筋トレ効果を上げるためにインターバル中に行うべき4つのこととは?
筋トレは10回×3セットや5回×5セットなど、複数セットを行なってその間にインターバルを入れます。このインターバルの時間は1〜2分と短めにして筋肉を追い込むこともあれば、3〜5分としっかりと取って高重量を扱うこともあります。
これに対して、実際に筋トレ動作をしている時間はおそらく1分にも満たないはずです。つまり、実は筋トレは動いている時間よりもインターバルで休憩している時間の方が長いということ。そう考えてみると意外ですよね。
となると「インターバルの時間をより有効に使えれば、筋トレの効果をもっと上げることができるのでは?」という疑問が浮かびますよね。例えば、インターバルをただ座っているのでなく、ストレッチをすれば次のセットでより多くの回数がこなせるかもしれません。
そこで本稿では「インターバル中に行うと効果のある方法」を調べてくれたエディスコーワン大学の研究(*1)を参考に、筋トレ効果を高めるインターバルの使い方を紹介していきたいと思います。
インターバルの使い方の研究
この研究では筋トレとインターバルの使い方を調査した26件の研究結果をまとめてくれています。これらの研究では様々なインターバルの使い方が実験されていていて、
- ストレッチ
- 筋肉を温める/冷却する
- 有酸素運動をする
- マッサージ
- 筋肉に振動を与える
- 筋肉に電気刺激を与える
- 心拍数に応じてインターバルの長さを変える
- 姿勢を変える(立ち、座り、仰向けに寝る、歩く)
が含まれています。
この研究はこれらの方法が本当に効果があるのかをまとめてくれたわけですね。筋トレ好きには嬉しい限りですな!
本当に効果のあった方法4選
分析の結果として、実際に効果があると判断されたのは5つの方法でした。他の方法については研究によって効果にばらつきがあったりして、はっきりと効果があるとは言えなかったということです。効果のあった方法は5つですが、その一つは心拍数に応じてインターバルの長さを変えるというもので、インターバル中に行うこととは少しニュアンスが違ったので、それ以外の4つの方法について紹介したいと思います。
①ストレッチする
研究によりストレッチ行った後でパワーが向上したり、回数が増えるといった効果が確認されています。ただし、ストレッチの種類がかなり重要で、これを間違えると逆効果となってしまうとのこと。
まず、やってはいけないのは主動筋の静的ストレッチです。主動筋とはその筋トレで主に使う筋肉です。例えばベンチプレスなら大胸筋などですね。そして静的なストレッチというのは、時間をかけて筋肉をグーっと伸ばすようなストレッチです。筋肉は伸びたり収縮したりするときにゴムのように反動で力を発揮します。トレーニングの前で主動筋を伸ばしてしまうと、筋肉が伸びきった状態になって力を発揮しにくくなってしまうみたいなんですね。
一方で、効果のあるストレッチは拮抗筋のストレッチと動的ストレッチです。拮抗筋とは主動筋と逆の役割を持った筋肉です。例えば、アームカールでは上腕二頭筋(力こぶ)が主動筋で、反対側にある上腕三頭筋は拮抗筋になります。動的ストレッチとは、時間をかけてぐーと伸ばすのではなく、リズムよく筋肉を動かすようなストレッチになります。筋肉が伸びきらないようにホッホッと動かせばいいわけですね。
②筋肉を冷却する
インターバル中に筋肉を冷やすことにも筋トレのパフォーマンスを高めてくれる効果が確認されています。冷却の主な効果はRPE(自覚的運動強度)を下げてくれることということです。なかなか面白いですね。
RPEとは筋トレを行っているときに感じる「あと3回くらいはできそう」とか「もう限界で1回もできない」みたいな感覚としてのトレーニングの負荷になります。筋肉を冷却することで感じ方としてのトレーニングの負荷が軽減されて、より多くの回数がこなせるようになるということですね。
③有酸素運動をする
なんとインターバル中の有酸素運動にも次のセットのパフォーマンスを上げる効果があったということ。しかし、有酸素運動には注意点があって、乳酸がたまらない程度の軽い負荷で行うこと!だそうです。
負荷の大きい有酸素運動をすると体に乳酸がたまってしまって筋トレのパフォーマンスが下がってしまうようです。要するに有酸素運動で筋肉が疲れてしまったわけですね。一方で乳酸がたまらない程度の軽い有酸素運動は、逆に筋トレでたまった乳酸をリセットすることを促進してくれたということ。インターバル中に有酸素運動をする場合は負荷には要注意ですね。
④筋肉に振動を与える
筋肉に振動を与えることはスポーツ科学でも広く研究されているもので、振動には筋肉やその神経系を回復させる効果があるということです。なぜ振動がパフォーマンスを向上してくれるのかのメカニズムはまだ解明されていないようですが、振動を与えることで次のセットでパワーが向上したり回数が増えたりといった効果があることが実験により確認されています。
最近では振動機能付きのマッサージポールも発売されていてるので、そういったものをインターバル中に使ってみると良いかもしれません。
まとめ
本稿では、筋トレの効果を高める4つのインターバルの使い方
- 拮抗筋ストレッチまたは動的ストレッチをする
- 筋肉を冷却する
- 軽い有酸素運動をする
- 筋肉に振動を与える
についてお話ししました。
筋トレではインターバルの占める時間は意外と多いということで、それをどう活用するのかも大切ということです。動的ストレッチなんかは比較的やりやすいのではないでしょうか。インターバルで体を止めてしまうのでなく、軽く動かしておくように意識すれば良いと思います!
以上、それでは良い筋トレライフを!
[参考文献]
*1: Effect of Interset Strategies on Acute Resistance Training Performance and Physiological Responses: A Systematic Review