって、楽しみが高いと達成が低く、達成が高いと楽しみが低い傾向があった

ということ。

つまり、楽しみも達成も両方高いという人は存在しにくく、楽しみか達成のどちらかを一方しか取れないということですね。

結果2:達成の言葉はモチベーションを高めるのか?

続いて、達成に関する言葉を目にしたときのモチベーションの変化を見てみると、

  • 達成のモチベーションが高い人が達成の言葉を見ると、さらに達成を優先するようになった
  • 楽しみのモチベーションが高い人はが達成の言葉を見ると、さらに楽しみを優先するようになった

ということ。

なんと、楽しみをモチベーションにする人は、努力とか勝利とかの達成の言葉を掲げ見せても、もっと楽しみを優先してしまうという逆効果になっています。なので、仕事でやる気のない人に対して、高い目標を掲げたり、鼓舞する言葉をかけても、逆効果になってしまう可能性があるんですね。

結果3:モチベーションの変化は行動も変えるのか?

次に、達成・楽しみのモチベーションが変化することで、実際に行動まで変えてしまうのかをみてみると

  • 達成のモチベーションが高い人はが達成の言葉を見ると、最後までタスクを達成することを選び、楽しみには逃げなかった
  • 楽しみのモチベーションが高い人が達成の言葉を見ると、タスクをあきらめて、楽しいタスクへ切り替えた

ということ。

実際に楽しみのモチベーションが高い人は、達成を強調されると、逆に楽しい行動へ逃げてしまうということ。モチベーションが楽しみへ傾くだけでなく、実際に行動レベルで楽しみを優先してしまっているわけですね。

結果4:楽しいタスクと達成のタスクの認識

それでは、楽しみのモチベーションが高い人はどうしようもないのか?というと、タスクをどう認識するかが重要な役割を持っていることが分かっていて

  • 楽しむためのタスクだと思っていると、楽しみのモチベーションが高い人のパフォーマンスが向上した
  • 楽しむためのタスクだと思っていると、逆に達成のモチベーションが高い人のパフォーマンスは低下した
  • 達成のためのタスクだと思っていると、達成のモチベーションが高い人のパフォーマンスが向上した
  • 達成のためのタスクだと思っていると、逆に楽しみのモチベーションが高い人のパフォーマンスは向上した

ということ。

つまり、楽しみのモチベーションの人には、タスクを楽しもうという雰囲気を作る方がよく、この場合には達成の言葉もプラスに働いています。逆に達成のモチベーションが高い人には、楽しもうという雰囲気は逆効果で、高い目標に挑戦する雰囲気を作ることが大切です。

まとめ

本稿では「楽しみを優先する人、達成を優先する人」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 普段から達成にモチベーションを感じるタイプの人は、達成の強調すると、達成をより求めるようになりパフォーマンスが向上する
  • 普段から楽しむことにモチベーションを感じるタイプの人は、達成を強調すると、逆に楽しみの優先が強くなってパフォーマンスが低下してしまう
  • ただし、タスク自体が楽しむためのものだという認識があれば、楽しみをモチベーションにするタイプの人もパフォーマンスを向上できる

ということ。

人によって達成と楽しみのどちらを優先するかが違うので、その人のタイプを見てかける言葉や目標設定などを変えてあげた方が良いでしょう。これを間違えると、せっかくモチベーションを高めようと声をかけたのに、逆効果になってしまうことがあるので要注意です。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : The Effects of Chronic Achievement Motivation and Achievement Primes on the Activation of Achievement and Fun Goals

Naoto

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