商品に一つでも悪いレビューが付けられると、売れる確率がガクッと下がってしまうという研究結果
多くのオンラインショッピングのサイトでは、ユーザーが商品のレビューをつけることができます。
例えば、Amazonではユーザーが商品の感想を書き込めるとともに、1つ星〜5つ星の5段階で購入した商品を評価することができます。Amazonで買い物をする人は、このレビューの数だったり、レビューの星の数を商品選びの参考にしていることでしょう。
実際にユーザレビューの大切さは研究でも指摘されていて、
- 商品を探している人は企業が作る広告よりも、ユーザーレビューの情報を信用している
みたいな研究結果もあるみたいなんですね。
それで、良いレビューがたくさんあっても、少数の悪いレビューがその商品の信頼を奪ってしまうことがあります。例えば「買って1週間で故障した」みたいなたった一つの悪いレビューに影響されて、その商品を買う気が失せてしまうということもあるのではないでしょうか。
そこで、本稿ではこの悪いレビューのインパクトに注目して、
- 一つでも悪いユーザレビューがどれだけその商品を売れなくしてしまうのか?
について分析してくれた研究の中身を見ていきましょう。
たった一つの悪いユーザーレビューのインパクトとは?
この研究(*1)では、イギリスのオンラインショッピングサイトで取得されたデータを分析していて、そのデータは41万628回の商品ページの閲覧、7774回の商品の購入を含んでいます。
それで、このオンラインショッピングサイトもAmazonと同じような作りになっていて、
- 商品のページの下の方にユーザレビューが表示されている
- 最新のいくつかのレビューを商品のページから見ることができる
- 残りのレビューは次のページボタンを押せば見れる
という感じです。
この形式のサイトで特に問題になるのが、商品ページに最初に表示されているユーザレビューの中に悪いレビューが一つでもあるかどうかです。パッと開いた商品ページの中に一つ星の最低評価のレビューなんかがあったときには、ついそのレビューに目がいってしまって商品の印象が悪くなってしまいますよね。
それでこの研究では、
- ユーザーが商品ページを閲覧した時のレビューの状態にユーザーの購入率にどれだけ影響するのか?
を40万以上のページビューのデータから分析してくれています。
結果
分析の結果がどうだったのかというと、
- 3つ星以下の悪いレビューを一つでも目にした場合は、商品の購入率が51.4%も低下した
という結果が得られています。なんと悪いレビュー1つで購入率半減してしまうということで、悪いレビューのインパクトがかなり大きいことが伺えます。
さらにこの研究では悪いレビューで購入を止めた後の行動まで追跡調査していて、
- 悪いレビューの商品を見た後で、11.4%の人は続けて競合他社の商品ページを見ていた
- 悪いレビューの商品を見た後では、悪いレビューのない商品を買うのに約15.8%ほど値段の高い商品を買っていた
ということが分かっています。人は多少値段が上がったとしても質の良いものを欲しがるようで、その質の良し悪しの判断にユーザレビューが大きく影響していることがわかります。
以上ざっくりとまとめると、この研究からわかったのは人は悪いユーザーレビューにかなり敏感ということですね。
まとめ
本稿では「たった一つの悪いユーザレビューのインパクト」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 一つの悪いユーザレビューが目につくだけで、商品の購入する確率は半減してしまう!
- 人は15%ほど値段が上がったとしても、悪いレビューの商品は避けて、良いレビューの商品を買いたがる!
- 要するに悪いユーザレビューはインパクトがとても大きい!
ということですね。
もともと人にはネガティブを強く感じたり、リスクを強く回避する傾向があるので、それらの影響でネガティブなユーザレビューに敏感になっているのかもしれませんね。商品を買う側からすると、正しい商品選びの判断をするには、悪いユーザーレビューに過度に影響されすぎないことも大切なのかもしれません。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Measuring the Impact of a Single Negative Customer Review on Online Search and Purchase Decisions