進捗が幸福を高めてくれるが、そのためには正しいゴールが必要だ!

人はどんなことで幸せを感じるのかを考えてみると、
美味しいものを食べた。
大きな仕事を達成した。
友達と遊んで楽しかった。
などなど
人は様々なことに幸せを感じていますよね。
本稿では、
人は進捗を感じたときに幸せになる!
という面白い研究結果があったので、紹介したいと思います。
進捗と幸せの関係
進捗とはゴールに近づくことです。
ゴールが達成できたときはもちろん幸せですが、
少しづつゴールに近づいている感覚に幸せを感じることも多いと思います。
例えば、
ダイエットでだんだん体重が落ちているとき、
仕事で売り上げが調子よく伸びて、目標を達成できそうなとき、
10個集めたら無料のスタンプが8個までたまったとき
なんてときですね。
進捗に関する研究
この進捗と幸せの関係を調べたのがこちらの研究です。
この研究では90名の学生を対象にしていて、
各学生は自分に関係する5つのプロジェクトを選択しています。
例えば、
お金を貯める、成績で3.5以上をとる、ガールフレンドとの仲を直す
みたいな感じです。
そしてプロジェクトを選んだら、1学期間(4ヶ月間)様子を見て、
プロジェクトがどれだけ進捗したのか?
幸福度は変化したのか?
学生のゴールにどのように関心を持っていたのか?
学生がプロジェクトを進めるのに必要なライフスキルをどれだけ持っていたのか?
を調べたんですね。これらを調べることで
- どんな学生が進捗が良かったのか?
- 進捗は幸福度を上げるのか?
がわかるということです。
研究からわかったこと
研究からわかったことは4つ。
①ゴールを信じるほど進捗が良かった
まず一つ目にわかったのが、
自分はゴールを達成できるという効力感を最初に持っていた人ほど1学期後に進捗が良かったということです。
また、ゴールへのコミットメントの強さと進捗の相関は、
効力感が高い人にのみ見られて、効力が低いと相関は無くなってしまうという結果も得られています。
つまり、ゴールに対して強い責任感を感じている人でも、
自分ならできるという効力感がなかった場合には、あまり進捗していなかったということですね。
②ライフスキルが高い人ほど進捗が良かった
ライフスキルとはコミュニケーションスキルや、集中するスキル、時間を有効に使うスキルなどの一般的なスキルを20個ほど集めたものです。。
さらに、これらの20個のスキルは社交系のスキルと自己コントロールス系のスキルに2つに大きく分類されます。
研究結果によると、
社交系スキルも自己コントロール系スキルも進捗と相関していた!
ということです。
つまり、スキルが高ければ、進捗も良くなるというわけですね。
③進捗が大きいほど幸福度も高かった
この研究では1週間ほどの短期の進捗と1ヶ月ほどの長期の進捗の2つに分けて分析をしているのですが、その結果
短期でも長期でも進捗が良ければ幸福とも高かった!
ということです。
やはり進捗は幸福度を上げてくるようですね。
④進捗が良くても、どうでもいいゴールなら幸福度は上がらなかった
これは面白い結果ですよね。
この研究では、
内発的な動機づけや自律性、つまり、
このゴールを自分で好きだと思っているのか、
他人に言われてやるのでなく自分から選んでやっているのか、
を測定しているんですね。
その結果、
自分で選んだ好きなゴールの場合には進捗は幸福度を上げた。
しかし、特に好きでもないゴールの場合には進捗しても幸福度は変わらなかった
ということなんですよ。
ゴールと自分が一致していることが大切みたいですね。
まとめ
本稿では進捗がいいと幸せになれるという話を紹介しました。
ポイントをまとめると
- ゴールを達成できる自信がある人は進捗がいい
- スキルの高い人ほど進捗がいい
- 進捗がいいと幸福度が上がる
- ただし、どうでもいいゴールへの進捗は幸福度を上げない
ということですね。
そうなると進捗で幸福度を上げるには
- 自分にとって大切なゴールを追いかける
- 達成できる自信がなければゴールを小さく分割する
- 今の進捗を見えるようにする
あたりが大切なのかもしれませんね。
以上、本稿はここまで。