習慣化で大切なポイントとは?習慣化のアプリはほとんどこのポイントを外してしまってるという研究

「運動を習慣にしたい」
「勉強を習慣にしたい」

など新しい行動を習慣にしたい思いは誰もが持っていると思いますが、実際に成し遂げるのは結構難しいものです。

そこで、最近ではリマインダーやTodoリストなど習慣化をサポートしてくれるというスマホアプリがたくさんあって、1クリックでパパッとインストールすることができます。

しかし、これらのアプリの中身を検証してくれた研究(*1)によると、大半のアプリは心理学で研究されている習慣化の理論に基づいていない間違ったものだというのですね。

そこで、本稿ではこの研究を参考に、習慣化で大切なポイントと、本当に役立つアプリの特徴とは何かを知りましょう!

「習慣化の手法」と「行動を変える手法」

習慣化のテクニックを調べると色々な手法が出てくると思います。

  • ゴール設定
  • 行動の記録
  • リマインダー
  • カレンダー
  • フィードバック
  • 報酬

などなど様々ですね。しかし、先の研究のよるとこれらの手法は「習慣化の手法」と「行動を変える手法」を混同してしまっているというんですね。

この2つの違いを理解するためには習慣化するということが本質的にどういうことなのかを知る必要があって、それは

  • 習慣になるとは自動的にその行動が行われるようになること

ということ。つまり頑張ってやろうと思わなくても、その行動をやるのが当たり前になるということです。例えば、毎朝決まった時間に好きで勉強している人は習慣で勉強している人で、毎日先生に監視されてるから勉強している人は習慣じゃないけど勉強はしている人です。このように行動の頻度が同じだとしても自動化してるかどうかで習慣になっているのかどうかが変わるんですね。

そしてこの観点から、先ほどの「習慣化の手法」と「行動を変える手法」の違いがわかって

  • 習慣化の手法は、行動を自動化して長期的に自然と行動できるようになるための方法
  • 行動を変える方法は、モチベーションを高めて一時的行動を変えたり、強制力を働かせて行動を変える方法

ということなんですね。例えば、行動を変える手法にはゴール設定がありますが、ゴール設定してモチベーション高くスタートしても3日坊主で終わってしまうなんてことがよくありますよね。なので。習慣化するには行動するだけでなく、その行動を自動的に続けられるようになることにフォーカスしないとダメと言うことです。

習慣化の手法とは

それでは、この研究で紹介されている習慣化するのに重要なポイントが何かと言うと

  • 習慣化したい行動のトリガーとなる行動を決めて、トリガーと行動をセットで反復すること

ということです。

これが具体的にどういうことかと言うと、

「朝食を食べたら、続けて30分勉強をする」
「帰宅で自宅の最寄り駅に着いたら、そのまま20分ウォーキングして帰る」

というように「〇〇したら、続けて〇〇する」と決めるということですね。

実は人間の習慣の正体は「映画を見るとポップコーンが食べたくなる」というふうに、「トリガー→行動」の組み合わせなので、新しいトリガーと行動のセットを繰り返すことで、その行動を習慣として馴染ませることができるのですね。

また、他にも習慣化に有効なポイントがいくつかあって

  • 行動の結果としてポジティブな結果を得られること
    (報酬を設定する、行動をそのものを楽しめるようにするなど)
  • その行動を思い出させてくれるキューを増やすこと
    (運動を習慣にしたいなら、トレーニングウェアを目に見えるところにおいておくなど)

ということも有効だということです。

トリガー vs リマインダー

この研究ではトリガーを使ったときと、リマインダーを使ったときとでどれだけ行動が習慣化されるのかの違いを調べています。

その結果として面白いことが分かって

  • トリガーを使うと、新しい行動の実行確率を上がるとともに、その行動が自動的にできるようになっていく
  • リマインダーは確かに新しい行動の実行確率を上げてくれる。
    しかし、トリガーとセットにしていないので、習慣として自動化はされにくい。

ということなんですね。

なので、リマインダーやTodoリストのようなツールは、やらなければいけない単発のタスクには有効でも、毎日行うような習慣的な行動にはトリガーほど有効ではないということですね。

習慣化アプリは役に立つのか?

さらにこの研究は115個の習慣化アプリがどのような手法を用いているのかを調べてくれていて

  • 77%のアプリがタスク管理を使っていて、同様にリマインダー(44%)、行動のグラフ化(36%)、ゴール設定(35%)、というように行動を変えるための手法を使っているアプリが多い
  • トリガーと行動に着目したアプリは全体の3%程度しかなかった

ということ。行動を変えるための手法がほとんどのようなので、そのようなアプリを使っても行動の数は増やせるかもしれませんが、長期的に習慣として定着させるのは難しいかもしれませんね。

ちなみに、良いアプリがどんなものかというと

  1. トリガーを決めて新しい行動を増やすように促す。
  2. 行動に失敗した場合は、他にいいトリガーがないのか探すように促す
  3. トリガーの前に、このトリガーがきたら行動してねというリマインドを出す

という感じみたいです。

まとめ

本稿では習慣化のポイントについてお話ししました。

まとめると

  • 「習慣化の手法」と「行動を変える手法」があるので見極めよう
  • 行動を変える手法は、行動を増やしてくれるけど習慣として続かない
  • 習慣化の手法のポイント
    ①トリガーと新しい行動をセットで反復すること
    ②その行動を思い出させてくれるキューを増やすように環境を整える
    ③行動の結果としてポジティブな結果を感じられるようにする

ということですね。

ちなみに、私も会社が終わったらコワーキングスペースに行ってブログを書くというふうにしてから、継続してブログを書けるようになりました。なのでこの効果は自分でも実感しています。私の場合は家では集中できなかったりするので、場所も変えるという工夫もしていますので、よかったら参考にしてみてください。

以上、本稿はここまで!

[参考文献]
*1: Beyond Self-Tracking and Reminders: Designing Smartphone Apps That Support Habit Formation

Naoto

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