衝動買いはどういうときに起きるのか?の研究

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コンビニで期間限定のお菓子をついでに買ってしてしまったり、安売りしていた家電を思わず買ってしまったりと、衝動買いは大なり小なり様々な場面で起きるものです。アメリカの統計によると年間での衝動買いは合わせると5,400ドルにも積み上がってしまい、中でも多いのが食べ物や洋服ということです。

そこで本稿では「衝動買いを防ぐにはまず衝動買いについて知ろう」をテーマにして、衝動買いがどんなときに起きやすいのかを見ていきましょう。

衝動買いが起きやすいときとは?

衝動買いが起きる要因について詳しく調べてくれたのがフロリダ・アトランティック大学らの研究(*1)で、合計で75,000人以上にもなる過去の研究231サンプルをメタ分析でまとめてくれています。

それでこの研究では、衝動買いの要因を

  • 買い手の性格や心理に関する内部要因
  • 商品や広告による外部要因

の2つに分けてまとめてくれています。

衝動買いを起こす買い手の内部要因

買い手の心理として衝動買いを起こす心理には3つのポイントが働いていて、

  • ポジティブな感情が強いときに衝動買いが起きやすい(r=.33)
  • ネガティブな感情が強いときも衝動買いが起きやすい(r=.19)
  • セルフコントロールのうまい人は衝動買いを大きく減らせる(r=−.53)

ということです。

気分が良いときに勢いで買ってしまったり、逆に落ち込んでいるときにそれを解消しようとして衝動買いに走ってしまうことがあるみたいですね。ただし、セルフコントロール能力がかなり大切な仕事をしていて、セルフコントロール能力が高い人は相関で−0.53と大きく衝動買いを減らせていることがわかります。

そして、性格的要因としては、

  • 新しいものや変化を求める傾向がある人
    新しいものが好きな人は、新しい味のお菓子や新しい洋服を求める傾向があると考えられるため、衝動買いもしやすい相関がある
  • 普段から衝動に弱い傾向がある人
    衝動に弱い人は、ポジティブ・ネガティブの両方の感情が高く、セルフコントロールも低い傾向がある。なので、感情に振り回されて衝動買いをしやすい。
  • 短期的で快楽的な人
    長期的な利益をあまり考えないタイプの人は、目先の楽しさを優先するのでネガティブな感情になることが少ないが、ポジティブな感情が高まったときに衝動買いをする可能性が高い。
  • 実利的な人
    実利的な人は、セルフコントロール能力が高く、感情による衝動買いも少ないが、これらの3つの要因を介さず衝動買いをしてしまう直接の相関があるということです(r=.54)。割引率の高い商品を買ってしまうのも実利的な計算の結果なのかもしれませんね。
  • 時間やお金、心にゆとりがある人
    時間やお金といったリソースに余裕がある人ほど、衝動買いをしやすい傾向があります。給料日などでお財布にゆとりがあるときには注意が必要ですね。

ということです。

衝動買いしやすい商品の特徴

それで外部要因として衝動買いしやすい商品の特徴としては

  • 価格が低いほど衝動買いしやすい
    価格が高くなるほど衝動買いもハードルが上がるので、さすがに踏みとどまる人が増えるようです。
  • 話題になっている商品ほど衝動買いしやすい
    広告で見たり周りの人から紹介してもらったりと、その商品についてのコミュニケーションが増えるほど衝動買いをしやすくなる
  • お店で魅力的に見せられている商品は衝動買いしやすい
    お店での商品のディスプレイのされ方も視覚刺激として衝動買いを促進します。
  • 限定商品は衝動買いしやすい
    期間限定の商品や地域限定の商品など、買う機会が限られている商品ほど衝動買いをしやすくなってしまうということ。確かに期間限定のお菓子とかはついつい食べたくなってしまいますよね。

という傾向があるようです。

まとめ

本稿では「衝動買いをしやすい心理と商品」についてお話ししました。

衝動買いを抑えるポイントとしては

  • なんだかんだで衝動買いを防ぐのにもセルフコントロール能力がかなり大切
  • 気分が高まったり落ち込んだりとしたときに衝動買いしてしまわないように感情への対処も大切
  • 商品には視覚刺激だったり、限定性だったりと、買わせるための仕掛けが仕込まれていることを知っておくことも大切

ということですね。

セルフコントロール能力を高めて感情的になるのを防ぐのにはメタ認知の視点が立つと思います。なので、客観的な視点から自分を見つめ直してみて、なんで自分はこの商品を欲しいと感じているのか?といったことを問いただしてみると良いと思います。私もAmazonなどのネット通販で衝動的にポチってしまうことが多いので注意していきたいところです。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Impulse buying: a meta-analytic review

Naoto

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