睡眠のエキスパートが選ぶ、睡眠に関する20の嘘(後半)

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前半では睡眠時間に関する嘘と、睡眠中の行動に関する嘘を合計11件見てきました。

後半では睡眠前の行動や睡眠中の脳の活動に関する嘘9件を見ていきましょう。前半と同様に、ウソ度は1〜5点で睡眠の専門家により採点されています。

日中の行動と睡眠のウソ

ウソ12:スヌーズ機能のめざましを使って起きると良い(ウソ度:3.75)

スヌーズ機能を使って一発で起きられない場合は、小さな睡眠を何回にも分断して取ることになります。これがあまりよろしくなくて、メンタルの柔軟性を低下させたり、起床時の気分を低下させてしまうことが分かっています。なので一回のアラームでパッと起きるようにしましょう。

ウソ13:睡眠不足なら昼寝で補えば良い(ウソ度:3.13)

昼寝自体には午後のパフォーマンスの向上などの良い効果があるものの、昼寝を頼りにしすぎると、夜に寝付きにくくなってしまうことがあります。なので、夜に十分な睡眠が取れていない人は、昼寝で補うのではなく、まずは夜の睡眠をしっかりと改善することが先決ということです。

寝る前の行動のウソ

ウソ14:寝る前のアルコールは睡眠を改善してくれる(ウソ度:4.13)

アルコールを飲まないとなかなか寝付けない人がいるように、アルコールは寝付くまでの時間を短くしてくれます。しかし、アルコールはレム睡眠までの時間を遅延してしまうなど、寝付いた後の睡眠の質を低下させてしまうので、結果としてはマイナスになってしまうということです。

ウソ15:寝室は暖かくして寝た方が良い(ウソ度:3.88)

寝室の温度が暖かいほど睡眠の質は低下してしまうという研究結果があります。寝る前にお風呂で体を温めるのが良いのは、体が温まるのが睡眠に良いのではなく、温まった体が冷めていくことが良いのです。寝室の温度としては18度〜22度がおすすめということです。

ウソ16:十分な睡眠をとっても退屈だと眠くなる(ウソ度:3.75)

つまらない会議ではウトウトと眠くなってしてしまうものです。しかし、これは睡眠不足の状態と退屈が合わさった結果であって、十分に睡眠が取れている人なら退屈な状況でも眠くはなりません。また、毎日の退屈が少ない人ほど睡眠の質が良いという結果もあるようなので、退屈を感じやすい人はそもそも睡眠のパターンが乱れてしまっていて、そっちが原因になっている可能性もあるということです。

ウソ17:ベッドでテレビを見るのはリラックスできて良い(ウソ度:3.50)

夜遅くにテレビを見る人ほど睡眠時間が不足しているというデータがあります。そもそもテレビは脳に刺激を与えて覚醒させてしまうので、リラックスの反対の現象が起きてしまって、睡眠を妨げてしまいます。

ウソ18:寝る前の4時間には運動はしない方が良い(ウソ度:3.25)

運動は睡眠の質を高めてくれるものなのでもちろんやった方良いです。このウソでの心配は寝る前に運動すると体が覚醒してしまって寝付けなることだと思いますが、実際の研究ではそんなことはないようです。ただし、ハードすぎる運動は寝る前に限らず睡眠の質を低下させてしまうので、適度な運動にすることが大切です。

睡眠中の脳に関するウソ

ウソ19:睡眠中に脳は活動を停止している(ウソ度:5.00)

睡眠中は脳も動きを停止しているように思えますが、実際には記憶の整理をしたりなどで活発に動いていることが脳波を見ると観測できます。また、睡眠中には脳の中の廃棄物をクリアするなどの活動も行われているということです。

ウソ20:夢を覚えていることは良い睡眠の証(ウソ度:3.63)

これについては睡眠時間が長い人ほど夢をみる機会が多いという傾向が原因の一つになっているようです。たっぷりと睡眠を取れた人は夢を見る確率が高いため、夢をみることが良い睡眠だと勘違いしてしまったわけですね。実際には夢を見れるかどうかは関係なく、しっかりと睡眠時間が取れれば良い睡眠ということです。

まとめ

本稿では「睡眠のエキスパートが選ぶ、睡眠の20の嘘」について後半の9個の嘘を紹介しました。

個人的には「睡眠不足なら午後に昼寝で補えば良い」というのが嘘に頼ってしまっていた面があったので、夜に7時間睡眠をしっかりと取れるようにならないとな〜と思いました。

皆さんも自分の今の睡眠とこれらの嘘を見比べてみれば、もっと良い睡眠習慣が見つかるのではないでしょうか。

以上、本稿はここまで。

前半リンク


[参考文献]

*1 : Sleep myths: An expert-led study to identify false beliefs about sleep that impinge upon population sleep health practices

Naoto

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