座りっぱなしを防ぐスタンディングデスクやトレッドミルデスクの効果とは?
コンピュータを使って仕事をする人の中には朝から晩まで座りっぱなしという人も多いと思います。
実はこの「座りっぱなし」は健康に非常に悪いものなんですね。
具体的に座りっぱなしにどのような悪い効果があるのかというと
- 座り時間が長いほど慢性病のリスクが上がってしまう
- 心臓病のリスクも上がってしまう
- 全死因の死亡率が高くなってしまう
- メタボや2型糖尿病になりやすい
など、なりたくないものばかりです。
そこで、最近では仕事での座りっぱなしを減らそうという活動も増えてきているようで、立った状態で使用できる「スタンディングデスク」や、机の下にルームランナーがついていて歩きながら使える「トレッドミルデスク」なんてものが開発されているようなんですね。
そこで、本稿ではこれらのデスクを使ったときにどんな良い効果が得られるのかをプリンス・エドワード・アイランド大学の研究を参考に紹介していきたいと思います。
スタンディングとトレッドミルデスクの効果
①体の健康面への効果
まず最初に体の健康面にどのような効果があるのかを見ていきましょう。
消費カロリーの増加!
スタンディングデスクの場合は4.1~20.4kcal/hが座りの場合よりも多く消費され、トレッドミルデスクの場合には時速1.6kmのスピードでのウォーキングで100±51.9kcal多く消費されたということです。
立つだけの場合ではそれほど消費カロリーは上がりませんが、ウォーキングまで行うと大きく消費カロリーを増やすことができそうですね。
心拍数の増加!
スタンディングの場合に心拍数は8.4±4.8拍ほど増加し、
トレッドミルの場合で心拍数は12.32±9.28拍増加するとのこと。
体が活動レベルが座り姿勢と比べて高まっているということですね。
体重の減少!
スタンディングデスクの場合には大きく体重が減ったという研究結果はないようですが、トレッドミルデスクで歩く習慣をつけた場合には1年間で3.4±5.4kgの脂肪を減らすことができたという研究結果があるとのこと。
特に肥満の人には有効で、肥満の人なら1日に2〜3時間トレッドミルデスクを使用するようにすれば1年間で20〜30kgの体重を減らすこともできる可能性があるということなんですね。
③心理面への効果
気分が改善するかも!
疲労感や緊張、落ち込みといったネガティブな感情が減って、活力だったり健康感、集中感、幸福感が増すという研究結果もあるみたいです。しかし、そんな効果はなかったという研究もあったりして、確かな効果とまでは言えないみたいです。
③仕事のパフォーマンスへの効果
続いて仕事のパフォーマンスについてスタンディングデスクやトレッドミルデスクがどのような効果があるのかについてみていきましょう。
キーボードのタイピングやマウス操作
キーボードやマウスの操作はわりかし精密な動作が必要となるので、トレッドミルデスクのスピードを速くしすぎるとパフォーマンスが落ちてしまうとのこと。一方で3.2km/hくらいまでならパフォーマンスが落ちないみたいなので、パソコンを操作しやすい自分にあった速度を見つければ大丈夫ということです。
仕事のパフォーマンスが向上するかも
情報処理などの認知能力がスタンディングデスクやトレッドミルデスクで向上するかどうかはまだ正確にはわかっていないようです。認知能力は座っているときも立ってるときも同じという研究結果もありますし、トレッドミルデスクを使った方がその後の記憶テストや注意力が良かったという研究結果もあるようです。コールセンターの仕事でスタンディングデスクを取り入れた研究で、〜45%も生産性が上がったという結果が得られていることもあります。なので、仕事のパフォーマンスは上がる可能性はある程度で考えておくと良いのではないでしょうか。
スタンディングデスクやトレッドミルデスクの注意点
同じ姿勢を続けることが悪い
座りっぱなしがなぜ体に悪いのかというと同じ姿勢をずっと続けてしまうからということです。なのでスタンディングデスクにした場合でもずっと同じ立ち姿勢でいるとダメということ。立ったり、座ったり、歩いたりと姿勢を時々変えることが一番大事でずーと立ち続けることも必要ないようです。
慣れるまで時間がかかるかもしれない
トレッドミルデスクやスタンディングデスクを導入時に最初の1〜2ヶ月はパフォーマンスが下がってしまったけど、その後に向上したという研究結果もあるみたいなので、最初に慣れるまではパフォーマンスが少し下がったり、疲労感を感じたりするかもしれません
まとめ
本稿では、座りっぱなし解消の手段である「スタンディングデスク/トレッドミルデスクの効果」についてお話ししました。
ポイントとまとめると
- スタンディングデスクやトレッドミルデスクは肥満解消など健康に良い!
- 心理面では気分が改善する効果があるかも
- 仕事のパフォーマンスも上がるかもしれない
- だけど立ちっぱなしもあまり良くなくて、時々姿勢を変えることが一番大事
- 最初慣れるまではパフォーマンスが落ちたり少し辛いかも
ということです。
実は私も2年以上前から立って仕事をするようにしています。個人的な感想としては立って仕事をした方が眠くならずに集中力が増しているような気がしますし、何よりも座りっぱなしのときに悩まされていた肩こりや腰の疲れがなくなりました!
皆さんも興味があれば是非試してみてください
[参考文献]
*1: A Systematic Review of Standing and Treadmill Desks in the Workplace