休みの日のクリエイティブな活動が、仕事の疲れの回復や仕事のパフォーマンスを高める
仕事の疲れを取るのには休日が必要です。平日働いて溜まった疲れを、土日の休みで回復させているわけですね。
それで休日の過ごし方は人それぞれ違うもので、スポーツをしたり、ショッピングに出かけたり、飲みに行ったり、家で本を読んだりなど様々です。それで、当然ではありますが仕事の疲れの回復に休日の過ごし方が影響してきます。休日なのに家で仕事に近いことをしていたら、なかなか疲れは抜けませんよね。
そこで、サンフランシスコ州立大学の研究(*1)が
- 休日にクリエイティブな活動をして過ごすと、疲れの回復やその後の仕事のパフォーマンスが向上するのでは?
ということを調べてくれていましたので、本稿ではその中身を見ていきましょう。
クリエイティブな過ごし方
クリエイティブとは、今までにないものや今までにない考え方を自分で作り出すことです。クリエイティブと聴くと芸術や音楽などを想像してしまいがちですが、その範囲はもっと広くて、「新しく家の模様替えをした」とか「これまで悩んでいたことに新しい解決策を思いついた」とかでもクリエイティブさは発揮されています。
それで先の研究では、休日にクリエイティブさを発揮する活動を行うことには4つのメリットがあると考えています。
- ①新しい知識やスキルが習得できる
新しいことに挑戦すれば、新しいことを学べるもの。例えば、料理で新しいメニューに挑戦すれば、「この調理方法は他のメニューでも使えそうだな」みたいな発見がありますよね。
- ②コントロール感が高まる
クリエイティブな活動は新しいことを自分の力で切り開くもので、他人やこれまでのやり方に従う必要がなく自由です。なので、クリエイティブな活動が増えれば、自分で好きなように休日を使っているコントロール感が高まるはずだと考えられます。
- ③仕事のことを忘れられる
人によっては休みに日になっても仕事のことが頭から離れないことがあります。クリエイティブな活動に没頭すれば、仕事のことを忘れることができる可能性があります。
- ④リラックス
自分の思うままにクリエイティブな活動を行うことは、リラックスさせてくれて仕事の疲れを癒してくれるはずです。
4つのメリットは本当に得られるのか?
それで、サンフランシスコ州立大学らの研究では
- 休日のクリエイティブな活動で、これらの4つのメリットが本当に得られるのか?
- その結果として休み明けに、仕事のパフォーマンスは向上するのか?
を341人の社会人を対象に調査してくれています。
結果:4つのメリット
最初に休日のクリエイティブな活動で4つのメリットが得られるのかの結果は
- クリエイティブな活動をしてる人ほど、知識やスキルの習得が多かった(r=.71)
- クリエイティブな活動をしてる人ほど、休日の過ごし方を自分でコントロールしている感覚が強かった(r=.41)
- クリエイティブな活動をしていても、仕事を忘れられる効果はなかった(r=0.05)
- クリエイティブな活動はリラックス効果があった(r=0.22)
ということで、仕事を忘れられる効果以外のメリットは実際に得られていることが分かりました。中でも知識やスキルの習得はr=.71と高い相関が得られていていい感じですね。
結果:仕事のパフォーマンス
次に休日をクリエイティブな活動をして過ごしたときに、休日明けの仕事のパフォーマンスが向上するのかの結果は
- 休日にクリエイティブな活動をすると、仕事中もクリエイティビティが増すという直接の効果が得られた
- 休日にクリエイティブな活動をすると、仕事中に自発的に頼まれた以上の仕事をしようという行動が増えた
- 休日にクリエイティブな活動をしてスキルや知識が高まった結果として、自発的に会社組織のために行動することが増えた
ということ。つまり。休日のクリエイティブな活動は仕事のパフォーマンス向上につながることが分かったということですね。
まとめ
本稿では「休日のクリエイティブな活動の効果」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 休日のクリエイティブな活動は、知識やスキルを向上させ、休日のコントロール感を上げ、リラックス効果もある!
- 休日のクリエイティブな活動の結果、仕事中のクリエイティビティも向上し、仕事のパフォーマンスを向上させる行動が増える!
ということですね。
先に話した通りクリエイティブとは「新しいものや方法を生み出す」ことで、日常の中でも発揮できる場面は多々あります。なので休日にクリエイティブな活動をするのには、「新しい場所に行ってみる」とか、「今まで読んだことのない系統の本を読んでみる」とか、「新しい料理を作ってみる」とか、新しさを求めるようにするといいと思います。
以上、本稿はここまで
[参考文献]
*1 : Benefiting from creative activity: The positive relationships between creative activity, recovery experiences, and performance-related outcomes